レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年01月09日
- 登録日時
- 2025/02/06 20:05
- 更新日時
- 2025/02/06 20:27
- 管理番号
- 横浜市中央2750
- 質問
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解決
じゃんけんについて、日本の歴史と神奈川県での呼び方(方言)や掛け声について調べています。参考になる資料はありますか。
- 回答
-
1 じゃんけんの日本の歴史について
(1) 『遊びの大事典』 東京書籍 1989
p.370~375 拳
「じゃん拳」などの「三すくみ拳」はこの「拳」が日本に伝わった以後、江戸中期に派生した
とも考えられていることが書かれています。
p.676~684 三すくみ拳
三すくみ拳は江戸時代後期に始まった「藤八拳」とされ、富山の薬売りの花村(岡村とも)
藤八が始めた説や、「藤八、五文、奇妙」という薬売りの呼び声と身振り手振りを
まねて考案された説などが書かれています。
(2)『伝承遊び考4』 加古里子/著 小峰書店 2008.7
p.11 , p.40~45
「じゃんけん」のもとになったのは、中国から伝来した「拳」であるとされていること、虫拳から
三すくみの石拳(じゃんけん)が創出されていき、年代や詳細な経緯は不明だが、文化から
天保の間(1804~1843年)と推定されること、その後の広がりについて書かれています。
p.46~50
「じゃんけん史のまとめ」として、変遷史年表とその要点を掲載しています。
(3) 『拳の文化史(角川叢書)』 セップ・リンハルト /著 角川書店 1998.12
p.59~72 日本一古い拳は虫拳
「親指で表した「蛙」が小指の「なめくじ」に勝ち、「なめくじ」が人差し指の「蛇」に勝ち、そして
「蛇」が「蛙」に勝つ。現代の日本ではほとんど知られていないが、明治期までは虫拳も日本人
の常識の一部であった。そして二十世紀の初め頃からしだいに消えていった虫拳は、一千年の
歴史をもつ日本の最も古い拳であったと言っても言い過ぎではない。」とあります。
(4) 『再考じゃんけんぽん』 赤穂敞也/著 近代文芸社 2000.6
p.11~55
「じゃんけんのルーツ」として、奈良時代に中国から伝来した数拳と、寛永年間に長崎に伝来し
元禄のころ地方に広まった三すくみ拳であることなどが書かれています。
拳の系統図、拳の系統樹の図があります。
(5) 『じゃんけん学 起源から勝ち方・世界のじゃんけんまで』 稲葉茂勝/著 今人舎 2015.5
p.6~21 じゃんけんのルーツを探れ!
カラー写真や図を示しながらじゃんけんの歴史について取り上げています。
平安時代から虫拳が伝わっていたこと、「石拳」がじゃんけんになったのではないかということ
などが書いてあります。
(6) 『世界のじゃんけん大集合』 田中ひろし/著 こどもくらぶ/編 今人舎 2009.8
p.52 日本のじゃんけんの歴史として、「虫拳」や「庄屋拳」「本拳」が、かんたんなイラスト
入りで紹介されています。
2 呼び方(方言)や掛け声について
(1) 『日本方言辞典 標準語引き』 小学館辞典編集部/編 佐藤亮一/監修
小学館 2004.1
p.643~645
あいけん(神奈川県高座郡・足柄下郡)、けんけん(神奈川県足柄下郡)、しっけん(神奈
川県)、すいけん(神奈川県)
(2) 『神奈川県方言辞典』 日野資純,斉藤義七郎/共編 神奈川県教育委員会
1965.3
p.109~110,114,141
シッケン(津久井郡、中郡岡崎、愛甲郡愛川)、シッケンコイ(茅ヶ崎)、シッケンポン(足
柄下郡元箱根)、シッケンワイ(愛甲郡萩野)、ジャンケラレポッポ(津久井郡牧野)、チッケ
ンオイ(横浜市港北区太尾)、チッケセー(足柄上郡松田・曽我)ほか。
(3) 『現代日本語方言大辞典 第3巻』 平山輝男/〔ほか〕編著 明治書院 1992.9
p.2410 神奈川 チッケンポイ
(4) 『神奈川県史』各論編5 神奈川県企画調査部県史編集室/編 神奈川県 1977.3
p.915 ジャンケンの方言
シッケンッパイ あいこで パイ(相模原市大島)、 チッケッパ(箱根町宮城野)、 チッケン
セイ(足柄上郡大井町)、 ジッケンホイ・ジキホイ・チッケンホイ・スイケンポイ(秦野市東田
原)、 アイケンコー(座間市栗原)、 アイケンワ あいこでワ(大和市深谷・綾瀬町根恩馬)、
シッケンウェー(藤沢市宮原・打戻・瀬郷)ほか。
(5) 『神奈川県民俗調査報告 24 分類神奈川県方言辞典 4』 神奈川県立歴
史博物館 /編 神奈川県立歴史博物館 2007.3
p.11~15
グーチョキパー(横浜中区本牧元町)、グーチョッパー(足柄上郡山北町)、シッケン(伊
勢原市、相模原市、寒川町、厚木市、愛川町、津久井町、茅ヶ崎市、など)、ジッケ
ン(小田原市、平塚市)、ジャンスイ(三浦市)、シッケンウー(藤沢市)、シッケンウェ(伊
勢原市)、ウンチョッパー(相模原市)ほか。
(6) 『伝承遊び考4』 加古里子/著 小峰書店 2008.7
p.51~57 じゃんけんの名称と三形の呼称
チッケン(岡山・神奈川)
p.73~244 短詞型の掛け声、短詞型掛け声の相ケン句、中詞型の掛け声、長詞型
の掛け声を50音順に都道府県名を表記して掲載しています。
神奈川県の一例として、
あいけんち、ぐーと ぱーで わかれましょ、ごんどおり こんどかち、あいこで あんぱん
こっぺぱん、など。
(7) 『再考じゃんけんぽん』 赤穂敞也/著 近代文芸社 2000.6
p.130~135,138
チッケッタ、チッチ、チョイチョイチッ、ジャンケンチィ(スイ)、ジャアンスイ
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 花道[華道] (793 10版)
- 社会.家庭生活の習俗 (384 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000362787