レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/11/29
- 登録日時
- 2025/03/13 00:30
- 更新日時
- 2025/03/13 00:30
- 管理番号
- R1015068
- 質問
-
解決
イタリア植民地時代のリビアについて書かれた本が知りたい。特に、歴史や経済について書かれているものを探している。日本語でも外国語でもよい。
- 回答
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イタリア植民地時代のリビアについて書かれた日本語の文献と外国語の文献を紹介した。
(1)日本語の文献
■事典
・『世界大百科事典 29 ユエ-リン 改訂新版』(平凡社 2007.9)
p.586-588 「リビア」
p.587に「植民地時代」、「抵抗運動と独立」の項あり。執筆者は藤田進。
「植民地時代」の項に、「サヌーシー運動はリビアがオスマン帝国領からイタリア植民地に移行した1912年,広範な反イタリア闘争を組織,全リビアを反イタリア意識で結束させた.サヌーシー派自体は第1次世界大戦後内部対立を表面化させたが,イタリアのリビア植民地化の達成は,キレナイカでのムフタール指導の抵抗(1921-31)鎮圧を待たねばならなかった.」
「抵抗運動と独立」に「第2次世界大戦中の42年,リビアはイタリア軍を打破したイギリスにトリポリタニアとキレナイカを,フランスにフェッザーンを軍事占領されることになる.」
■図書
大阪府立図書館Web-OPAC、国立国会図書館サーチ(https://ndlsearch.ndl.go.jp)など、図書館の蔵書検索システムにより図書を調べた。
NDC分類「240(アフリカ史)」「302.4(政治・経済・社会・文化事情 アフリカ)」、件名「リビア 歴史」「植民地 歴史」「イタリア 経済」「アフリカ 経済」、キーワード「イタリア 植民地」「リビア 植民地」などで検索した。
ヒットした中から例としていくつか紹介した。
・『ユネスコ・アフリカの歴史:日本語版 第7巻上 植民地支配下のアフリカ1880年から1935年まで』(A・アドゥ・ボアヘン/編 宮本正興/日本語版責任編集 アフリカの歴史起草のためのユネスコ国際学術委員会/[編] 同朋舎出版 1988.10)
p.129-165 A.ラルウィ、小山田紀子訳「第5章 北アフリカとサハラにおけるアフリカ人の主体性と抵抗」
p.649-657 A・A・アブドゥサルム、F・S・アブセドラ、小島さくら訳「第17章 植民地経済:北アフリカ 第2部 リビア・エジプト・スーダン リビア」
・『ユネスコ・アフリカの歴史:日本語版第7巻下植民地支配下のアフリカ 1880年から1935年まで』(A・アドゥ・ボアヘン/編 宮本正興/日本語版責任編集 アフリカの歴史起草のためのユネスコ国際学術委員会/[編] 同朋舎出版 1988.10)
p.1239-1292 「索引」 上下巻通しての索引。「リビア」「リビア植民地協会」の項(p.1242)あり。
・『ファシストの戦争:世界史的文脈で読むエチオピア戦争』(石田憲/著 千倉書房 2011.10)
1935年から始まるイタリアのエチオピア戦争についての本だが、一部リビアにも言及されている。p.263-267 「主要事項索引」 「リビア」の項(p.263)あり。
・『リビアを知るための60章 第2版 (エリア・スタディーズ 59) 』(塩尻和子/編著 明石書店 2020.3)
p.64-69 「1 リビアの成り立ちー地理・歴史・民族 第8章 民族運動の狼煙:砂漠のライオン」
・『平和学と歴史学:アナキズムの可能性』(戸田三三冬/著 三元社 2020.8)
p.361-382 「リビアとイタリア」
・『イタリア・ファシズム経済』(G.トニオロ/著 浅井良夫/訳 C.モルテーニ/訳 名古屋大学出版会1993.7)
p.212-216 「第6章 アウタルキー 10 アフリカ侵攻の経済的側面」
・『ムッソリーニの毒ガス:植民地戦争におけるイタリアの化学戦』(アンジェロ・デル・ボカ/編著 高橋武智/日本語版監修 関口英子/ほか訳 大月書店 2000.9)
p.vii-xxiv 「本書を読む人のために」
イタリアの植民地拡張の基本的な諸段階と主要な出来事について書かれており、リビアについても触れられている。
・『イタリア領リビア開発政策史論』(高岡熊雄ほか/著 北海学園大学開発研究所 1995.9)
大阪府立図書館未所蔵。NDLサーチ上の件名や書名のデータを確認すると、イタリアのリビアにおける植民地政策について書かれた本であると推測される。(2024/11/29現在)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002479543
