レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 平成30年9月30日
- 登録日時
- 2018/10/20 10:11
- 更新日時
- 2021/06/04 12:21
- 管理番号
- 県立長野-18-076
- 質問
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解決
1 長野県善光寺地震の際に土砂に巻き込まれた「山平林」「岩倉」「孫瀬」集落の地形図での位置が知りたい。
2 調査済み資料『長野市誌 第4巻(近世2)』によると、「善光寺地震により虚空蔵山の南西部が崩れ犀川に土砂が流入した」とあるが、(地形図上虚空蔵山の)南西部が崩れても土砂が流入することは無いと思うが資料の内容は正しいのか。
- 回答
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1 長野県善光寺地震の際に巻き込まれた「山平林(やまひらばやし)」「岩倉(いわくら)」「孫瀬」集落の地形図での位置について
「孫瀬」は、昭和56年発行以降の国土地理院25000分の1地形図「信濃中条」に記載があった。
大屋弘著「善光寺地震による虚空蔵山崩壊と村の復興-山平林村孫瀬・岩倉組を中心として-」『市誌研究ながの』第21号 2014 p.59-80 によると、岩倉集落は現在、涌池(わくいけ)地区となっており、同じく「信濃中条」の地形図に載っている。
山平林村は、『信州ふるさと変遷史』 松橋好文 一草舎出版 2006 【291.52/ナガ】p.26で変遷をたどったところ、「山平林」集落も現在は長野市信更町となっている。信更町は、50000分の1の地形図では「長野」に掲載されており、25000分の1の地形図では、「信濃中条」【最終確認2021.5.30】、昭和59年以降発行の「稲荷山」に掲載されている。
2 善光寺地震により、虚空蔵山の土砂崩れについて
『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』 平凡社 1979 【N290.3/54】p.828によると、善光寺地震が起きて山崩れを起こした虚空蔵山(岩倉山)は、現在の信更町にある虚空蔵山を指す。この虚空蔵山は地形図には、山名記載はなく三角点と764mの標高のみとなっている。
国土地理院のHP内にある「地理院地図」で虚空蔵山を確認したところ、岩倉山(虚空蔵山)とは別の虚空蔵山と呼称される山を県内で複数確認できる。信更町の虚空蔵山(岩倉山)付近にも、虚空蔵山があった。この虚空蔵山の南西部が崩れ土砂が犀川へ流入することは難しいが、信更町の虚空蔵山からは地形図上も土砂が流入したと考えることは可能。
以下の善光寺地震に関連した資料も合わせて紹介した。
・『長野県地震入門』 塚原弘昭著 しなのき書房 2011【453.21/ツヒ】p.75-76「4.善光寺地震」
・『信州地震大絵図』【最終確認2019.2.20】
・『弘化丁未春三月二十四日信州大地震山頽川塞堪水之図』【最終確認2019.2.20】
・『弘化丁未夏四月十三日信州犀川崩激六郡漂蕩之図』【最終確認2019.2.20】
・『むし倉日記』【最終確認2019.2.20】
- 回答プロセス
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1 国土地理院25000分の1地形図を確認したところ、昭和56年(1981年)発行以降の「信濃中条」の地形図に孫瀬地区の記載があった。
「岩倉」「山平林は地形図からは確認できなかった。
2 地区の変遷を辿ったところ、岩倉集落は涌池地区、山平林は信更町になっていることが分かった。
涌池、信更町は地形図から確認ができた。
2 書架をブラウジング。『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』 平凡社 1979年【N290.3/54】p.828 に岩倉山(虚空蔵山)と善光寺地震についての記載を確認。
また、国土地理院のHP内にある「地理院地図」で虚空蔵山確認したところ、岩倉山(虚空蔵山)とは別の虚空蔵山と呼称される山を県内で複数確認した。
岩倉山(虚空蔵山)の資料と照らし合わせたところ、長野市信更町山平林にある岩倉山(虚空蔵山)は、地形図上には山名の記載がなく三角点と標高記載のみとなっていることがわかった。
その他、善光寺地震に関連した資料を紹介。
- 事前調査事項
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・『長野市誌 第4巻(近世2)』
・国土地理院5万分の1地形図「長野」
- NDC
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- 地震学 (453)
- 日本 (291)
- 参考資料
- キーワード
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- 善光寺地震
- 河道閉塞
- 犀川
- 洪水
- 信州学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000244157