レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年11月1日
- 登録日時
- 2023/11/15 12:04
- 更新日時
- 2023/11/29 21:32
- 管理番号
- 県立長野-23-122
- 質問
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解決
信濃国桐原牧(きりはらまき)[長野市]の歴史について知りたい。
- 回答
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『信州馬の歴史』 信州馬事研究会編 信濃毎日新聞社 1988 【N645/16】p.33-34に、
『日本馬政史』は「霧原牧(きりはらまき)は現在上水内郡三輪村に桐原の名残を留めているが、この辺り一帯に田という字の付いた部落の大字小字が多数見出され、しかもこの部落の起因はすこぶる古く、往々馬飼部の墾田と関係あるように思われるもの甚だ多きは、注意すべきことである」と記している。
三輪村桐原はその後長野市桐原になっており、ここには桐原牧神社もある。そして桐原地区の北方から東方にかけて吉田という地籍があり、ここが後に述べる吉田牧の跡だから、この辺り一帯が古代牧であったことは否めない。(中略)
御牧(みまき)というのは、『延喜式』に掲げられている朝廷の牧場の一種で、信濃十六牧のほか、甲斐三牧、武蔵四牧、上野九牧と四か国に三十二牧が置かれていた。
とある。
『桐原区誌』 桐原区誌編纂委員会編 桐原区 2019 【N212/596】p.8「4 桐原牧」の項に、
平安期に見える牧名、水内郡のうち、「北山抄」に「応和元年(961)十一月四日、召桐原駒廿、於南庭覧之……後院牧御馬多如此」とあり、当牧は後院領として馬を貢上していた(大日本史料1-10)。「相(逢)坂の 関の岩かど踏みならし山たちいづる桐原の駒」(拾遺集国歌大観番号169)など古歌に多く詠まれ、歌枕として著名。ただし現在の松本市入山辺桐原をこれにあてる説もある。12世紀末には隣接地吉田に吉田牧ができており、近くに宇木・駒沢などの集落があり、また現長野市古野の字桐原に牧野という字名があることなどから、桐原牧がここにあった可能性は高い。
角川『日本地名大辞典』
とある。関連事項として、桐原牧神社について、『桐原区誌』 桐原区誌編纂委員会編 桐原区 2019
【N212/596】p.135に、
平安時代に「桐原牧」のあったところで、良馬を京の都へ献上したといい、馬と水の守護神を祀る。今も毎年3月8日の春祭りにはわら駒を神前にささげ、豊作を祈願する神事が行われている。わら駒は参拝の人びとにくじ引きで授けられる。
とある。
- 回答プロセス
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1 桐原牧(きりはらまき)に関する資料を、地名と御牧(みまき)に分けて調査を行った。
2 御牧と桐原牧神社の関連について当館所蔵資料にあたり調査を行った。
(調査資料)
・『神社辞典』 白井永二編 東京堂出版 1979 【175/シエ】
・『全国神社名鑑 上巻』 全国神社名鑑刊行会史学センター編纂 全国神社名鑑刊行会史学センター 1977【175.9/ゼン/1】
・『長野県町村誌1北信篇』 長野県編 郷土出版社 1985 【N290/291/1】
・『角川日本地名大辞典20長野県』 角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 1990【291.03/カド/20】
・『日本歴史地名大系20長野県の地名』 平凡社 1979 【N290.3/54】
・『信濃古牧考』 栗岩英治編集 郷土史研究会 1915【N640/4ア】
・『信州 馬の歴史』 信州馬事研究会編 信濃毎日新聞社 1988 【N645/16】
- 事前調査事項
- NDC
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- 東北地方 (212 10版)
- 家畜.畜産動物.愛玩動物 (645 10版)
- 神社.神職 (175 10版)
- 参考資料
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桐原区誌編纂委員会/編 , 桐原区誌編纂委員会 , 桐原区誌編纂委員会. 桐原区誌. 桐原区(長野市), 2019-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I096464539-00 p.8,135 -
信州馬事研究会 編 , 信州馬事研究会. 信州馬の歴史. 信濃毎日新聞社, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001954387-00 p.33-34
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桐原区誌編纂委員会/編 , 桐原区誌編纂委員会 , 桐原区誌編纂委員会. 桐原区誌. 桐原区(長野市), 2019-03.
- キーワード
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- 桐原牧(きりはらまき)
- 桐原
- 御牧(みまき)
- 古牧(こまき)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000341040