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レファレンス事例詳細

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事例作成日
2016年7月15日
登録日時
2017/03/29 00:30
更新日時
2025/04/29 22:44
提供館
県立長野図書館 (2110021)
管理番号
県立長野-16-144
質問

解決

諏訪大社の御頭(おとう/おんとう)祭について、なぜ鹿の頭が供えられるようになったのかが知りたい。また、なぜ供えられる鹿の頭が生から剥製になったのかも知りたい。
回答
『下諏訪町誌 上巻』 下諏訪町誌編纂委員会編 甲陽書房 1963 【N241/36/1】
 第4章「上代諏訪の狩猟」p.596-608によると背景として、諏訪神社では公式行事として古くから四度の御狩の神事が行われていた。坂上田村麻呂の東征の時、神氏族や金刺氏族(共に諏訪神社大祝につながる氏族)がこれに参加して手柄を立てこの氏族背景により、諏訪神社が日本の軍神として認められたという経緯もある。
 日本の古代の神祭は氏族全員で狩猟を行い、捕獲した鳥獣を神前に贄として掛け、これを供物として神を祀ったが、この祭祀方法は狩猟時代から農耕時代に移るにつれて次第に衰微していった。殊に仏教伝来以後はその勢力が神社に浸透するとともに、このような殺生の神祭と仏教の慈悲的忍辱の思想とは相容れざるものであったので急速に消滅の一途をたった。
 しかし諏訪神社は四度の御狩の理由を神意と田村麻呂に掛けこれを神と猪鹿の結縁のためと強弁し、時代の風潮に順応しながら中世に及んでなお動物犠牲の祭祀方法を続け、後世まで盛んに行われ、現在に至っている。

なぜ鹿を贄にしたのかについては、嘉禎(年号1235年-1237年)に定められた「諏訪上社物忌例」があり、諏訪神社に贄にしてはいけない動物として熊・猿・山鳥・かもしか・岩魚の5種類があげられてる。これに反して他の鳥、鹿、水魚は贄にするものとされているので、鹿や猪・魚(岩魚を除く)・鳥(山鳥を除く)が贄として神前に捧げられたと考えられる。
 熊以下の五種の動物を神の忌むものとして贄にかけなかったのは、神氏族(上社大祝の氏族)がこれらの動物を神聖な動物と考えたため(個々の理由は省略)で、上代諏訪の狩猟の獲物はほとんど鹿と猪だった。また、かもしか、熊、猿は非常に少なかったため、希少動物を神聖視してこれを保護繁殖させようとしたという記載がある。

 また『日本原初考 諏訪信仰の発生と展開』 古部族研究会編 永井出版企画 1978 【N174/34】「諏訪の狩猟信仰」の項p.56には、諏訪信仰の本質として「農作物をすこやかに育てるには田畑を荒らす鹿・猪などの獣や雀などの害鳥を駆除せねばならぬことは日本全土の農民にとって必要な事実であった。」という記載もある。

 なぜ鹿の頭を備えるのかについては、宮坂寛美著「諏訪信仰についての一考察;諏訪大社(上社)の御頭祭にかかわりあいながら」『信濃 第3次』 第50巻4号 1998.4 信濃史学会 p.35-56のp51に、「鹿の頭部が神前に捧げられているが中世にあっては頭部だけでなく全身が献ぜられたとも伝えられ」と記載があるところから、いつごろからなぜ頭だけということはわからないが、以前は鹿の全身が献ぜられていたようである。

 鹿の頭がなぜ生から剥製に替わったかということについては回答につながる資料を確認することができなかった。

 諏訪大社上社本宮に照会したところ、昔は鹿の頭ではなく、鹿本体をそのままお供えしていた。それは、昔はたんぱく源として鹿肉を食べており、生業として狩猟する人も多かったのでお供えされた。現在鹿肉(ブロック)はお供えしているが猟師が少なく以前のようにはお供えされていない。しかし、例えば野菜などは採れるのでお供えされている、とのこと。
回答プロセス
1 当館蔵書を「御頭祭」および「諏訪大社」で検索。該当する資料を調査する。

2 長野県市町村史誌等目次情報データベースで「御頭祭」および「諏訪大社」を検索。ヒットした資料のうち『下諏訪町誌 上巻』がもっとも記載が充実していた。【最終確認2022.3.11】

