レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/02/07
- 登録日時
- 2018/12/02 00:30
- 更新日時
- 2019/02/20 16:52
- 管理番号
- 所沢新所-2018-008
- 質問
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解決
灘五郷について記載されている資料はあるか。
- 回答
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以下の資料に灘五郷についての記載があります。
〇『コンサイス日本地名事典』 三省堂編修所/編 三省堂 2007年
〇『世界大百科事典 21』 平凡社 2007年
〇『日本の酒の歴史』 加藤弁三郎/編 研成社 1978年
〇『宮本常一とあるいた昭和の日本 8』 田村善次郎/監修 農山漁村文化協会 2010年
〇『日本の酒5000年』 加藤百一/著 技報堂出版 1987年
〇『日本の名酒』 稲垣真美/著 新潮社 1984年
〇『灘の酒博物館』 講談社 1983年
〇『近代日本の酒づくり』 吉田元/著 岩波書店 2013年
〇『酒造りの歴史』 柚木学/著 雄山閣 2018年
〇『人づくり風土記 28』 農山漁村文化協会 1998年
〇『兵庫県大百科事典 下巻』 神戸新聞出版センター/編集・制作 神戸新聞出版センター 1983年
- 回答プロセス
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1、所蔵資料の内容確認
「日本酒」「酒」「清酒」をキーワードに所蔵資料の内容確認。
〇『コンサイス日本地名事典』 三省堂編修所/編 三省堂 2007年
p.900 《灘》の項目に《灘五郷》の説明あり。「西宮市・神戸市。大阪湾北岸沿いの酒造地域。【古称】灘目郷。江戸時代以降、現西宮市域の今津郷・西宮郷、神戸市域の本庄・魚崎の東郷、住吉・御影・六甲の中郷、新在家・大石・岩屋の西郷の五郷に分かれた。1840(天保11)宮水が発見され、原料の播州米と丹波杜氏の労働力、酒だるの吉野スギ、海上輸送などの好条件にめぐまれて、「灘の生一本」で知られる酒造地として発展。」と記載あり。
〇『世界大百科事典 21』 平凡社 2007年
p.119-120 《灘五郷》の項目あり。「灘五郷とは灘の生一本の銘醸地の総称で、江戸時代の中期以降より急速に江戸積酒造業が発展し、今日にいたるまで全国有数の酒造地を形成している。現在の灘五郷は、兵庫県南東部の海岸寄りにある今津郷・西宮郷(西宮市)、魚崎郷・御影郷(神戸市東灘区)と西郷(神戸市灘区)の5郷からなる。しかしこれは1886年に摂津灘酒造業組合が創設されて以来の名称であって、江戸時代の地域区分とは若干異なっている。」と記載があり、その他に灘五郷の歴史的変移について記載あり。また、《江戸時代と現在の灘五郷》と題した比較表もあり。
〇『日本の酒の歴史』 加藤弁三郎/編 研成社 1978年
p.239-260 《11 灘の寒造り》の大項目があり、p.239-243に《1 江戸積の主産地・灘五郷》の中項目あり。「江戸末期、江戸市場を独占した灘酒は、『摂津名所図会』に、名産灘酒匠 五百崎・御伝・大石・脇浜・神戸等にて酒造し、多く諸国へ運送す、これを灘目といふ とあるように、西摂津の灘目郷、今津郷を中心とした地域で生産された。今日の灘五郷は明治19年(1886)結成されたが、それまでの展開過程は別として、いわゆる灘五郷の成立は上灘が東・中・西組に分郷した文化11年(1828)であった。」と記載あり。その他に、江戸時代の市場における灘郷の生産状況の発展についての記載もあり。
p.259 《灘五郷の構成》と題し、江戸の享保期から明治にかけての灘五郷の構成地について表あり。
〇『宮本常一とあるいた昭和の日本 8』 田村善次郎/監修 農山漁村文化協会 2010年
