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レファレンス事例詳細

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事例作成日
2023年05月07日
登録日時
2025/07/25 15:04
更新日時
2025/09/08 11:28
提供館
杉並区立中央図書館 (2300151)
管理番号
6000041261
質問

解決

なぜ女性(特に中高生の)にとって、「推し活」というものは自分の生活スタイルを支配してしまうほど人気なのかということについて調べたいと思っています。
回答
※「推し活」という言葉が登場したのは比較的新しく、たとえば「朝日新聞クロスサーチ」(朝日新聞記事のデータベース)で検索すると、2019年に初めて紙面に登場していることがわかります。しかし、「アイドルやアニメなど共通の趣味を持つ人々がグループやコミュニティを作って楽しむ」という現象自体は古くからあります。下記の本には刊行年が古いものもあり、「推し活」という言葉は必ずしも登場しませんが、この現象を考える手がかりとなりそうなものを広く取り上げました。
※以下、インターネット情報は2023年5月7日最終確認。


<図書>

・『「推し」の文化論 BTSから世界とつながる』(鳥羽 和久/著、晶文社、2023年、767.8ト)
→韓国のアイドルグループ「BTS」について論じた本ですが、「推し」とは何か、「推し」とつながるということから私たちは何を得ているのかということを論じた文化論にもなっています。

・『生きのびるための「失敗」入門 14歳の世渡り術』(雨宮 処凛/著、河出書房新社、2022年、150ア)
→「失敗」をテーマにした資料ですが、第5章、第6章で「推し」や「オタク」について触れています。「推し」が持つケア的な役割、「推し」を通した人間関係、推しのいる人の心理などが解説されています。中高生女子についての記述もあります。

・『オタクを武器に生きていく 14歳の世渡り術』(吉田 尚記/著、河出書房新社、2022年、150ヨ)
→好きなことがなぜ武器になるのかということや、好きなことを武器に生きていくにはどうするかといった方法が書かれている資料です。冒頭では「推し」という言葉の起源について書かれていて、2010年前後を境にAKBが全国的な人気を誇ると共に、複数の対象者の中から自分が「推す」メンバーとして「推し」という言葉が広がり、「推し」を応援する活動として「推し活」が広まったことがわかります。「推し活」は2021年の新語・流行語大賞にノミネートされています。

・『2.5次元文化論』(須川 亜紀子/著、青弓社、2021年、772.1ス)
→2.5次元文化について、歴史や特徴、魅力、ファン共同体という視点から解説している資料です。第4章でファンを「嗜好の共同体」として捉え、ファンは「好き、推す」という感情を他者と分かち合うことを希求し、ネットワークの拡大に直結させる傾向があると述べられています。

・『趣味縁からはじまる社会参加』(浅野 智彦/著、岩波書店、2011年、367.6ア)
→2010年代の本ですが、時代を追うごとに若者の友人関係の重要性が増し、関係優先志向が生まれているということを指摘し、「趣味縁」(趣味によってつながる人間関係)が若者にとってどんな意味を持つかということを、社会学的に検討しています。

・『若者の現在文化』(小谷 敏/編、日本図書センター、2012年、367.6コ)
→第7章が上記と同じ浅野氏の論考で、趣味縁と公共性の関係を社会学的に解説したものになっています。消費社会化を背景に、人々の意識や価値観の軸が目的関係に基づく合理的なものから、その行為自体を楽しむという即自的なものへ移動したという仮説が立てられています。

・『オタクのことが面白いほどわかる本』(榎本 秋/編著、中経出版、2009年、361.5エ)
→オタクを概要・歴史・市場に分けて解説しています。「第1章 最新!オタク概論」の中でオタクを動かす8つの要求について説明があり、オタクをタイプ別に分けて分析した中の「学生オタク」が現在の若者の推し活スタイルに近いかと考えられます。

