レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/27
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001053014
- 質問
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解決
歌い出しが「あかいはばらのみ さんしょのみ ことりはこまどり べにすずめ…」という童謡の歌詞全てと題名が知りたい。
- 回答
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次の資料によれば、お探しの歌は、北原白秋作詞の「犬のそり」という題名の童謡のようです。
「犬のそり」という題名の童謡は、歌い出しが違う2種類の歌詞がありました。
1) 歌い出しが質問と同じもの
『童謡唱歌名曲全集 別冊』(田村虎蔵/ [ほか]共編 名著出版 1989.2)の「歌い出し索引」を探したところ、『童謡唱歌名曲全集 第8巻』(田村虎蔵/ [ほか]共編 名著出版 1989.1)の149(p.250-251)に、北原白秋歌、杉本秀治曲として、次のような歌詞が楽譜つきで掲載されていることがわかりました。
「アカイハ バラノミ サンセゥノミ コトリハ コマドリ ベニスズメ フレフレ コナユキ コンコユキ ヒキダセ ノリダセ イヌノソリ」
第8巻の凡例に「第八巻=本巻は我国当代の作歌者・作曲家に依頼して、本全集の為に特に新作し、…」等の記述があります。
なお、この歌は、次の資料にも掲載されています。
『世界音楽全集22 日本童謡曲集 第3』(春秋社 1931)
p.155「犬のそり」北原白秋作歌、弘田龍太郎作曲として、上記資料と同じ歌詞で、楽譜つきで掲載されています。作曲者が上記と異なるため楽譜を見比べたところ、別の曲のようです。
この資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで、図書館送信サービス参加館限定で閲覧可能です。
「犬のそり」は、84コマ目(p.155)に掲載されています。(2021/10/27現在)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1078020/84
2) 歌い出しが違うもの
『作品名から引ける日本文学詩歌・俳人個人全集案内 第2期』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2005.6)を調査したところ、「いぬのそり」という北原白秋作の童謡が、以下の資料にも掲載されていることがわかりましたが、歌い出しの歌詞が違います。
『白秋全集 26 童謡集2』(北原白秋/著 岩波書店 1987.4)
p.355-356 「いぬのそり」歌詞
「あかいは フレップ、ななかまど。ことりはこまどり、べにすずめ。ふれふれ、こなゆき、こんこゆき。ひきだせ、のりだせ、いぬのそり。」(「月と胡桃」所収)
p.491の作品年表によると、「いぬのそり」は、昭和二年一月「幼年倶楽部」に掲載されています。
『白秋全集 第11巻 童謡集3』(北原白秋/著 アルス 1930)p.82-83
『名著複刻日本児童文学館 第2集‐[20]「月と胡桃」童謡集』(北原白秋/著 ほるぷ出版 1974)p.88-89
ちなみに、「フレップ」とは、以下によれば木の実の一種のようです。
『フレップ・トリップ(岩波文庫)』(北原白秋/著 岩波書店 2007.11)
冒頭に次のような説明があります。「フレップの実は赤く、トリップの実は黒い。いずれも樺太のツンドラ地帯に生ずる小灌木の名である。採りて酒を製する。所謂樺太葡萄酒である。」
[事例作成日:2021年10月27日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 声楽 (767 10版)
- 作品集 (918 10版)
- 参考資料
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- 童謡唱歌名曲全集 別冊 田村/虎蔵∥[ほか]共編 名著出版 1989.2
- 童謡唱歌名曲全集 第8巻 田村/虎蔵∥[ほか]共編 名著出版 1989.1 (205-251)
- 作品名から引ける日本文学詩歌・俳人個人全集案内 第2期 日外アソシエーツ株式会社∥編集 日外アソシエーツ 2005.6 (68)
- 白秋全集 26 北原/白秋∥著 岩波書店 1987.4 (355-356)
- 白秋全集 第11巻 北原/白秋∥著 アルス 1930 (82-83)
- 名著複刻日本児童文学館 第2集‐[20] ほるぷ出版 1974 (88-89)
- フレップ・トリップ 北原/白秋∥著 岩波書店 2007.11
- https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1078020/84 (国立国会図書館デジタルコレクション『世界音楽全集22』(2021/10/27現在))
- キーワード
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- 北原白秋(キタハラハクシュウ)
- 犬のそり(イヌ ノ ソリ)
- 童謡(ドウヨウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308080