レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年02月02日
- 登録日時
- 2023/03/17 18:40
- 更新日時
- 2023/06/15 11:36
- 管理番号
- 埼熊-2022-103
- 質問
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解決
年料舂米について、納入期限が具体的にどう定められていたか、また、集めたお米をどうしていたかを知りたい。
(注)事前調査資料によると年料舂米とは、「古代において,畿内をのぞく近国や沿海諸国から毎年一定量の舂米を京進させた制度」のことである。
- 回答
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以下の資料と情報を紹介した。
1 図書
『国史大辞典 11 にた-ひ』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1990)
p341-342「ねんりょうしょうまい 年料舂米」
「輸貢された年料舂米は主に宮内省大炊寮に収納され、「諸司常食」として官人食料(月料)に充てられた。(中略)舂米貢進荷札木簡は、米の現物に付属して、最終的な消費の場となった中央諸司の厨房機関で廃棄されたことを示している。」とあり。
地域ごとの納入期限をまとめた表あり。
『延喜式 中』(虎尾俊哉編 集英社 2007)
p790-840「延喜式巻第二十三 民部下」
p807「49 年料の舂米」
納入期限と国名が列挙されている。
補注に「畿外の随近・沿海の諸国から、毎年一定量の舂米を京進させ、中央官司の官人の食料に充てた。中央に進上された舂米は、大炊寮に収納され、月料として官人に支給されたが、九世紀に入り月料だけでなく同様な性格の給与である要劇料や番上料にも充てられた」とあり。
『日本古代の財政制度』(早川庄八著 名著刊行会 2000)
p97-99「田祖舂米-年料舂米-」
年料舂米の運京を行っていた国とその数量に関する詳細な記述あり。
『列島の古代史 ひと・もの・こと 4 人と物の移動』(上原真人[ほか]編 岩波書店 2005)
p144「表2 貢納関係期日一覧」に、各地の舂米の運搬期日の記載あり。
2 インターネット情報
《国立国会図書館デジタルコレクション》『古典の新研究』(国学院大学 1957)「延喜民部式・主計式の研究」の項
p135「延喜民部式は舂米を是等の國々から京に運輸する期日を次の如く規定している。」として、2月から8月まで、納入期限と国が列挙されている。
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2933482 国会図書館)73コマ-74コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
《国立国会図書館デジタルコレクション》『延喜式 第4』(藤原時平[ほか]著 日本古典全集刊行会 1929)「延喜式巻第二十三 民部下」の項
p213-214 2月から8月まで、納入期限と国が列挙されている。
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1273499 国会図書館)112コマ-113コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈延喜民部式〉〈延喜式〉〈舂米〉で検索する。
2 《国立国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈延喜民部式〉〈延喜式〉で検索する。
3 参考図書を確認する。
4 NDC分類〈210.3〉の棚にあたる。
〈その他調査済み資料〉
『日本古代の財政制度』(早川庄八著 名著刊行会 2000)
『古代・中世の社会と思想』(家永三郎著 三省堂 1979)
『全集日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと』(小学館 2008)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2021年2月2日。
- 事前調査事項
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『日本史小辞典』(山川出版社 2016)
- NDC
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- 法制史 (322 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『国史大辞典 11 にた―ひ』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1990) , ISBN 4-642-00511-0
- 『延喜式 中』(虎尾俊哉編 集英社 2007) , ISBN 978-4-08-197009-4
- 『日本古代の財政制度』(早川庄八著 名著刊行会 2000) , ISBN 4-8390-0311-4
- 『列島の古代史 ひと・もの・こと 4 人と物の移動』(上原真人〔ほか〕編 岩波書店 2005) , ISBN 4-00-028064-3
- キーワード
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- 日本-財政-歴史-古代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 歴史
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330510