次に、イタリアの歴史に関する図書のなかで、リビアについて言及のあるものを探した。NDC分類「237(歴史 イタリア)」の番号の棚をブラウジングし、そのなかからいくつか紹介した。
・『教養のイタリア近現代史』(土肥秀行/編著 山手昌樹/編著 ミネルヴァ書房 2017.5)
巻末p.4-8 「事項索引」 「リビア」「リビア戦争」の項(p.8)あり。
・『近代イタリアの歴史:16世紀から現代まで』(北村暁夫/編著 伊藤武/編著 ミネルヴァ書房2012.10)
巻末p.5-9 「事項索引」 「リビア」の項(p.9)あり。
・『イタリアの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史)』(クリストファー・ダガン/著 河野肇/訳 創土社 2005.5)
「七章 ジョリッティ時代からファシズム勃興へ 一九〇一-二二年 一節 ジョリッティ時代 一九〇一-一四年」のp.259-260に「リビア戦争と極左・極右の先鋭化」の項あり。
・『地中海新ローマ帝国への道:ファシスト・イタリアの対外政策1935-39』(石田憲/著 東京大学出版会 1994.7)
p.333-339 「事項索引」 「リビア」の項(p.339)あり。
■論文
CiNii Research(https://cir.nii.ac.jp)で、「イタリア 植民地」「リビア 植民地」などのキーワードで検索した。
・塩尻和子「サヌースィー教団:反植民地闘争を率いたリビアのスーフィー教団」『宗教研究』97(2)(日本宗教学会 2023.9)p.153-173 ※大阪府立図書館未所蔵
J-STAGEにて本文の閲覧が可能。(2024/11/29現在)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rsjars/97/2/97_153/_article/-char/ja
・「イタリアが忘れたい植民地の残虐史」『Newsweek』35(35)<1709>(CCCメディアハウス 2020.9)p.44-47
・小田原琳「歴史の否認:植民地主義史研究に見るイタリア歴史修正主義の現在」『Quadrante』12・13(東京外国語大学海外事情研究所 2011.3)p.185-195 ※大阪府立図書館未所蔵
東京外国語大学の機関リポジトリ「東京外国語大学学術成果コレクション」で本文の閲覧が可能。(2024/11/29現在)
https://tufs.repo.nii.ac.jp/records/3482
・福富満久「植民地、資源、内戦:アルジェリア、リビア、そしてシリア (特集=中東・北アフリカは変化するか)」『海外事情』61(7・8)(拓殖大学海外事情研究所 2013.7)p.77-92
・勝田由美「〔翻訳〕アントニオ・デ・ヴィーティ・デ・マルコ:「南部の植民地経済」および「幻のリビア」」『工学院大学研究論叢』45(1)(工学院大学 2007.10)p.89-97
工学院大学の機関リポジトリで本文の閲覧が可能。(2024/11/29現在)
https://library-kogakuin.repo.nii.ac.jp/records/2000947
(2)外国語の文献
■目録
・『イタリア近現代史洋書総合目録』(イタリア近現代史研究会/編 日外アソシエーツ 1991)
日本の学術機関が所蔵する、イタリア史およびその関連資料が収録されている。イタリア語、イギリス、ドイツ、フランス、ロシア、スペインなどの諸言語による文献を含む。和書は含まない。
p.1030-1043の「地名索引」には「Libia」の項(p.1035)が、p.1044-1081の「事項索引」には「colonialismo」の項(p.1049)がある。
■図書
大阪府立図書館Web-OPACで「Libya」などのキーワードで検索した。
・『Historical dictionary of Libya(Historical dictionaries of Africa) 5th ed』(Ronald Bruce St. John Rowman & Littlefield c2014)
英語で書かれたリビアの歴史事典。アルファベット順に事項が並んでおり、p.171~177「ITALY」の項目では、時代を追ってイタリアとリビアの関係について書かれている。
・『Libya :a country study(DA pam 550-85) 4th ed.』(ed. by Helen Chapin Metz U.S. Govt. Print. Off. 1989)
