レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年05月11日
- 登録日時
- 2013/11/19 09:53
- 更新日時
- 2014/01/29 18:38
- 管理番号
- 埼熊-2013-055
- 質問
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解決
子ども向けの資料に載っていた以下の説話の原形が見たい。
「少年少女古典文学館 13 古今著聞集ほか」(阿刀田高著 講談社 1992)所収 p306-311「水たまり」(「沙石集」巻7-10収録との記述あり。)
- 回答
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所蔵する「沙石集」を確認したところ、巻7-10ではなく、巻7-15に質問の説話と大筋で合致する話が見つかった。原題は「水たまり」ではなく、「前生の親を殺す事」だった。
- 回答プロセス
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「沙石集」の巻7-10の内容を確認する
以下の資料では、いずれも「蛇を害し頓死する事」で、質問の説話とは別の話だった。
『仏教教育思想 2 日本教育思想大系 17』(日本図書センター 1980)p396-397「10 蛇を害し頓死する事」
『沙石集 下』(〔無住一円著〕筑土鈴寛校訂 岩波書店 1943)p43-44「10 蛇を害し頓死する事」
『沙石集 第7版』(無住法師〔著〕 法蔵館 1914)p285-287「害頓死事」
「沙石集」巻7全体を確認する。
上記3冊を確認したところ、巻7-15に「前生の親を殺す事」という題名で、質問の説話と大筋が合致する話あり。ただし、出典資料にあった前後のエピソードはなし。
出典の再確認
以下の記述から、原作に手が加えられている可能性があることがわかった。
p6「物語としての味わいを失わないよう、また、わかりやすさを増すよう、筆者の自由な解釈をつけ加えた現代文とし、掲載順序を変更した。」とあり。
p316-320 あとがきに「この現代版を書くにあたって、わたしは、(中略)もとのお話の味わいをできるだけ残しておきながら、あまり重要とは思えない部分を取りのぞき、つじつまをあわせ、わかりにくい部分には説明を加え、時には構成まで変え、さらに ―このお話には、こんな結論をつけたほうがおもしろい― と思ったときには、原作の内容を越えて筆をくわえました。」とあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 法話.説教集 (184 9版)
- 参考資料
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- 『仏教教育思想 2 日本教育思想大系 17』(日本図書センター 1980)
- 『沙石集 下』(〔無住一円著〕筑土鈴寛校訂 岩波書店 1943)
- 『沙石集 第7版』(無住法師〔著〕 法蔵館 1914)
- キーワード
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- 仏教説話-日本
- 沙石集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000140706