レファレンス事例詳細

児童向けの説明としては、次の資料があり、複数の説が紹介されています。
【資料1】『なぜ?どうして?身近なぎもん　4年生』（三田大樹監修　学研教育出版　2011）
p134-137「陸上のトラックを走るとき、いつも左回りなのは、なぜ？」
左回りになったのは国際陸上競技連盟が作られた1912年に会議で決めたからだが、理由ははっきりしないとしています。
「左回りにした理由として、一番たしかそうなのは、「左右の足の働きのちがいを考えた」という説です」として、説を紹介しています。

【資料2】『先生教えて!体育のギモン　楽しく学べるQ&A 5』（北徹朗文　あかね書房　2014）
p113，114「問54　陸上競技のトラックは、なぜ左回りに走るの？」
「左回り（反時計回り）のほうがスムーズに走れ、好タイムが出るから」として、左回りが有利な理由として２つの説を挙げています。
「左右の足の機能に合う…左足には体をささえる役割、右足には体を前に進める役割がある（以下略）」
「人間の習性に合う…人間は、心臓が左側にあるので、それをかばうために左側を歩く習性がある。左側をかくすため体が左に向くので、自然に左回りになる」
オリンピックでは1908年の「第4回ロンドンオリンピック」から左回りが採用されたとしています。

【資料3】「［おしえて］陸上競技のトラックはなぜ左回りなのですか」（『読売新聞』2005年5月14日　夕刊）p16
「「心臓は左にあるため、左回りなら遠心力による負担を少なくできる」とか、「多くの人の足は、左足が体重を支え、右足は地面をける役割になっているため、左回りの方がスムーズに走れる」などいくつかの説がありますが、本当の理由は、実際のところ、よくわかっていません」としています。
「1896年にギリシャのアテネで開かれた第1回近代オリンピックでは、右回り」だったものが、「1900年にパリで開催された第2回オリンピック以降は左回りになり、1912年には、国際陸上競技連盟が設立され、「左回り」を正式なルールと決めました」としています。

【資料4】「疑問氷解　陸上のトラックはなぜ左回りなの？」毎日小学生新聞2019年3月12日
https://mainichi.jp/articles/20190312/kei/00s/00s/008000c
※インターネット公開記事。県立図書館には『毎日小学生新聞』の所蔵がありません。
早稲田大学スポーツ科学学術院教授の礒繁雄氏に聞いています。
左回りのほうが良い記録が出るとして1913年に国際陸上競技連盟（1912年に設立した17カ国の陸上競技連盟をまとめる団体）で決定されたが、左回りのほうが良い記録が出る理由ははっきりしないとしています。
「走るときに左足で体勢を保つ人が多いため、左足が内側になる左回りの方がよい」という説と、「地球の自転が関係しているという説」を紹介しています。