3 郷土分類N174(神道南信)N241(歴史諏訪等)N386(祭礼)を書棚で探す。祭礼については特になし。以前、目にした信濃毎日新聞のシリーズ記事「神を曳く 第2部命を頂く(1)-(4)」をデータベースで確認。
 (1)2016.2.9
 (2)2016.2.16
 (3)2016.2.23
 (4)2016.3.1
 上社の蛙狩りの神事については動物愛護団体から抗議があるという記事はあったが、鹿の頭について剥製になった経過は記事になっていなかった。

4 諏訪大社上社本宮に電話で照会。

<調査済み資料>
・『諏訪神社誌 第1巻』 太田亮著 官幣大社諏訪神社附属諏訪明神講社 1926 【N174/24】
    「御頭祭」の項p.202-209(111-114コマ)に、『絵詞(諏訪大明神画詞)』など各種史料に書
   かれた御頭祭についての記載がある。
      ※国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開。【最終確認2022.3.11】
・『諏訪大社』 信濃毎日新聞社編・刊 1980 【N174/35】
    p.93-98「御頭祭」の項、p.94に 明治の初期には木曽から鹿の頭を背負って社参したことが
   当時の宮司の記録に残されている。p.96-98には、安政4年の御頭祭の様子が書かれている。古
   来75の鹿の頭が供えられてきたが、このころは鹿が不足だったとみえて、一頭の不足は干鱈2枚
   で補われていたようだ。
・『中洲村史』 細野正夫著 中洲公民館 1985 【N241/126】p.382-394「御頭祭」の項
・『神と肉』 原田信男著 平凡社 2014 【163/ハノ】
・『諏訪信仰の発生と展開』 古部族研究会編 永井出版企画 1978 【N174/34】
・『諏訪の祭神』 村岡月歩著 雄山閣出版 1969 【N174/28】
・『諏訪信仰の祭りと文化』 長野県立歴史館編・刊 1998 【N174/56】
・『諏訪神社七つの謎』 皆神山すさ著 彩流社 2015 【N174/90】
・『諏訪信仰の中世』 福田晃編 三弥井書店 2015 【N174/91】
・『決定版 諏訪大社』 武田安弘監修 郷土出版社 2010 【N174/72】
・『諏訪史 第2巻 前編』 宮地直一著 信濃教育会諏訪部会 1931 【N241/6/2-1】
・『諏訪史 第2巻 後編』 宮地直一著 信濃教育会諏訪部会 1937 【N241/6/2-2】
・『諏訪史 第4巻 近世史』 宮地直一著 信濃教育会諏訪部会 1966 【N241/6/4】
・『諏訪史 第5巻』 宮地直一著 信濃教育会諏訪部会 1986 【N241/6/5】
・『諏訪市史 中巻』 諏訪市史編纂委員会編 諏訪市 1988 【N241/69/2】
・『下諏訪の歴史』 今井廣亀著 下諏訪町立博物館 1977 【N241/76】
・『諏訪の近現代史』 諏訪教育会編・刊 1986 【N241/155】
・『神々の里;古代諏訪物語』 今井野菊〔著〕 国書刊行会 1976 【N241/73】
・『諏訪の風土と生活』 小林茂樹著 小林茂樹 1977 【N241/75】
・『信州の祭り大百科』 小林経広[ほか]編 郷土出版社 1988 【N386/72】
・『写真アルバム諏訪の昭和』 いき出版 2013 【N241/209】
・『長野県史 通史編 別巻(年表・索引)2』 長野県編 長野県史刊行会 1992 【N209/11-4/2ベツ】
・『長野県百科事典』 信濃毎日新聞社開発局出版部編 信濃毎日新聞社 1981 【N030/2a】
・「信濃國一之宮 諏訪大社」(公式サイト)
事前調査事項
・『御柱祭と諏訪大社』 上田正昭[ほか]
・『お諏訪さま;祭りと信仰』 鈴鹿千代乃 西沢形一編
・諏訪大社HP
NDC
  • 祭祀 (176 10版)
  • 神社.神職 (175 10版)
参考資料
  • 下諏訪町誌編纂委員会 編 , 下諏訪町 (長野県). 下諏訪町誌 上巻. 甲陽書房, 1963.
    https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001048547-00
      (【N241/36/1】)
  • 古部族研究会/編 , 古部族研究会 , 古部族研究会. 諏訪信仰の発生と展開 : 日本原初考. 永井出版企画, 1978-00.
    https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059268723-00
      (【N174/34】)
キーワード
  • 諏訪大社
  • 御頭祭
  • 鹿
  • 贄
  • 神事
照会先
  • 諏訪大社上社本宮
寄与者
備考
調査種別
事実調査
内容種別
郷土
質問者区分
社会人
登録番号
1000213313
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000213313 コピーしました。
アクセス数 6512
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