p.183-184 「このうち灘五郷とよばれ、今日なお56社(昭和59年調べ)もの酒造会社が集中している神戸市灘区、東灘区(旧魚崎町、住吉村、御影町)、そして西宮市(西宮、今津)に酒樽製造関係の業者が集中している。(中略)表によってわかるように、酒樽製造も灘五郷が圧倒的に多く、兵庫県内と大阪府内の業者114軒のうち、灘五郷で99軒(うち製樽業78軒、木取り業21軒)を数えている。(中略)安政3年(1856)には兵庫県灘地方と、やはり大阪府内の酒造地帯には、433人の酒樽職人がいたことがわかっている。その74パーセント近くの319人の樽職人が灘五郷に集まっていた。」と記載あり。
〇『日本の酒5000年』 加藤百一/著 技報堂出版 1987年
p.231-232 「灘酒は、江戸後期の地誌『摂津名所図会』の「名産灘酒匠」条に語られているように、西摂津の上灘、下灘、今津の灘三郷でつくられた酒をいう。灘とは、地理的には、東は武庫川から西は生田川近くまで、昔の茅淳海(大阪湾)の北側沿岸25キロメートルの地域の総称である。(中略)灘郷が江戸積酒産地として急速な進展を見せたのは18世紀末期であった。上灘、下灘を合せた灘目郷からの江戸入津量は、1785(天明五5)年31万9000樽(2万97キロリットル)、翌1786年32万1000樽(2万223キロリットル)で、これは、諸国からの江戸入津総樽数の41パーセントに当る。なお、今日の灘五郷、つまり西宮、今津郷まで含めると、その占有率は実に53~56パーセントに達した。」と記載あり。
〇『日本の名酒』 稲垣真美/著 新潮社 1984年
p.81-95 《灘の生一本》として、江戸時代から現在に至るまでの、総括的な意味での灘酒の発展について記載あり。
p.82-83 「いずれにせよ、こういうかなり広範な地区の酒が早くから“灘酒”と総括的に言われるようになったのは、すでに江戸の中期(寛文ー明和のころ、1660年ごろから1770年ごろ)灘五郷といわれた地域で、現在の大手酒造の祖先たちの多くが酒造を始めており、しかも江戸末期までにこれら灘五郷の酒が回船の便や品質への信頼度の高いメリットを生かして、江戸の市場を制覇するに到っていたからである。「灘五郷」というのは、今津郷(いまの西宮市今津)、上灘郷東組=魚崎郷(いまの神戸市東灘区魚崎、住吉など)、上灘郷中組=御影郷(いまの神戸市東灘区御影)、上灘郷西組=西郷(いまの神戸市灘区新在家、大石など)、西宮郷(いまの西宮市浜町、鞍掛町、用海町など)の五郷のことであった。初め天明のころ(1781-89)までは、上灘と今津のほかに下灘(神戸、二ッ茶屋、走水、脇浜村など)を加えて灘三郷(のちに灘五郷)と称したこともあったが、その後明治19年「摂津灘酒造組合」が創設されたころには、下灘の代りに西宮郷を加えて灘五郷と称するようになった」と記載あり。
〇『灘の酒博物館』 講談社 1983年
p.47-57 《灘酒の歴史》の中に、p.48 《1 近世灘五郷の形成》という項目があり、灘五郷形成の歴史が記載、p.49-57には江戸時代から戦後にかけてのこの地域における酒造の発展の歴史について記載あり。
〇『近代日本の酒づくり』 吉田元/著 岩波書店 2013年
p.51 「俗に「灘五郷」といわれるが、その指す地域は時代によって変化している。明治19年、灘酒造組合の設立と共に今津と西宮が灘に加わったので、西の新在家から東の今津まで、東西およそ20キロメートル、南北約5キロメートルときわめて広い地域の総称になった。今津と西宮を加えた計算では、明治18年には営業者数169人、酒蔵数276(いくつもの酒蔵を所有する営業者がいた)、年間醸造高24万3000石(一石=180リットル)余と、日本一の産地であった。」と記載あり。
〇『酒造りの歴史』 柚木学/著 雄山閣 2018年
p.100-120 《第五章 灘三郷の台頭と江戸積摂泉十二郷の形成》、p.121-159 《第六章 灘酒造業の発展過程》という大項目あり。現在の灘五郷に至るまでのこのあたりの酒造地帯の発展形成について記載あり。
〇『人づくり風土記 28』 農山漁村文化協会 1998年
p.110-112 《灘の生一本の誕生》の大項目あり。灘五郷が形成されるまでの過程について記載あり。
