レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年11月14日
- 登録日時
- 2025/02/20 13:03
- 更新日時
- 2025/03/24 10:59
- 管理番号
- ASN2022-34
- 質問
-
解決
昭和初期(1920年代前後)の警察(巡査、交番に勤めているもの)に関する本を探している。
【情報源・背景】
中野重治の『交番前』について発表する課題のため。
【関連質問】
昭和初期(1920年代前後)当時の職業(道路工夫など)に関する本を探している。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000363545
巡査の社会的立場(身分や権力)に、どれほどの差があったのか。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000310501
- 回答
-
待遇・賃金などの周辺情報も併せて探し方を紹介します。
詳細は解答プロセスをご覧ください。
- 回答プロセス
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1.基本事項の確認
1-1.JapanKnowledge[契約データベース]
<見出し/キーワード:警察、警察官、交番、巡査 など>
「警察官」(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
警察法(昭和29年法律162号)の定める警察の責務を遂行するために置かれた一般職の国家公務員または地方公務員。
旧警察法(昭和22年法律196号)は、国家地方警察と市町村自治体警察の二本立ての警察制度を採用し、
前者には国家公務員である警察官を置き、後者には地方公務員である警察吏員を置くこととしていた。
「警察」(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
「近代的警察概念の成立」の項目で、近代の警察の概要を確認できる。
「巡査」(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
警察官の階級の一つ。巡査の名称が最初に用いられたのは、1872年(明治5)の警保寮職制(太政官 (だじょうかん) 布告)
においてであるが、当時の巡査は一等から三等までの3階級に分かれており、現在の巡査と異なったものであった。
など
1-2.レファレンス資料
<分類:203(歴史-参考文献)、2106(日本近代史)、309(社会思想)、351(統計学)、366(労働経済、労働問題)、682(交通史)>
【★1】『明治時代史大辞典』
各項目で概要を確認できる。
第1巻 p.843-844 「警察制度」
p.934 「交番」
第2巻 p.248「巡査」
【★2】『歴史学事典』
第16巻別巻 総索引 キーワード検索
「警察」、「交番」、「巡査」 各巻で、項目の概要を確認できる。
第9巻 p.149-150「警察(日本の)」
p.213-214「交番」
p.334-335「巡査」
【★3】『近代日本職業事典』
明治・対象・昭和・平成の近代日本にあった職業の解説を確認できる。
p.121 「警察官」
*次の資料からは、回答に繋がる記述を確認できませんでした。
『社会労働大事典』(法政大学大原社会問題研究所編 旬報社 2011309/H91-1)
『明治大正国勢総覧,復刻版』(東洋経済新報社編 東洋経済新報社 1975 351/ME25)
2.図書
2-1.【★2】の参考資料より
【★4】『近代日本の警察と地域社会』
明治維新から治安維持法体制下のあたりまでの警察の実態について記載。
【★5】『官僚制・警察(日本近代思想大系3)』
前半に史料、後半に解説を掲載している。
p.466-500 「日本近代警察の確立過程とその思想」(大日方純夫)
p.480- 巡査の採用について。
p.492- 巡査に求められたこと。
p.493- 民衆の警察に対する意識について。
*次の資料は国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能。
【★6】『天皇制警察と民衆(日評選書)』[送信サービス閲覧]
明治維新から戦後までの警察の実態について記載。
『日本近代国家の成立と警察(歴史科学叢書)』(大日方純夫著 校倉書房 1992.11)[送信サービス閲覧(書誌ID:000002227069)]
明治時代を中心に警察と民衆や権力との関係などをまとめている。
2-2.ブラウジング(書架を見て探す)<分類:3378(物価)、360(社会)、382(風俗史)>
【★7】『労働者の生活と「サボタージュ」』
『生活不安』 (1919年) ほか全6点の翻刻した資料。
p.29-30 「大阪府警察官俸給累年比較表」で、明治42年~大正7年の巡査達の給料を比較できる。
p.173-185 「巡査の生活」 大正7年ではあるが、巡査の生活状況を確認できる。
【★8】『百年前の家庭生活』
p.202-221 「第六章 家計からみた貧富の差 三、都市家庭の暮らし向き」
「(三)下級公務員の家庭」で、巡査の初任給と家計を確認できる箇所あり。
章末の参考文献に”「社会生活の安全期間 巡査の生活」『女学世界』第4巻第9号、
1904年9月[丸岡秀子編『日本婦人問題資料集成 第7巻 生活』(ドメス出版社)
124-126頁”が掲載。→【当館所蔵あり、請求記号:367/N773/7】
【★9】『大正期の家庭生活』
p.173-190「第13章 家計からみた市民のくらし」
「1.マクロ指標からみる物価・消費支出・賃金」に掲載の図表で、巡査の初任給を
年代毎に確認できる箇所あり。章末の参考文献に図表の出典あり。
【出典】(いずれも星が丘に所蔵あり)
『値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981 337821/SH99/1)
『続・値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981 337821/SH99/2)
『続続・値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1982 337821/SH99/3)
*次の資料からは、回答に繋がる記述を確認できませんでした。
『警察の社会史(岩波新書 新赤版 271)』(大日方純夫著 岩波書店 1993.3 080/I-2/271)
『遊郭・花街/社会外之社会/警察統計 戦前日本の社会事業・社会福祉資料 ; 第6期第8巻』
(舟津悠紀編集・解説 柏書房, 2020.7 369/SE751/6-8)
