レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/09/05
- 登録日時
- 2009/11/17 02:10
- 更新日時
- 2009/12/12 14:15
- 管理番号
- 10-RE-200911-02
- 質問
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解決
「存誠居敬」という単語の意味が知りたい。ある大臣が色紙にこの言葉を書いていた。
- 回答
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「存誠居敬」とは1つの単語ではなく、「存誠」と「居敬」という語をあわせたもの。
「居敬(きょけい)」=朱子学における学問修養の方法を示す語。
居敬は主敬、持敬ともいい、敬という状態に心を保つこと。
敬とは程頤(ていい)が「主一無適(しゅいつむせき)」と説明したとおり、心が一つのことに集中して
ふらつかないことで、雑念のない清澄厳正な精神状態をいう。
(「日本大百科全書」の「「居敬窮理(きょけいきゅうり)」 の項目より)
「存誠」についての説明は見つからず。
ただし、「誠敬(せいけい)」という単語が「程朱学の存誠と居敬」を指すものとされているので、
これは「存誠居敬」に類似の意味と思われる。
「誠敬(せいけい)」=まごころをもってうやまうこと。まごころをもって事にあたり、言動をつつしむこと。
(「日本国語大辞典」より)
- 回答プロセス
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1. “存誠居敬”の単語を調べる
1)商用データベース「ジャパンナレッジ」で検索、見つからず
2)「大漢和辞典 語彙索引」で探すが見つからず
3)Googleブックスで検索、中国語図書が14件見つかる。
「存誠、居敬」というように区切られているものが多く、“存誠”と“居敬”でそれぞれ1つの単語として存在するもよう。
2. “存誠”と“居敬”の単語を調べる
1)商用データベース「ジャパンナレッジ」で検索
「日本国語大辞典」に「居敬」、「日本大百科全書(ニッポニカ)」に「居敬窮理」の項目あり。
「日本大百科全書(ニッポニカ)」の「居敬窮理」の項目より
「朱子学における学問修養の方法を示す語。(略) 居敬は主敬、持敬ともいい、敬という状態に心を保つこと。
敬とは程頤が「主一無適(しゅいつむせき)」と説明したとおり、心が一つのことに集中してふらつかないことで、
雑念のない清澄厳正な精神状態をいう。(後略)」
2)「大漢和辞典 語彙索引」で探す。
「居敬(キョケイ)」の項目あり、上述の、「日本国語大辞典」と類似の内容。
「存誠(ソンセイ)」の項はあるが「人名」とあり。色紙の書き方から人名ではないように思われるのだが・・・。
3)Googleブックスを“存誠×居敬”で検索
「中国思想史 下」(ぺりかん社、1987.7)p245に「誠敬-程朱学の存誠と居敬」とあり。
3.“誠敬”の単語を調べる
1)商用データベース「ジャパンナレッジ」を“誠敬”で検索
「日本国語大辞典」に「誠敬」の項目あり。
「誠敬(せいけい)=まごころをもってうやまうこと。まごころをもって事にあたり、言動をつつしむこと。」
2)「大漢和辞典 語彙索引」で“誠敬”を探す。大漢和辞典10巻p477にあり。
「誠敬(せいけい)」
1-ごころがあって、つつしみうやまう。
2-程朱学の存誠と居敬。
4.当館資料の東洋思想、中国思想、故事成語の事典類を調べるが、“存誠居敬”、“存誠”はなし
- 事前調査事項
- NDC
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- 東洋思想 (120 9版)
- 参考資料
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「大漢和辞典 語彙索引(修訂第2版)」東洋学術研究所/編(大修館書店、1990.5、ISBN 4-469-03152-6
当館書誌ID:0000161671) -
商用データベース「ジャパンナレッジ」 「日本大百科全書」「日本国語大辞典」
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「大漢和辞典 語彙索引(修訂第2版)」東洋学術研究所/編(大修館書店、1990.5、ISBN 4-469-03152-6
- キーワード
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- 存誠
- 居敬
- 朱子学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000059546