リビアについて学ぶことができる英語の書籍。歴史、社会・環境、経済、政治・政府などの様々な観点から書かれている。「Chapter1. Historical Setting」(p.[1] -59)内の「Italian Colonialism」(p.23-31)の章にてイタリア植民地時代について記載がある。
なお、当該資料はアメリカ議会図書館(Library of Congress)にてデジタル化画像がインターネット公開されている。(2024/11/29現在)
http://hdl.loc.gov/loc.gdc/cntrystd.ly
■データベース
外国語、特に英語の学術書や論文を探す際に参考になるデータベースは以下のとおり。
・CiNii Books(https://ci.nii.ac.jp/books/)
主に国内の大学図書館の所蔵を調べることができる。「フリーワード」欄にキーワードを入れて検索するほか、「件名」欄を使用することで効果的に検索できる。例として件名「Italy Colonies」「Libya history」などで検索すると、関連する内容を含む書籍を一覧にすることができる。
・WorldCat(https://search.worldcat.org/ja)
世界の主要な図書館の所蔵や書籍情報を検索することができる。
こちらも件名で検索が可能。例えば、件名「Italian colonies」や「Italy Foreign relations」などで検索することで、関連する内容を含む書籍を一覧にすることができる。
[事例作成日:2024年11月29日]
- 回答プロセス
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<参考>
以下は、イタリアの歴史、リビアの歴史について書かれた日本語文献が収録されている目録。
・『イタリア関係図書目録』1回(1977年度)-35号(2011)(イタリア文化会館 1978-2015)
当該年度に日本国内で発行された出版物で、内容がイタリアに関するもの、および著者がイタリア人であるものを収録した目録。
日本国内で刊行された、アジア、アフリカ、オセアニアに関する図書の目録として『アジア・アフリカ関係図書目録』がある。
・『アジア・アフリカ関係図書目録 上(地域別図書目録 3)』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 1995.8)
・『アジア・アフリカ関係図書目録 下(地域別図書目録 4)』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 1995.11)
1945年~1993年までに刊行された出版物が収載対象。
・『アジア・アフリカ関係図書目録 94/98 (地域別図書目録 6)』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 1999.12)
1994年~1998年までに刊行された出版物が収載対象。
・『アジア・アフリカ関係図書目録 1999-2003 (地域別図書目録 8)』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2004.9)
1999年から2003年までに刊行された出版物が収載対象。
- 事前調査事項
- NDC
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- イタリア (237 10版)
- マグレブ諸国 (243 10版)
- 政治.経済.社会.文化事情 (302 10版)
- 参考資料
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- B12269741 世界大百科事典 29 平凡社 2007.9 031 (p.587)
- B10705451 ユネスコ・アフリカの歴史 第7巻上 アフリカの歴史起草のためのユネスコ国際学術委員会∥[編] 同朋舎出版 1988.10 240 (p.129-165、649-657)
- B10705452 ユネスコ・アフリカの歴史 第7巻下 アフリカの歴史起草のためのユネスコ国際学術委員会∥[編] 同朋舎出版 1988.10 240 (p.1242)
- B12711371 ファシストの戦争 石田/憲∥著 千倉書房 2011.10 245.1 978-4-8051-0980-9
- B13800959 リビアを知るための60章 塩尻/和子‖編著 明石書店 2020.3 302.431 978-4-7503-4973-2 (p.64-61)