『物価の文化史事典』(甲賀忠一, 制作部委員会編 展望社 2008.7 337821/KO24)
『新・値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1990/1 337821/SH99/1)
3.新聞記事
3-1.レファレンス資料から探す <分類:2106(日本史-近代-明治・大正)>
【★10】『大正ニュース事典』
索引巻の「事項別索引」でキーワード検索
「警察」「巡査」
第3巻(大正6年、7年)
p.143d 「警官の増員と周夫暴力の強化を要求」(大正6年12月4日 東京朝日新聞)
巡査一日の勤務は立番八時間...略
p.144d 「巡査の補充難で待遇を改善」(大正7年7月8日 東京日日新聞)
第4巻(大正8年、9年)
p.688b「韮崎の巡査、増俸要求し連袂辞職仄めかす」(大正8年10月23日 山梨日日新聞)
p.114b「講習所に社会科を設置」 (大正8年10月25日 時事新聞夕刊)
国民警察の要求 これを十分に利用するには警官の頭の改造が必要
【★11】『昭和ニュース事典』
第1巻(昭和1年/3年) p.124~「年次別索引 経済・団体・国土・運輸」
p.130~「年次別索引 社会・教育・文化・生活」
昭和1年、2年の部分を確認
3-2.契約データベース
【★12】朝日新聞クロスサーチ[契約データベース]
<新聞縮刷版タブ / キーワード:巡査 生活 など / 発行日:1907(明治40)年~1930(昭和5)年>
“巡査の大恐慌 問題は宅料弁当料 生活難の下級官吏” 1911/01/29 東京・朝刊 p.5(1段)
巡査の給料が安いこと、警察署によって給料の支払い方が違うなど、生活費が困窮し、不平不満がたまっていることが分かる。
“可驚米価の騰貴(続) 巡査の生活難 盛に内職せよ” 1912/02/25 東京・朝刊 p.5(1段)
“家計調査に現われた給料取の生活苦 ラムネ1本で暑熱を凌ぐ巡査/自信なき主張/
家計調査実行/類例なき成績/貴重な副産物” 1928/02/15 東京・朝刊 p.4(1段)
など
【★13】ヨミダス歴史館(読売新聞)[契約データベース]※2025.2 現在「ヨミダス」
< 明治・大正・昭和検索/キーワード:巡査/1915-1927>
”[社説]巡査と小学教師との待遇” 1917/07/24 朝刊 p.3
”巡査等に増俸 昨日の府参事会 一人平均額二円” 1917/08/01 朝刊 p.5
”お巡査さんも一息 最高給が四十円となる 警視庁では予算の許す限り” 1919/07/18 朝刊 p.5
”小学校の児童は警官を何と観る 子供が思ったままの答案” 1921/04/21 朝刊 p.4
”巡査の子の教育ぶりを警視庁で調べる” 1925/04/18 朝刊 p.7
など
<Web最終確認日:2025/2/2>
- 事前調査事項
- NDC
-
- 行政 (317)
- 社会 (36)
- 日本史 (210)
- 参考資料
-
- 【★1】宮地正人, 佐藤能丸, 櫻井良樹 編. 明治時代史大辞典. 吉川弘文館, 2011-2013. (当館請求記号:2106/MI71-1/*)
- 【★2】尾形勇, 加藤友康, 樺山紘一, 川北稔, 岸本美緒, 黒田日出男, 佐藤次高, 南塚信吾, 山本博文 編. 歴史学事典. 弘文堂, 1994-2009. (当館請求記号:203/R251/*)
-
【★3】松田良一 著. 近代日本職業事典. 柏書房, 1993.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002295876 , ISBN 4-7601-1025-9 (当館請求記号:366/MA74) -
【★4】大日方純夫 著. 近代日本の警察と地域社会. 筑摩書房, 2000.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002889164 , ISBN 4-480-86113-0 (当館請求記号:3177/O14) -
【★5】加藤周一 [ほか]編. 日本近代思想大系 3. 岩波書店, 1990.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002078650 , ISBN 4-00-230003-X (当館請求記号:121/KA86/3A) -
【★6】大日方純夫 著. 天皇制警察と民衆. 日本評論社, 1987. (日評選書)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001873545 , ISBN 4-535-01143-5 (送信サービス閲覧) -
【★7】村嶋歸之 [著]. 労働者の生活と「サボタージュ」. 柏書房, 2004. (村嶋歸之著作選集 : 大正・昭和の風俗批評と社会探訪 ; 第3巻)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007562745 , ISBN 4-7601-2614-7 (当館請求記号:360/MU58/3) -
【★8】湯沢雍彦, 中原順子, 奥田都子, 佐藤裕紀子 著. 百年前の家庭生活. クレス出版, 2006.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008291318 , ISBN 4-87733-336-3 (当館請求記号:3821/Y99) -
【★9】湯沢雍彦 編. 大正期の家庭生活. クレス出版, 2008.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009491385 , ISBN 978-4-87733-431-4 (当館請求記号3821/Y99-1) - 【★10】大正ニュース事典編纂委員会, 毎日コミュニケーションズ出版事業部 編. 大正ニュース事典. 毎日コミュニケーションズ, 1989. (当館請求記号:2106/TA24/*)
- 【★11】昭和ニュース事典編纂委員会 ほか 編. 昭和ニュース事典,1994. (当館請求記号:2107/SH971/1)
- 【★12】朝日新聞クロスサーチ[契約データベース] (朝日新聞記事検索)
- 【★13】ヨミダス(読売新聞)[契約データベース] (読売新聞記事検索)
- キーワード
-
- 警察官
- 巡査
- 交番
- 職業
- 昭和時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 職業
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000363182