レファレンス事例詳細

まとめて書かれているものは発見できなかったが、以下の項目ごとに参考資料を紹介した。

●ヨーロッパの民族衣装について
①「世界の民族衣装文化図鑑」　パトリシア・リーフ・アナワルト／著　柊風舎
⇒ヨーロッパの民族衣装における刺繍の役割、民族的造形の起源
　東ヨーロッパと西ヨーロッパの民族衣装の裁ち方とスタイルのちがいについて解説あり。
　「東ヨーロッパ」の図柄としてウクライナの図柄の意味について説明あり。（ｐ100～ｐ116）
②「ヨーロッパの民族衣装」　ジェームズ・スノードン/著　文化出版局
⇒ルーマニアの地域による違いについても記述あり。図・写真あり。（ｐ51～ｐ56）
　ロシア項目中にウクライナについても記述あり。図・写真あり。（ｐ79～ｐ84）
　「コルセトカ」（袖なしジャケット）についても記述はあるが、プリーツの形状については記述なし。

●ルーマニアの民族衣装について
①「ルーマニア民族衣装集」　Ａ・Ｅ・カンテミール/画著　恒文社
⇒ルーマニア各地域の民族衣装の図版80枚、編者による概要説明あり。
　説明中に近隣地区との類似や歴史についての記述あり。
　図版の画家はブカレストの芸術的刺繍の学校の校長との記述が解説中にあり。
②「ルーマニアの赤い薔薇」　みやこうせい／著　日本ヴォーグ社
⇒ルーマニアの北北西マラムレシュを取材した写真集。民族衣装の写真も多数掲載。
③「カロタセグのきらめく伝統刺繍」　谷崎聖子／著　誠文堂新光
⇒ルーマニアトランシヴァニア地方のカロタセグ地方の刺繍と民族衣装について写真と解説あり。
　「刺繍ブラウス」についてｐ8～ｐ17まで記述と写真あり。
　「ブラウスが表すもの」として既婚か未婚、年齢で身につける衣装が異なること、
　刺繍に使われるモチーフの解説あり。
　「ビーズの頭飾り」の項目中に、未婚女性のしるし「バルータ」
　未婚男性のしるし「ボクレータ」の写真と解説あり。
　その他の項目としては「継ぎ接ぎのエプロン」「刺繍ベスト」「ボンネット」「ムスイ」「ブイカ」
　「プリーツスカート」「スカーフ」　「パーントリカ」「新しい衣装」各項目文に
　現在の民族衣装の着用状況や職人の状況について記述あり。
④論文「ルーマニアの民族衣装における区限刺繍について」　川口素子　
⇒（国会図書館サーチ「ルーマニア　刺繍」検索結果でヒット。
　ルーマニアの民族衣装について、概要と地域別の記述あり。
　現地でのブラウスの呼び名として、「カマーシャ」または「イエ」が上げられている。
　「名称が複数あるのは、その地域の呼び名で、衣装の形、材質、装飾方法で名称も異なる。
　したがって上記以外の名称もある」との記述あり。
⑤「中欧・東欧文化事典」丸善
⇒民族衣装について簡潔にまとめられている。（ｐ720）みやこうせい/文
⑥「チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記2」　産業編集センター
⇒ルーマニアのトランシルヴァニア地方シク村での民族衣装の着用状況や暮らしについて記述あり。
　（ｐ110～ｐ145）

●ウクライナの民族衣装について
①「東欧で見つけた可愛い刺繍」　河出書房新社
⇒ウクライナの伝統刺繍について、写真と解説あり。
　ウクライナ南西のフルツの民族衣装の写真と解説あり。
　「ソロチカ」の解説があり、文中に名前の由来の記述あり。（ｐ77～ｐ102）
　ルーマニアトランシルヴァニア地方の伝統刺繍についても写真と解説あり。（ｐ37～ｐ76）
・その他　ソロチカについて
「ウクライナ語会話」　ベスト社　
⇒日本語訳を確認したところでは「ソローチカ」＝シャツ　「ヴィシーヴァンカ」＝刺繍シャツ　とあり。
②「ロシア刺繍のファンタジア」　村松香／著　東洋書店
⇒ロシアの最古の刺繍として、ウクライナの六世紀の農民服があるとの記述あり。
　農民刺繍の意味について解説あり。
　「ロシア刺繍小図鑑」として刺繍の種類が紹介されており
　ウクライナでよく見られるというショートナヤ・クラジについての説明あり。　
③雑誌「毛糸だま」2019年秋号　世界手芸紀行35「ウクライナ」
⇒ウクライナ刺繍について（ｐ28～ｐ31）
　ウクライナ刺繍の特徴や継承者・技法について掲載。
　（杉野服飾大学附属図書館「ウクライナ　刺繍」検索結果でヒット）

●その他　参考図書
①「クロスステッチ　フォークロア」　誠文堂新光社
⇒ウクライナとルーマニアの刺繍柄の説明あり。
②「ヨーロッパのかわいい刺繍」　誠文堂新光社
⇒ルーマニアカロタセグ地方の女性用ブラウス・エプロン
　ウクライナの女性用ブラウス・ベストの写真あり。
③「世界の衣装をたずねて」　市田ひろみ／著　淡交社
⇒ルーマニアの民族衣装の写真あり。