レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年03月14日
- 登録日時
- 2025/03/14 16:57
- 更新日時
- 2025/12/26 17:19
- 管理番号
- 4302
- 質問
-
解決
本宮三香の漢詩「華燭詞」の書き下し文、漢字の読みがなを知りたい。
- 回答
-
他市の図書館の蔵書『近代式吟詠名詩集 1』(菅原雪山/著 有信堂高文社 1984年)p.173-174に「華燭詞」(本宮三香)の書き下し文、漢字の読みがな、語訳、作者の略歴が掲載されている。
ただし漢詩の語句の一部が質問者持参の資料とは異なる。
「歓(よろこ)びは溢(あふ)る鴛鴦(えんおう)比翼(ひよく)の前 金屛(きんぺい)玉燭(ぎよくしよく)華筵(かえん)を照(てら)す 三三互に酌(く)む九杯の酒 両両相締(むす)ぶ 幾世(いくせい)の縁(えん) 月に斉(ひと)しき新郎真に皓潔(こうけつ) 花を粧(よそお)う新婦亦嬋娟(せんけん) 人生の景福(けいふく)是れに過ぐるは無し 好く周南(しゅうなん)を唱えて 管絃(かんげん)に和せん」
2025.3.1追記
国立国会図書館デジタルコレクション収録の
『吟詠詩歌撰集』(みづほ出版株式会社編集部/編 みづほ出版 1974年)30コマ
(https://dl.ndl.go.jp/pid/12502356 ) ※図書館・個人送信限定
にも掲載されている。
『近代式吟詠名詩集 1』よりも漢字の読みがなは多いが、こちらも語句や読みがなの一部が異なる。
「歓(よろこ)びは溢(あふ)る鴛鴦(えんおう)比翼(ひよく)の前(まえ) 金屛(きんぺい)玉燭(ぎょくしょく)華筵(かえん)を照(てら)す 三三(さんさん)互(たがい)に酌(く)む九杯(きゅうはい)の酒(さけ) 両両(りょうりょう)相結(あいむす)ぶ 幾世(いくよ)の縁(えん) 月(つき)に斉(ひと)しき令郎(れいろう)真(しん)に皓潔(こうけつ) 花(はな)を粧(よそお)う新婦(しんぷ)亦(また)嬋娟(せんけん) 人生(じんせい)の景福(けいふく)是(こ)れに過(す)ぐるはなし 好(よ)く周南(しゅうなん)を唱(とな)えて 管絃(かんげん)に和(わ)せん」
- 回答プロセス
-
質問者持参のプリントを確認。当該詩が掲載されていた。
題は「華燭詞」(本宮三香)。
詩は「歡溢鴛鴦比翼前 金屛玉燭照華筵 三三亙酌九杯酒 両両相締幾世縁 齊月令郎眞皓潔 粧花淑女亦嬋娟 人生景福無過是 好唱周南和管絃」。
詩の右側には吟符らしきものが併記されている。
作者名や内容より、朗吟でも取り上げられる近現代の日本漢詩と推測。
図書館システムでキーワード「本宮三香」を検索するも見当たらず。
さらにキーワード「漢詩」や件名「朗吟」で検索。
見つかった数百件のうち、当該詩が掲載されていそうな次の4冊を調べたが、やはり見当たらなかった。
・『現代の朗詠 上』(高田光陽/編著 三一書房 1974年)
・『現代の朗詠 下 』(同上)
・『詩吟のための日本漢詩選』(大竹松堂/著 日中出版 1992年)
・『新日本古典文学大系 2 明治編 漢詩文集』(中野三敏/[ほか]編集委員 岩波書店 2004年)
以下の朗吟、日本漢詩関連本も確認するが、掲載されていなかった。
・『詩吟の完全独習』(戸室清山/著 日本文芸社 1979年)
・『江戸漢詩』(中村真一郎/著 岩波書店 1985年)
・『江戸漢詩選 上』(揖斐高/編訳 岩波書店 2021年)
・『江戸漢詩選 下』(同上)
・『江戸後期の詩人たち』(富士川英郎/著 平凡社 2012年)
・『漢詩の事典』(松浦友久/編 植木久行/著 宇野直人/著 松原朗/著 大修館書店 1999年)
・『漢文名作選 第2集5 日本の漢詩文』(鎌田正/監修 「日本の漢詩文」国金海二/著,若林力/著 大修館書店 1999年)
・『新釈漢文大系 45 日本漢詩 上』(猪口篤志/著 明治書院 1972年)
・『新釈漢文大系 46 日本漢詩 下』(同上)
・『新編日本古典文学全集 86 日本漢詩集』(菅野礼行/校注・訳 徳田武/校注・訳 小学館 2002年)
