レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年2月28日
- 登録日時
- 2019/02/28 13:45
- 更新日時
- 2021/03/26 12:44
- 管理番号
- ひがひろ-00081
- 質問
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解決
東広島市の安芸津にある「蚊無(かなし)」という地名は昆虫の「蚊」と関係があるのか調べて欲しい。
- 回答
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①あきつ ふれあいの道
安芸津町/編,安芸津町教育委員会/編 P24 「蚊無の千手十一面観音」より
「その昔、旅の僧がこの地に滞在して、二か月かかって千手観音を刻みあげました。
そのあいだ、土地の人が蚊になやまされていることを知り「自分の刻んだ観音像をこの土地の守り本尊として礼拝し、地名も蚊無と改めるがよい。」と言い残して立ち去りました。
あとで、この旅僧が伝教大師とわかり、住民が熱心に信仰したので、この後蚊のいない住みよいところになったということです。でもそのうちに信心が薄らいで来て、また蚊が出るようになったということです。」とある。
②安芸津風土記 第15号
阪田 泰正/編 P37 「蚊無観音記 阪田泰正」より
「蚊無の里の伝説は昔から古老の口から古老の口に伝えられ、安芸津の伝説の中でも面白いものの一つである。
木原一要(1698-1782)の三津記には、「坊がわには西向山西蓮寺とて、名も高く行基菩薩の御手づから彫刻し給う御仏は世にも名高き千手観音 今は蚊無に御転地と
(中略)
古老の申伝には御経読誦の其の時に むらがり来る蚊に向い ここを去れとのたまえば其の蚊も失せて 地名をば蚊無と申ける(中略)」
この「蚊無観音記」の作者、年月日は不明である。しかし、享和元年(1801)辛酉4月、河野六助の書いた「菅公堂之本記」と同じ場所にあったこと、又筆蹟が大体同じであるところをみると河野六助により書かれたものと思われる。」とある。
③角川地名大辞典 34広島県 P237 「蚊無峠」より
「峠付近の山稜が藪と化し、蚊の群がる地であることによる命名と考えられる。」とある。
④安芸津町地誌
阪田 泰正/著 P35 「安芸津町の小字別」
「弘法大師が此地を過ぎて宿泊し、加持して蚊を退治したので名づけた地名であるという」とある。
⑤安芸津町郷土史料集成 第1集
阪田 泰正/編 P3,9
⑥安芸津町の展望 p61,62 「郷土の伝説」
⑦ふれあいの道あきつ
安芸津町・安芸津町教育委員会/編 P24
- 回答プロセス
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「東広島」「蚊無」をキーワードに資料を探した。
地名事典(角川地名大事典)にて、小字のいわれを調べたところ、蚊に由来することが分かった。
地名のいわれは、民話に多いところから、安芸津の伝承を調査。
安芸津にかかる郷土史から、「蚊無」の記述があるものを調査。
- 事前調査事項
- NDC
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- 地理.地誌.紀行 (29)
- 伝説.民話[昔話] (388)
- 参考資料
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- あきつ ふれあいの道
- 安芸津風土記 第15号 阪田 泰正/編
- 角川地名大辞典 34広島県
- 安芸津町地誌 (郷土シリーズ 第3集) 坂田 泰正/著
- キーワード
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- 東広島
- 蚊無
- 安芸津
- 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000252287