レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年04月11日
- 登録日時
- 2025/06/18 14:03
- 更新日時
- 2026/02/16 09:15
- 管理番号
- 東浦和-1-00047
- 質問
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解決
「小牧山城は、丹羽長秀が普請奉行として築城した」という話の出典が知りたい。
- 回答
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明確な出典となる史料は見つけられず。史料としての真偽に疑義はあるが『武功夜話』にその旨の記述あり。
- 回答プロセス
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まずインターネットネットで「小牧山城 丹羽長秀」を検索。
×小牧市観光協会ホームページ「麒麟の城 小牧山城」
「信長は、永禄6年(1563年)6月、築城の名手丹羽長秀に命じて築城を開始しました。」「信長は頃あいを見計らい、改めて移転先を小牧山と表明。清洲より近くなったことを受け、反対が無くなり、小牧山への移転がスムーズにいったことが「信長公記」(首巻)には記されています」とのこと。(https://komaki-kanko.jp/komakiyama1563 2025年6月18日最終確認)
→本記事について小牧市観光協会に確認。「本記事はGoogleなどで検索すると出てきてしまうが、現在は協会ホームページから削除されている。本記事の執筆者はすでに協会を離れており、他の職員では何の史料を参考にしたか分からない」との回答。
×『信長公記-現代語訳-』(太田牛一/著 榊山潤/訳 筑摩書房 2017年)
レファレンス協同データベースを検索、「小牧山城とはどんな城だったか知りたい。」の参考文献を確認。
×『信長の城下町』(仁木宏/編 松尾信裕/編 高志書院 2008年)
×『信長の城』(千田嘉博/著 岩波書店 2013年)
「小牧山 丹羽長秀」をキーワードに市内所蔵資料を検索。
×『織田信長の城』(加藤理文/著 講談社 2016年)
×『天下布武織田信長』(新人物往来社 2007年)
×『織豊期主要人物居所集成 第2版』(藤井讓治/編 思文閣出版 2016年)
×『織田信長軍団100人の武将』(谷口克広/監修 岡田正人/監修 新人物往来社 2009年)
×『新編日本武将列伝 4』(桑田忠親/著 秋田書店 1989年)
×『織田一-丹羽五郎左長秀の記-』(佐々木功/著 光文社 2023年)
×『日本城郭全集 7』(人物往来社 1966年)
△『築城-覇者と天下普請-』(松本諒士/著 理工学社 1996年)
P.53「丹羽長秀(小牧山の築城奉行をつとめた)」とだけ記載あり(出典などの記載なし)。
○『武功夜話-現代語訳 前野家文書-信長編』(加来耕三/訳 新人物往来社 1991年)
P.85「永禄六年(一五六三)二月頃、いきなり御城替えのご指図があった。それは春日井郡小牧郷というところの、小高い山をもって御城地とするというものである。人足を差し出して山の大木を伐り払い、山頂を均して、築城の奉行は丹羽五郎左衛門(長秀)殿と決まった」との記載あり。
ただし、『武功夜話』は偽書の可能性が議論されている。
参考:「武功夜話:信長、秀吉巡る文書群 戦国軍記「武功夜話」 真贋論争、進展に期待 「公開し調査を」 江南市に寄贈へ /愛知」 毎日新聞 2024.01.23 地方版/愛知 18頁
「武功夜話を巡っては、昭和時代に岐阜県富田村と加治田村が合併して誕生した「富加」の地名が出てきたり、幕末以降に広がったとされている「隊」という言葉を使った「鉄砲隊」といった用語が登場したりするなど、一部の研究者からは成立時期や記述の信頼性に疑義が出ていた。」「武功夜話について研究している豊田工業高専の松浦由起名誉教授(日本近世文学)によると、偽書説の根拠の一つとなっている「富加」という地名については、富田と加治田を合わせて昔から富加と呼んでいた可能性があるといい、解釈次第で見方が変わるという。」
上述『築城-覇者と天下普請-』あとがきにて、同書の草稿を確認し細かい点まで見てくれた人物として、西ヶ谷恭弘氏の名前あり。同氏が関わっている著作を確認。