・『日本古典文学大系 89 五山文学集 江戸漢詩集』(山岸徳平/校注 岩波書店 1978年)
Googleでキーワード「華燭詞」+「本宮三香」を検索。
「(公社)日本吟道学院 詩吟教材索引」HP内の「作者別索引(め〜も)」が見つかった。
作者の本宮三香は「もとみやさんこう」と読むと推測してページを確認。次の情報があった。
吟題は「華燭の詞」だが、吟じ出しや作者名より「華燭詞」と同一だと思われる。
区分:漢詩
形式:七律
吟題:華燭の詞(カショクノコトバ)
吟じ出し:歡びは溢る鴛鴦
作者:本宮 三香
当該詩は同法人発行の教材『吟符及解説付 吟道教典第四巻』(1996年)、『発音及解説付 吟道範典第四巻』(1996年)に掲載されているという情報より、図書館システムでキーワード「日本吟道学院」を検索するも見当たらず。
同HPのトップ画面にリンクが貼られていた「(公社)日本詩吟学院用 詩吟教材索引」HPも確認。
「華燭の詞」を調べると、情報はほぼ同じ。
当該詩は同法人発行の教材『第四皇漢名詩の吟じ方』(日本詩吟學院総本部 1960年)に掲載されているという情報より、図書館システムでキーワード「第四皇漢名詩の吟じ方」を検索するも、やはり見当たらず。
*(公社)日本吟道学院 詩吟教材索引
(https://murasaki.anjintei.jp/index.htm )
*(公社)日本詩吟学院用 詩吟教材索引
(https://sakuin.anjintei.jp/index.htm )
また「関西吟詩文化協会」HPでは、本宮三香の別作品「小楠公の母を詠ず」「九段の桜」を取り上げており、作者の略歴も紹介されていた。
明治11年生まれの千葉県の詩人。三香は号で、名は庸三(ようぞう)、字は子述(しじゅつ)、別に風土子(ふうどし)と称したとのこと。
ただし、情報の出典は明らかにされていない。
*関西吟詩文化協会HP内「小楠公の母を詠ず」
(http://www.kangin.or.jp/learning/text/japanese/kanshi_B21_1.html )
*関西吟詩文化協会HP内「九段の桜」
(http://www.kangin.or.jp/learning/text/japanese/k_A3_101.html )
当該詩の書き下し文、漢字の読みがなは未だ不明だが、これまでの情報より、推測の「朗吟でも取り上げられる近現代の日本漢詩」は正しいと思われた。
他の資料を探すため、国立国会図書館サーチでキーワード「華燭詞」+「本宮三香」、「華燭の詞」+「本宮三香」を検索するも見当たらず。
*国立国会図書館サーチ
(https://ndlsearch.ndl.go.jp/ )
次に国立国会図書館デジタルコレクションでキーワード「華燭詞」+「本宮三香」を検索。
『近代式吟詠名詩集(文化新書)』(菅原雪山/著 有信堂 1962年)が見つかった。
104コマのテキストプレビューでは当該詩の書き下し文、漢字の読みがながついているように見えたが、閲覧範囲が国立国会図書館内限定のため全容は不明。
*『近代式吟詠名詩集(文化新書)』104コマ ※国立国会図書館内限定
(https://dl.ndl.go.jp/pid/2497865 )
兵庫県内図書館横断検索で本書を調べると、大学図書館で『近代式吟詠名詩集』(菅原雪山/著 有信堂 1962年)を、他市の公共図書館で『近代式吟詠名詩集 1』(菅原雪山/著 有信堂高文社 1984年)、『近代式吟詠名詩集 2』(菅原雪山/著 有信堂高文社 1979年)、『近代式吟詠名詩集 3』(菅原雪山/著 有信堂高文社 1977年)を所蔵していた。
*兵庫県内図書館横断検索
(https://www.library.pref.hyogo.lg.jp/oudan/index.html )
大学図書館の蔵書の書誌情報は国会図書館デジタルコレクションのものとほぼ同じだが、借り受けられるかは分からず。
巻数が付いており、出版社や出版年もやや異なるが、他市図書館の蔵書『近代式吟詠名詩集 1』を借り受け、確認する。