※その他、以下の資料もありました。
・『「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か』(久保(川合)南海子/著、集英社、2022年、141.5ク)
・『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(横川良明/著、サンマーク出版、2021年、772.1ヨ)


<雑誌>

・「女オタクの現在―推しとわたし」(『ユリイカ』2020年9月号、青土社)
→小説家、漫画家、エッセイスト、詩人、哲学者、美術家、歴史学者、ジェンダー研究者、アイドルなど様々な肩書をもつ人たちが、「女オタク」「推し」について、自身の経験や専門分野を踏まえて寄稿しています。

・「推しがしんどい~推しがいないのもしんどい~」(『ダ・ヴィンチ』2023年2月号、KADOKAWA)
→「推しがしんどい」が意味することや、推しと文学の関係、推すことの「しんどさ」を描いたブックガイドなど、推し活のしんどさに着目した特集です。

・「愛しいきもち。」(『an・an』2021年2月17日号、マガジンハウス)
→雑誌の特集で「日々がしあわせになる “愛しい”想い大研究 愛しいきもち わたしの幸せな “推し活”」と題し、様々な人の「推し活」をインタビューしています。


<論文>

・「若者における「推し」の意義と心理的効果」(森山咲希、吉岡聖美/著、https://www.meisei-u.ac.jp/2022/s3lks40000007odc-att/220530_kanseikougakukai2022moriyama_web.pdf)
→「第17回日本感性工学会春季大会(開催地:岩手県立大学、2022年3月25・26日)」における大学生の発表をまとめた論考で、明星大学のサイトで公開されています(https://www.meisei-u.ac.jp/2022/2022053002.html)。「推し」がいる若者といない若者とで、幸福感やストレス対処法を比較し、「推し」の意義について考察しています。

・「ヲタ活に見る若者の消費行動と心理」(大山 翔平、長田 麻衣/著、『日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9』、2020年、pp.112-119、https://www.j-mac.or.jp/oral/fdwn.php?os_id=256)
→日本マーケティング学会のサイト(https://www.j-mac.or.jp/)で公開されている資料です。若者が何かに「ハマっていく」ことについて、その構造や効用を分析しています。


<インターネット情報>

・「Z世代のヲタ活に関する意識調査(2022年7月12日)」(https://shibuya109lab.jp/article/220712.html)
→若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.』が、15~24歳の女性を対象に行った意識調査をまとめたものです。

・「「推し活」事情を学ぶ(2021年4月19日公開、2022年10月20日更新)」(https://www.trans.co.jp/oshiken/#about)
→株式会社トランスの「推し研(推しビジネス研究所(仮))」のホームページに掲載されている連載コラムです。「推し」とは何かから始まり、世代ごとの「推し活」事情、グッズの考察などが載っています。


<データベース>

新聞データベースを「推し」「推し活」「オタク」といったキーワードで検索したところ、以下のような記事がヒットしました。

◎朝日新聞クロスサーチ
・「(おしゃれ旬評)彼ではなく推しのため 米澤泉」(2023年1月25日、夕刊、女性面、p.4)
→ファッション誌の特集で、「推しのために可愛くなる」という記事を取り上げ、なぜ推し活が世間を席巻しているのかについて、著者の意見が書かれています。

・「(灯 わたしのよりどころ)推し 応援する私、励まされる私 生きるのヘタでも宝塚がある」(2023年1月3日、朝刊、1総合、p.1)
→推し活が自分の人生にどのように影響しているのかを、漫画家の細川貂々さんが語っています。

・「「推し活」してますか?語り合いたい女性、黙々と楽しみたい男性」(『AERA』2022年8月29日、p.28)
→男女の「推し」に対する意識の違いについて書かれた記事です。

・「(be between 読者とつくる)「推し活」をしていますか?」(2022年5月28日、朝刊、週末be・b10、p.10)
→新聞読者から「推し活」についての意見を募り、紹介した記事です。推し活派、反対派それぞれの意見を見ることができます。

