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レファレンス事例詳細

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事例作成日
2023年08月25日
登録日時
2024/02/23 10:35
更新日時
2024/03/11 11:10
提供館
さいたま市立中央図書館 (2210012)
管理番号
中央-1-0021696
質問

解決

電子図書館サービスで、まったく複写が認められていないのはなぜか。その根拠となっている法の条文と初心者でもわかるような解説書を探したい。
回答
すべての電子図書館サービスにおいて、まったく印刷(複写)が認められていないわけではなく、部分的に印刷・ダウンロードが可能なところもある。
印刷(複写)が全面的に不可かどうかは、図書館が契約している電子書籍サービス提供ベンダーの契約内容による。
根拠となっている法を挙げるとするならば、「著作権法」という回答になる。
回答プロセス○印の資料を参考として紹介した。
回答プロセス
○「CA1816 – 電子書籍を活用した図書館サービスに係る法的論点の整理/間柴泰治」(カレントアウェアネスNo.319 2014年3月20日)
 https://current.ndl.go.jp/ca1816#ref (2024.3.1最終確認)

上記ページの「3. 電子書籍サービスをめぐる論点と対応」に、「電子書籍サービスを実施しようとする場合は、同サービスを提供するベンダーと契約を結ぶ必要があり、また、この契約が同サービスの内容を規定するため、契約内容によっては十分な図書館サービスを提供できない可能性がある(6)。」とある。
「注(6)」の具体的な契約内容の例として、「(6)プリントアウト(印刷)不可」が挙がっている。

×「公立図書館における電子図書館サービスの現状」吉井潤/著 樹村房 2022年
 ⇒電子図書館の現状を調査・統計化して解説しているが複写については特に記載なし。
×『電子出版学概論 アフターコロナ時代の出版と図書館』湯浅俊彦/著 出版メディアパル 2020年
 ⇒複写に関しては、国会図書館デジタル送信サービス内に於いての記述に留まっている。

○『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告 2021』電子出版制作・流通協議会/編著 電子出版制作・流通協議会  2021年
 p19「1.2.12 公共図書館向け主な電子書籍サービス」
 「LibrariE&TRC-DL」「OverDrive」「KinoDen」「エルシエロ・オーディオブック」の4種のベンダーが紹介され、「コンテンツ提供形態」の項目で、「LibrariE&TRC-DL」は「DRM(利用制限)ポリシー:ダウンロード、コピー、印刷不可」となっている。一方、「KinoDen」は「出版社が許諾した範囲内でのページ印刷、PDFダウンロードが可能」となっている。

○『電子書籍・出版の契約実務と著作権 第2版』村瀬拓男/著 民事法研究会 2015年
 2014年4月に著作権法改正法が成立し、それまで紙媒体の出版物のみを対象としてきた出版権規定が電子出版物にも適用されるようになったことについて、法的な構造や問題点の確認、契約に関する情報提供がされている。
 p178「3 附帯決議に見る出版権と海賊版対策」に「今改正の主目的がインターネット上の海賊版対策にあったため」とあり。

○南亮一「電子図書館と著作権」『大学図書館研究』52号 p4-7 1997.12
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcul/52/0/52_1001/_pdf(2024.3.1最終確認)
○鳥澤孝之「電子書籍の著作権制度上の課題」『パテント』64巻7号 p57-64 2011.5
 https://jpaa-patent.info/patents_files_old/201105/jpaapatent201105_057-064.pdf(2024.3.1最終確認)

●電子図書館で印刷可能にしているところ
・「愛知県図書館 電子書籍サービスのご案内」
 https://websv.aichi-pref-library.jp/denshishoseki.html(2024.3.1最終確認)
 紀伊國屋書店電子書籍閲覧サービス「KinoDen」を採用。Q&Aの「印刷はできますか?」に対し、「PDF/EPUBフィックス形式で、且つ出版社の許諾が得られているコンテンツは部分的に印刷・PDFダウンロードが可能」との回答。