- B13847403 平和学と歴史学 戸田/三三冬‖著 三元社 2020.8 319.8 978-4-88303-512-0 (p.361-382)
- B10116050 イタリア・ファシズム経済 G.トニオロ∥著 名古屋大学出版会 1993.7 332.37 4-8158-0199-1 (p.212-216)
- B10976931 ムッソリーニの毒ガス アンジェロ・デル・ボカ∥編著 大月書店 2000.9 559.3 4-272-53036-4
- B13432850 教養のイタリア近現代史 土肥/秀行‖編著 ミネルヴァ書房 2017.5 237.05 978-4-623-08021-2
- B12813056 近代イタリアの歴史 北村/暁夫∥編著 ミネルヴァ書房 2012.10 237.05 978-4-623-06377-2
- B11979344 イタリアの歴史 クリストファー・ダガン∥著 創土社 2005.5 237 4-7893-0031-5 (p.259-260)
- B10053336 地中海新ローマ帝国への道 石田/憲∥著 東京大学出版会 1994.7 237.06 4-13-036079-5
- B15130464 Newsweek 20200901-20201027 2020.9-10
- B14994083 海外事情 201307-201312 拓殖大学海外事情研究所 2013.7-12
- B14813625 工学院大学共通課程研究論叢 2007/10-2007/10 45(1) 工学院大学 2007.10.01
- B10071953 イタリア近現代史洋書総合目録 イタリア近現代史研究会∥編 日外アソシエーツ 1991 237.06 4-8169-1014-X
- B12041877 Historical dictionary of Libya Ronald Bruce St. John Rowman & Littlefield c2014 243.1 9780810878754
- B10696433 Libya ed. by Helen Chapin Metz U.S. Govt. Print. Off. 1989
- B13263981 イタリア関係図書目録 第35号(2011) イタリア文化会館 2015.10 025.837
- B11181561 アジア・アフリカ関係図書目録 1999-2003 日外アソシエーツ株式会社∥編集 日外アソシエーツ 2004.9 025.82 4-8169-1862-0
- 『イタリア領リビア開発政策史論』(高岡熊雄ほか/著 北海学園大学開発研究所 1995.9)NDLサーチ(2024/11/29現在):<https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002479543>
- 塩尻和子「サヌースィー教団:反植民地闘争を率いたリビアのスーフィー教団」『宗教研究』97(2)(日本宗教学会 2023.9.8)p.153-173 (2024/11/29現在):<https://www.jstage.jst.go.jp/article/rsjars/97/2/97_153/_article/-char/ja >
- 小田原琳「歴史の否認:植民地主義史研究に見るイタリア歴史修正主義の現在」『Quadrante』12・13(東京外国語大学海外事情研究所 2011.3.31)p.185-195 (2024/11/29現在):<https://tufs.repo.nii.ac.jp/records/3482>
- 勝田由美「[翻訳]アントニオ・デ・ヴィーティ・デ・マルコ:「南部の植民地経済」および「幻のリビア」」『工学院大学研究論叢』45(1)(工学院大学 2007.10.31)p.89-97 工学院大学 機関リポジトリ(2024/11/29現在):<https://library-kogakuin.repo.nii.ac.jp/records/2000947 >
- CiNii Books(2024/11/29現在):<https://ci.nii.ac.jp/books/>
- WorldCat(2024/11/29現在):<https://search.worldcat.org/ja>
- キーワード
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- 植民地
- イタリア
- リビア
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000364204