・「開かれた推し活未来形 アイドル&俳優オタク異種格闘技大會ルポ」(『AERA』2021年2月8日、p.46)
→「アイドル&俳優オタク異種格闘技大會」と称し、20代女性4人が「推し」の魅力を互いに伝え合う布教の試みを密着取材しています。

◎ヨミダス歴史館
・「〔WATCHERS〕アニメ・アイドル「推し活」の力 中村伊知哉氏」(2022年9月28日、東京朝刊、B経、10頁)
→情報経営の専門家である中村氏が「推し活」について解説しています。「推し」と似た表現として「オタク」を取り上げ、「推し」は所有ではなく共感を求める仲間との行動、「オタク」は所有欲が強く個人の行動と位置づけています。

・「〔推し活のススメ〕(1)社会学「熱狂的応援」が自己表現に(連載)」(2021年4月28日、東京朝刊、生活A、p.7)
・「〔推し活のススメ〕(2)行動学「自分を変える 人生が変わる(連載)」(2021年4月29日、東京朝刊、生活A、p.5)
・「〔推し活のススメ〕(3)経済学「応援の気持ち 消費後押し(連載)」(2021年4月30日、東京朝刊、生活A、p.6)
・「〔推し活のススメ〕(4)実践者に聞く 中間淳太さん(連載)」(2021年5月1日、東京朝刊、生活A、p.7)
→4日間にわたって、様々な学問分野から見た「推し活」について、専門家が解説しています。
回答プロセス
「推し」「趣味」「アイドル」「若者」「ファン心理」「サブカルチャー」「コミュニケーション」の検索ワードで蔵書検索、データベース検索、インターネット検索。
事前調査事項
NDC
  • 倫理学.道徳 (15)
  • 社会 (36)
  • 音楽.舞踊.バレエ (76)
参考資料
  • 鳥羽和久 著. 「推し」の文化論 : BTSから世界とつながる. 晶文社, 2023.
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I032685718
    ,  ISBN 978-4-7949-7331-3
  • 雨宮処凛 著. 生きのびるための「失敗」入門. 河出書房新社, 2022. (14歳の世渡り術)
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I031908913
    ,  ISBN 978-4-309-61737-4
  • 吉田尚記 著. オタクを武器に生きていく. 河出書房新社, 2022. (14歳の世渡り術)
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I032486891
    ,  ISBN 978-4-309-61744-2
  • 須川亜紀子 著. 2.5次元文化論 : 舞台・キャラクター・ファンダム. 青弓社, 2021.
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I031219872
    ,  ISBN 978-4-7872-3480-3
  • 浅野智彦 著. 趣味縁からはじまる社会参加. 岩波書店, 2011. (若者の気分)
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011229003
    ,  ISBN 978-4-00-028455-4
  • 小谷敏, 土井隆義, 芳賀学, 浅野智彦 編. 文化. 日本図書センター, 2012. (若者の現在 = Present of Young People)
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I023450382
    ,  ISBN 978-4-284-50203-0
  • 榎本秋 編著. オタクのことが面白いほどわかる本 : 日本の消費をけん引する人々. 中経出版, 2009.
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010228844
    ,  ISBN 978-4-8061-3358-2
  • 久保(川合)南海子 著. 「推し」の科学 : プロジェクション・サイエンスとは何か. 集英社, 2022. (集英社新書 ; 1127)
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I032295874
    ,  ISBN 978-4-08-721227-3
  • 横川良明 著. 人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた. サンマーク出版, 2021.
    https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I031185058
    ,  ISBN 978-4-7631-3872-9
キーワード
  • 推し活
  • オタク
  • ファン
  • 趣味縁
照会先
寄与者
備考
調査種別
文献紹介
内容種別
質問者区分
高校生
登録番号
1000372486
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000372486 コピーしました。
アクセス数 2102
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