レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年04月28日
- 登録日時
- 2013/11/21 18:13
- 更新日時
- 2013/12/28 17:25
- 管理番号
- 9000008167
- 質問
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未解決
錦絵「信州東山堂店図」に描かれている東山堂という薬屋は、長野県のどこにあったか知りたい。
- 回答
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信州上田海野町にあったようだが、詳細については不明
- 回答プロセス
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1.インターネットで該当の錦絵を確認。いずれも東山堂の場所に関する解説等の記載はなかった。
(1)インターネットの検索エンジンで「信州東山堂」を検索すると、「内藤記念くすり博物館」webサイト( http://www.eisai.co.jp/museum/ )の錦絵広告「信州東山堂 (本町4丁目出店看板の図)」(歌川貞房画)( http://search.eisai.co.jp/cgi-bin/historyphot.cgi?historyid=K01156 )がヒット。依頼者が提示した図と同じもの。『目で見るくすりの博物誌』(内藤記念くすり博物館 1990年)p27に掲載があるようだがこの図書は未所蔵だった。
(2)NDLサーチで「信州東山堂」を検索すると、「信州東山堂看板の図」(歌川直政画)がヒット。デジタルアーカイブで確認( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1307401 )。
2.図書類で図版・解説等の掲載を調査。
(1)『浮世絵レファレンス事典』(日外アソシエーツ編集・発行 2010年)[資料番号0104516372]等で1で判明したの図版掲載図書を調べるが、該当の掲載はなかった。
(2)自館システムで件名「浮世絵」×書名「錦絵」を検索すると、『くすりの広告文化:看板・錦絵広告・ポスターの世界』(内藤記念くすり博物館 2003年)→p10に、1(1)の「信州東山堂本家看板之図」があり、右側の頁が錦絵になっている。その左側の頁は文字が書かれており、「本店信州上田◆◆◆(判読不明) 松原傳八郞」と書かれていた。
(3)江戸時代の看板の資料を調査。『看板(ものと人間の文化史)』(岩井宏實著 法政大学出版局 2007年)[資料番号0105200448]には、当該図版や東山堂についての掲載なし。
(4)江戸時代の薬業に関する資料を調査。『江戸の生薬屋』(吉岡信著 青蛙房 1994年)[資料番号0102867603]、『近世日本薬業史研究』(吉岡信著 薬事日報社 1989年)[資料番号0100576164]、『江戸町人の研究』第3巻(西山松之助編 吉川弘文館 1976年)[資料番号0100289404](p437-550に「江戸買物独案内」掲載)を確認するが、東山堂についての掲載なし。
3.判読不明の部分は「海野町」と読めたので、上田市海野町について調査。
・『日本歴史地名大系』第20巻 長野県の地名(平凡社 1979年)[資料番号0100931583]→p244海野町(うんのまち)の項あり。現在の上田市中央1丁目。上田城下の中心。市町・宿場町でもあった。薬屋についての記述はなし。
・『角川日本地名大辞典』第20巻 長野県(角川書店 1990年)[資料番号0101389609]→p1107「本海野(もとうんの)」の項。薬屋についての記述はなし。
4.松原傳八郞について次の図書を調査するが、該当の掲載はなかった。
・『長野県百科事典』(信濃毎日新聞社編・発行 1974年)[資料番号0102044294]
・『長野県歴史人物大事典』(赤羽篤ほか編 郷土出版社 1989年)[資料番号0101412302]
・『角川日本姓氏歴史人物大辞典』第20巻 長野県姓氏歴史人物大辞典(角川書店 1996年)[資料番号0103153722]
- 事前調査事項
- NDC
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- 薬学 (499 9版)
- 日本 (291 9版)
- 広告.宣伝 (674 9版)
- 参考資料
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- 『くすりの広告文化:看板・錦絵広告・ポスターの世界』(内藤記念くすり博物館 2003年) (p10)
- キーワード
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- 東山堂
- 看板
- 薬屋
- 江戸時代
- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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【追記事項2013.12.28】
・貨幣博物館webサイト「信州東山堂引札」( ttp://www.imes.boj.or.jp/cm/research/nishikie/001002/001/901290/html/index.html ※2013.12.28確認)※左上に「本店 信州上田海野町 松原傳八郎」とあり。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 医療・健康
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000141061