2、本館、後日調査による追加資料
〇『兵庫県大百科事典 下巻』 神戸新聞出版センター/編集・制作 神戸新聞出版センター 1983年
p.368-369《灘五郷》の項に、「神戸市灘区新在家より西宮市今津に至る沿岸約12㎞の灘酒の産出地を灘五郷という。(中略)また、【灘五郷新旧区分表】・【灘五郷旧状図(明治初期)】・【灘五郷近代図(昭和初期)】」の記載あり。
3、記載のなかった資料
×『最新 日本の名酒事典』 講談社 2003年
×『吟醸・純米・古酒情報事典』 時事通信社 1995年
×『日本の酒 銘酒名鑑』 広済堂出版 1989年
×『酒造りの不思議』 秋山裕一/著 裳華房 1997年
×『吟醸酒』 篠田次郎/著 鎌倉書房 1984年
×『日本酒完全ガイド』 君嶋哲至/監修 池田書店 2011年
×『日本酒15,706種』 稲保幸/著 誠文堂新光社 2007年
×『全国の日本酒大図鑑 西日本編』 友田晶子/監修 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会/監修 マイナビ出版 2016年
×『日本の酒うんちく百科』 永山久夫/著 河出書房新社 2008年
×『日本酒』 秋山裕一/著 岩波書店 1994年
×『現代日本酒名鑑』 稲垣真美/著 三一書房 1990年
×『江戸の酒』 吉田元/著 岩波書店 2016年
×『酒米ハンドブック』 副島顕子/著 文一総合出版 2017年
×『日本全国“酒”図鑑』 枻出版社 2010年
×『日本の食生活全集 28』 「日本の食生活全集 兵庫」編集委員会/編集 農山漁村文化協会 1992年
×『日本酒がわかる本』 蝶谷初男/著 三一書房 1994年
×『日本地酒紀行』 奈良本辰也/著 河出書房新社 1988年
×『ゼロから分かる!図解日本酒入門』 山本洋子/著 世界文化社 2018年
×『京の酒学』 吉田元/著 臨川書店 2016年
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品工業 (588 9版)
- 日本 (291 9版)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 9版)
- 参考資料
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- コンサイス日本地名事典 三省堂編修所/編 三省堂 2007.11 291.033 978-4-385-16051-1
- 世界大百科事典 21 平凡社 2007.9 031
- 日本の酒の歴史 加藤弁三郎/編 研成社 1978 588.52
- 宮本常一とあるいた昭和の日本 8 田村善次郎/監修 農山漁村文化協会 2010.12 382.1 978-4-540-10208-0
- 日本の名酒 稲垣真美/著 新潮社 1984.1 588.52 4-10-600255-8
- 日本の酒5000年 加藤百一/著 技報堂出版 1987.2 588.5 4-7655-4212-2
- 灘の酒博物館 講談社 1983.10 588.52 4-06-200441-0
- 近代日本の酒づくり 吉田元/著 岩波書店 2013.12 588.52 978-4-00-025934-7
- 酒造りの歴史 柚木学/著 雄山閣 2018.1 588.52 978-4-639-02556-6
- 人づくり風土記 28 農山漁村文化協会 1998.10 210.5 4-540-98008-4
- 兵庫県大百科事典 下巻 神戸新聞出版センター/編集・制作 神戸新聞出版センター 1983.10 291.64 4-87521-100-7
- キーワード
-
- 酒
- 日本酒
- 酒造
- 灘
- 灘五郷
- 清酒
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地図・地名
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000246818