・「電子書籍 岐阜県図書館」
 https://www.library.pref.gifu.lg.jp/find-books/e-book/(2024.3.1最終確認)
 紀伊國屋書店電子書籍閲覧サービス「KinoDen」を採用。利用説明のPDFファイル中に、「PDFフォーマットで、且つ出版社の許諾が得られているコンテンツは印刷・PDFダウンロードが可能」との説明あり。

・「電子書籍 新潟県立図書館」
https://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D(2024.3.1最終確認)
 紀伊國屋書店電子書籍閲覧サービス「KinoDen」を採用。よくある質問の「印刷やダウンロードはできますか?」に対し、「電子書籍ページの資料詳細画面に「印刷/ダウンロード 可」と表示されている資料は、印刷やダウンロードができます。」との回答あり。

●電子図書館一覧
・「電子図書館(電子書籍貸出サービス)実施図書館」
 https://aebs.or.jp/Electronic_library_introduction_record.html(2024.3.1最終確認)
 電子出版制作・流通協議会のホームページ。「【資料2】公共図書館電子図書館自治体別導入館資料」のPDFファイルで電子図書館サービスを行っている全国の図書館一覧を見られる。採用している電子図書館サービスも分かる。

ダウンロード・印刷一部可能
 KinoDen
印刷不可
 TRC-DL、LibrariE&TRC-DL、OverDrive、エルシエロオーディオブック(※これはそもそもオーディオなので印刷不可)

(例)帯広市電子図書館
 https://obihirocity.overdrive.com/(2024.3.1最終確認)
「OverDrive」を採用。「帯広市電子図書館 よくある質問」(https://www.lib-obihiro.jp/TOSHOW/pdf/e-lib/e-lib_qa_20210401.pdf)にて、「Q2-1 電子書籍をダウンロードして保存、印刷することはできますか?」に対し、「A2-1 できません。デジタル著作権管理でコピーロックがかかっています。電子書籍の著作権は著作権者にあります。第三者への配布など、他人へのコピー、譲渡、共有することはすべて著作権法違反となります。」と回答している。

●著作権関係の本を見る
×『そこが知りたい著作権Q&A100 CRIC著作権相談室から』早稲田祐美子/著 著作権情報センター 2011年
×『デジタルコンテンツの著作権Q&A』結城哲彦/著 中央経済社 2014年
×『デジタル時代の知識創造 変容する著作権』長尾真/監修 KADOKAWA 2015年

○『メディアと著作権』堀之内清彦/著 論創社 2015年
 p141-157「第8章 電子書籍への対応」
 電子書籍における著作権のことが論じられている。
 特にp149-156に、電子書籍に対応した著作権法改正の内容や、意見などがまとめられている。

○『著作権のことならこの1冊 第3版』神田将/監修 飯野たから/執筆 真田親義/執筆 自由国民社 2015年
 p9-44 著作権全般についての基礎知識
 p45-94 パソコンやスマホ・タブレット等でインターネットにアクセスした際の著作権トラブルについて

○『なるほど図解著作権法のしくみ 第3版』奥田百子/著 中央経済社 2017年
 p62-96 財産権としての著作権
 p132-156 著作権の制限

○『改正著作権法がよくわかる本』加藤晋介/監修 コンデックス情報研究所/編著 成美堂出版 2017年
 p169-217 巻末資料として「著作権法全条文集」あり

●図書館関係を見てみる
×『日本の図書館の歩み 1993-2017』日本図書館協会『日本の図書館の歩み:1993-2017』編集委員会/編 日本図書館協会 2021年
×『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告 2020』植村八潮/編著 野口武悟/編著 電子出版制作・流通協議会/編著 電子出版制作・流通協議会 2020年
×『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告 2019』植村八潮/編著 野口武悟/編著 電子出版制作・流通協議会/編著 電子出版制作・流通協議会 2019年

●電子書籍や電子出版(023)に関する本もいくつか見てみるが、あまり参考になりそうな記述なし
事前調査事項
NDC
  • 図書館.図書館情報学 (010 10版)
  • 著作.編集 (021 10版)
参考資料
キーワード
  • 電子図書館
  • 複写
照会先
寄与者
備考
調査種別
文献紹介
内容種別
質問者区分
社会人
登録番号
1000346532
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000346532 コピーしました。
アクセス数 2750
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