p.173-174「華燭詞(かしょくのし)」(本宮三香)に詩、書き下し文と漢字の読みがな、語訳、作者の略歴が掲載されていた。
ただし、質問者持参の資料では「令郎」、「淑女」と書かれていた箇所が、本書では「新郎」、「新婦」になっている。
書き下し文、漢字の読みがなは次のとおり。
「歓(よろこ)びは溢(あふ)る鴛鴦(えんおう)比翼(ひよく)の前 金屛(きんぺい)玉燭(ぎよくしよく)華筵(かえん)を照(てら)す 三三互に酌(く)む九杯の酒 両両相締(むす)ぶ 幾世(いくせい)の縁(えん) 月に斉(ひと)しき新郎真に皓潔(こうけつ) 花を粧(よそお)う新婦亦嬋娟(せんけん) 人生の景福(けいふく)是れに過ぐるは無し 好く周南(しゅうなん)を唱えて 管絃(かんげん)に和せん」
質問者に持参の資料とはやや異なることを説明したところ、おおよその書き下し文、読みがなが分かれば良いとのことだったため本書を提供した。
2025.3.1追記
国立国会図書館デジタルコレクションで「華燭の詞」+「本宮三香」を検索したところ、『吟詠詩歌撰集』(みづほ出版株式会社編集部/編 みづほ出版 1974年)が見つかった。
30コマに「華燭(かしょく)の詞(し)」(本宮三香)の詩、書き下し文、読みがな、語意、大意が掲載されていた。
読みがなは本書のほうが多い。
また、こちらも「淑女」の箇所が「新婦」になっているほか、「相締(あいむす)ぶ」が「相結(あいむす)ぶ」と読みは同じだが漢字が異なっていたり、「幾世」の読みが「いくせい」ではなく「いくよ」になっている。
「歓(よろこ)びは溢(あふ)る鴛鴦(えんおう)比翼(ひよく)の前(まえ) 金屛(きんぺい)玉燭(ぎょくしょく)華筵(かえん)を照(てら)す 三三(さんさん)互(たがい)に酌(く)む九杯(きゅうはい)の酒(さけ) 両両(りょうりょう)相結(あいむす)ぶ 幾世(いくよ)の縁(えん) 月(つき)に斉(ひと)しき令郎(れいろう)真(しん)に皓潔(こうけつ) 花(はな)を粧(よそお)う新婦(しんぷ)亦(また)嬋娟(せんけん) 人生(じんせい)の景福(けいふく)是(こ)れに過(す)ぐるはなし 好(よ)く周南(しゅうなん)を唱(とな)えて 管絃(かんげん)に和(わ)せん」
*『吟詠詩歌撰集』30コマ ※図書館・個人送信限定
(https://dl.ndl.go.jp/pid/12502356 )
2025.9.14追記
国立国会図書館デジタルコレクション収録『近代式吟詠名詩集(文化新書)』の公開範囲が、国立国会図書館内限定から図書館・個人送信限定に変更されていた。
104コマより当該詩の閲覧が可能である。
インターネットのリンク確認日:2025年9月21日
- 事前調査事項
- NDC
-
- 邦楽 (768 10版)
- 漢詩文.日本漢文学 (919 10版)
- 作品集 (918 10版)
- 参考資料
-
- 近代式吟詠名詩集 1
- キーワード
-
- 朗吟
- 詩吟
- 朗詠
- 吟詠
- 漢詩
- 本宮 三香
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
本宮三香(もとみやさんこう)の略歴は『近代式吟詠名詩集(文化新書)』104コマや『吟詠詩歌撰集』147コマ等に載っているが、その生年は記載なし、または「生年不詳」となっている。
国立国会デジタルコレクション収録の『漢詩碑を訪ねて 続続』(星野正大/著 星野正大 1994年)111コマ、『千葉県歴史暦』(森田保/著 聚海書林 1993年)134コマにも作者の略歴があり、それらには生年が「明治11年(1878)」と記載されている。
*『漢詩碑を訪ねて 続続』111コマ ※図書館・個人送信限定
(https://dl.ndl.go.jp/pid/12501915 )
*『千葉県歴史暦』(森田保/著 聚海書林 1993年)134コマ ※図書館・個人送信限定
(https://dl.ndl.go.jp/pid/13140443 )
インターネットのリンク確認日:2025年9月21日
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000364424