レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025/01/21
- 登録日時
- 2025/03/31 00:49
- 更新日時
- 2025/03/31 00:49
- 管理番号
- R1015118
- 質問
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解決
中国で中秋節の時に飾られるうさぎの人形をみたい。また、その名前も知りたい。
- 回答
-
中国の中秋節の時に飾られるうさぎの人形には、「兎儿(児)爺」「兎陣」「兎子王」と呼ばれるものがある。
次の資料に写真が掲載されている。
・『中国民衆玩具:日本玩具博物館コレクション (民衆藝術叢書)』(尾崎織女/著 高見知香/写真 大福書林 2022.7)
「付章 中国民衆玩具あれこれ」「祝祭日と玩具文化」「中秋節」(p.252-255)の項に次の記述がある。
「北京の中秋節には「兎儿爺(トゥーアールイェ)」と呼ばれる武者姿の泥兎が登場する(中略)「兎陣(トウジェン)」は、追っ手から嫦娥を守るため、騎馬戦の演習に励む月の兎を表した北京の泥人形。(中略)山東省では「兎子王(トゥヅワン)」と呼ばれる泥人形が知られている。(後略)」(p.254)
p.253に「兎儿爺 北京市 1980~90年代」と「兎子王 山東省濰坊市高密(県級)市 1980年代」のカラー写真、p.255には「兎陣 北京市 1990年代」のカラー写真が掲載されている。
・『中国の玩具:天理大学附属天理参考館第38回企画展』(天理大学附属天理参考館/編集 天理大学出版部 1997.6)
「歳時の玩具 仲秋節」(p.5)に次の記述がある。
「旧暦の8月15日は仲秋節である。(中略)この夜、一般家庭では木版画の“月光神馬(兎が杵で薬を搗いている月宮殿図や太陰星君の像を印刷したもの)”を掲げ、テーブルの上には粘土で作った兎“兎児爺”とお供えの食べ物が並べられる。(中略)“兎児爺”は月に居る兎=玉兎・神兎の尊称で、頭が兎の姿をした泥人形である。(後略)」
「10 虎に乗った兎児爺」「11 兎児爺」「12 馬に乗った兎児爺」の白黒の写真が掲載されている。
・『日本と世界おもしろ玩具図鑑』(日本玩具博物館/編 神戸新聞総合出版センター 2017.3)
「世界の玩具いろいろ」「中国・中秋節の兎子王」(p.150)に「山東省高密に伝わる泥人形「兎子王」」のカラー写真が掲載されている。
・『中国民間玩具に魅せられて』(斉藤真木子/著 文芸社 2006.10)
「兎子王(としおう)」(p.16)に「山東省臨沂の土人形」のカラー写真が掲載されている。
・鮑家虎/[著] 施邦華/[著] 勝間田早苗/訳 「中国兎神考」『日中藝術研究』<34>(日中藝術研究会 1996.8)p.45-53
「民俗のほうではかつては兎神として人々に信仰されていた。その後、中秋節の児童玩具へと変貌していったのである。この兎神は、北京では「兎児爺」と呼び、済南では「兎子王」といい、形式は大体同じである。
とある。「兎児爺」や「兎子王」について論じられており、「「複製」された済南の「兎子王」。虎に騎乗したものもある。」として2つの人形の白黒写真がある。また、「民国時代の鹿に乗った北京の「兎児爺」」の白黒写真もある。(p.49)
国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス)で閲覧可能。(2025/1/21現在)
p.45-53(24-28コマ)
https://dl.ndl.go.jp/pid/7967422
また、次のホームページでも画像や説明を確認できる。
・天理大学附属天理参考館
「中秋節の土人形「兎児翁」(ちゅうしゅうせつのつちにんぎょう“トゥアルイエ”)」(2025/1/21現在)
https://www.sankokan.jp/selection/life_and_culture/tuerye.html
カラーの写真があり、「中国 北京市 20世紀前期 高73.5cm 土」とある。
・日本玩具博物館
「今月のおもちゃ」2021年9月「中秋節の兎儿爺」(2025/1/21現在)
https://japan-toy-museum.org/monthly
1990年代に作られた「兎儿爺」の写真がカラーで掲載されている。
[事例作成日:2025年1月21日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 人形.玩具 (759 10版)
- 参考資料
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- B14110605 中国民衆玩具 尾崎/織女‖著 大福書林 2022.7 759.9 978-4-908465-17-8 (p.252-255)
- B10815087 中国の玩具 天理大学附属天理参考館∥編集 天理大学出版部 1997.6 759 4-924787-52-3 (p.5)
- B13414940 日本と世界おもしろ玩具図鑑 日本玩具博物館‖編 神戸新聞総合出版センター 2017.3 759 978-4-343-00941-8 (p.150)
- B12159821 中国民間玩具に魅せられて 斉藤/真木子∥著 文芸社 2006.10 759.9 4-286-00168-7 (p.16)
- 国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス):鮑家虎施邦華(訳・勝間田早苗)「中国兎神考」『日中藝術研究』<34>(日中藝術研究会 1996.8)(2025/1/21現在):<https://dl.ndl.go.jp/pid/7967422> (p.45-53(24-28コマ))
- 天理大学附属天理参考館「中秋節の土人形「兎児翁」(ちゅうしゅうせつのつちにんぎょう“トゥアルイエ”)」(2025/1/21現在):<https://www.sankokan.jp/selection/life_and_culture/tuerye.html>
- 日本玩具博物館「今月のおもちゃ」2021年9月「中秋節の兎儿爺」(2025/1/21現在):<https://japan-toy-museum.org/monthly>
- キーワード
-
- 中国
- 玩具
- 中秋節
- うさぎ
- 兎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 図・絵
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000367734