レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/01/24
- 登録日時
- 2010/06/17 02:01
- 更新日時
- 2010/07/02 13:26
- 管理番号
- 埼熊-2009-071
- 質問
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解決
シオランの言葉「自殺という可能性がなかったら、私はとうに自らの命を絶っていただろう」の出典を知りたい。(DVD『桜桃の味』の裏面解説にキアロスタミ監督が、この言葉に触発されて作品を作ったとの記述がある。)
- 回答
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以下の資料に該当すると思われる記述があったので紹介する。
『シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス 586)』(シオラン/〔述〕 金井裕/訳 法政大学出版局 1998)
1982年2月1日、アムステルダムのデカルト会館でおこなわれたレオ・ジレとの対談の中で次のように語っている。 (p61-98)
p95 会場からの質問に対して「自殺の観念がなかったら、私はとっくに自殺していたであろうと言ったことがあります。どういうことかといいますと(以下理由が続く)」と回答している。
- 回答プロセス
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所蔵するシオランの著作物を調査し、『シオラン対談集』のp95に質問の言葉とほとんど同義と思われる記述あり。
p95 会場からの質問に対しての回答に「自殺の観念がなかったら、私はとっくに自殺していたであろうと言ったことがあります。どういうことかといいますと(以下理由が続く)」
p221-222には以下のような記述もあった。
「自殺は重要なことです。(略)生に意味はない。私たちはもっぱら死ぬために生きている。でもね、好きなときに自殺できると知るのはとても重要なことです。そうとわかれば、気持ちも安らぎ、満ち足りる。問題にはケリがつき、そして喜劇がつづくわけです。(略)18のときだったか20のときだったか、私はいつなんどき自殺するかもわからない人間でした。不眠症だったんですよ。(略)両親は絶望し、私は死のうと思いましたが、でも待つことにしました。」
その他に見つかった、シオランの著作で「自殺」に関して述べられている部分は以下のとおり。
『E.M.シオラン選集』全5巻
第1巻『崩壊概論』p66-70「自己崩壊の手段」の項あり。「自殺ができると思うから心和み、この息も詰まる棲家をひろびろとした無限の世界に広げることができる」
『絶望のきわみで』
p88-92 「自殺の意味」の項あり。自分が自殺しない理由もあるが、経験談なし。
『異端者シオラン』
第1部はシオランの系譜。若者のころ、「シオランが「生涯の最大の劇」とまで呼ぶことになる最初の危機と、その生涯のほとんど1つの説明ともいうべき不眠を経験することになるのも、少し遅くなるがやはりシビウでのことでだ-もっとも対談で彼の語っている日時は、ときには1926年から27年の間、ときには1931年というように矛盾しているが。」
- 事前調査事項
- NDC
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- その他の哲学 (139 9版)
- 参考資料
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『シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス 586)』(法政大学出版局 1998)
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『シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス 586)』(法政大学出版局 1998)
- キーワード
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- Cioran,E´mile-M.(シオラン,エミール・M.)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000067955