レファレンス事例詳細

ご照会の事項について、以下のとおり回答します（【　】内は当館請求記号です）。

CAS番号「5883-17-0」の物質名を記載している資料(1)とデータベース(2)-(4)がありましたので、ご紹介します。
また、有機化合物の命名法について述べている資料(5)とウェブ情報(6)がありましたので、参考までにご紹介します。

(1)『Chemical abstracts service registry handbook. Number section』（American Chemical Society　1965/1971-1965/2002　【Z54-G619】）
CAS番号順に化学物質の名称を収載しています。「5883-17-0」の項目（1965/1971, p.2595R）に、「2-Propenamide, N-ethyl-」と記載されています。

(2)National Chemical Inventories（American Chemical Society, Chemical Abstracts Service　2010　【YH247-422】　CD-ROM）
世界各国の既存化学物質台帳のデータベースです。
CAS番号「5883-17-0」と入力して検索すると、「INVENTORYNAME(S):2-Propenamide, N-ethyl-」とヒットします。

(3)Reaxys（当館契約データベース：館内限定）
物質名、CAS番号、構造式などから、製造方法、物性データ、安全性、利用方法などを検索できるデータベースです。
Properties (Form-based)＞Substance Data＞Identification Data＞CAS Registry Number」にCAS番号「5883-17-0」を入力して検索すると、「N-ethyl acrylamide」、「N-ethyl-2-propenamide」などの名称がヒットします。

(4)日化辞Web(http://nikkajiweb.jst.go.jp/nikkaji_web/pages/top.html)
（独）科学技術振興機構（JST）が作成する有機化合物辞書データベース「日本化学物質辞書（日化辞）」の検索サービスです。
「検索語」の欄にCAS番号「5883-17-0」を入力すると、「N-エチルアクリルアミド（N-Ethylacrylamide）」がヒットします。また、化学物質情報詳細から分子式、構造式、分子量などを確認することができます。

(5)『全有機化合物名称のつけ方』（廖春栄著　三共出版　1999.3　【PA312-G45】）
IUPAC命名法勧告をもとに、有機化合物の命名法がまとめられています。
p.159に、N-置換アミドR1-CO-NHR2型とR1-CO-NR2R3型について、アシル基のR1がアミンのR2、R3より複雑な場合、N-置換アミドとして命名する旨、記述されています。
この化合物はN-置換アミドとみなして命名することがわかり、正式名称は「N-エチル-2-プロペンアミド（N-Ethyl-2-propenamide）」となります。
pp.130-131に、プロペン酸（propenoic acid）の慣用名としてアクリル酸（acrylic arid）を使用してもよい旨、記述されています。
これを用いると「N-エチルアクリルアミド（N-Ethylacrylamide）」と命名されます。

(6)IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry（http://www.acdlabs.com/iupac/nomenclature/）
Advanced Chemistry Development, Inc.　が、IUPAC（The International Union of Pure and Applied Chemistry；国際純正・応用化学連合）（http://www.iupac.org/）の許諾を得て、IUPACの有機化合物命名法を公開しています。1979年および1993年のIUPAC命名法勧告の全文を掲載しています。

インターネットの最終アクセス日は、2011年6月29日です。