×『日本名城図鑑-同一縮尺で見る城郭規模の比較-』(日本城郭史学会/著 城の会/著 香川元太郎/イラストレーション 理工学社 1993年)
×『国別城郭・陣屋・要害台場事典』(西ケ谷恭弘/編 東京堂出版 2002年)
×『クロニック戦国全史』(池上裕子/[ほか]編集 講談社 1995年)
521の参考所蔵資料を確認。
×『日本城郭辞典 新装版』(鳥羽正雄/著 東京堂出版 1995年)
×『日本の名城・古城事典』(TBSブリタニカ 1989年)
キーワード「小牧山城」+2類で国立国会図書館デジタルコレクションを検索。
×『愛知県の歴史散歩』(愛知県歴史教育者協議会/編 山川出版社 1976年)
×『江南資料散歩 巻中』(滝喜義/著 滝喜義 1982年)
×『織田信長(ザ・マン シリーズ)』(プレジデント社 1980年)
×『日本歴史の旅 第1』(新人物往来社 1969年)
×『尾陽雑記』(愛知県教育会/編 愛知県郷土資料刊行会 1977年)
さいたま市立中央図書館の参考資料等を確認。
×『日本の城辞典-日本全国一万三十八古城址総覧-』(日本城址研究会/編著 新星出版社 2021年)
×『国史大辞典 6 こま~しと』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985年)
×『国史大辞典 11 にた~ひ』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1990年)
×『日本歴史大事典 3 と~わ』(小学館 2001年)
×『日本史大事典 5 と~ふ』(平凡社 1993年)
×『信長公合戦秘録』(会田庄造/著 中央公論事業出版 2020年)
×『信長の政略-信長は中世をどこまで破壊したか-』(谷口克広/著 学研パブリッシング 2013年)
×『日本城郭大系 9 静岡・愛知・岐阜』(新人物往来社 1979年)
×『織豊系城郭とは何か-その成果と課題 城郭談話会30周年記念-』(村田修三/監修 城郭談話会/編 サンライズ出版 2017年)
質問者にこの時点での調査結果を報告。「小牧市の図書館であればさらに何か分かるかも」とお話ししたところ「調査をお願いしたい」とのことで、小牧市中央図書館に追加調査を依頼。以下、同館からの回答(関連記述があったもののみ抜粋)。
●『考証織田信長事典』(西ヶ谷恭弘/著 東京堂出版 2000年)
P.136「信長は長秀を普請奉行に命じ、堂々たる威容を備えた小牧山城を築いた。(略)『武功夜話』などによると(以下略)」
●『小牧山城-散策コースと小牧・長久手の合戦の砦跡-(小牧叢書16)』(小牧市文化財資料研究委員会/編 小牧市教育委員会 1998年)
P.69 『武功夜話』からの引用。
●『史跡小牧山(小牧山城)発掘調査報告書2 主郭地区第1~8次調査』(小牧市教育委員会/編 小牧市教育委員会 2019年)
P.1「『信長公記』には(中略)小牧山城への移転をエピソード的に伝えるが、城や町の様子は描かれず、また築城年の記述もない。」
●『信長の城づくり [小牧山城築城450年記念事業] こまき信長・夢フォーラム報告書2』(小牧市教育委員会/編集 小牧市教育委員会 2014年)
P.7「『武功夜話』、これは偽書だという説を唱えている方もたくさんいて、偽書説が結構今一世を風靡している感がありますが、私はあれを偽書と見ていないんです。(略)全部が全部あれは否定しないほうがいいという立場なんです」(静岡大学名誉教授 小和田哲男)
同館の調査結果を伝えて調査終了とした。
- 事前調査事項
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「ネット検索では上記の内容が散見されるが、いずれにも出典・典拠がないため調べていただきたい」とのこと。
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 日本の建築 (521 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 小牧山城
- 丹羽長秀
- 築城
- 小牧市
- 照会先
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- 小牧市中央図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000370740