レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025/07/04
- 登録日時
- 2025/08/17 10:37
- 更新日時
- 2025/09/10 16:19
- 管理番号
- 相市-R7-7
- 質問
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解決
1、日露戦争や太平洋戦争など、馬にも徴兵があったという。軍馬について書かれている資料を探している。
2、馬の徴兵について公的な文書の内容などが出ているものを、以前相模原市内の博物館かどこかで見た記憶がある。どこで、どのような内容を見たのか教えてほしい。
- 回答
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1、回答プロセスのとおり①から⑧の資料を提供した。
2、2023年8月7日の朝日新聞に、相模原市立公文書館の企画展示「兵事書類と馬 町村役場資料に残る馬匹書類から考える」という記事があった。ここで展示されていたとされる『馬の赤紙』についてをお伝えした。
この企画展は、民間で使っている馬を有事の際、強制的に軍に提供させる「徴発」がスムーズにできるよう、各地の町村役場が作成したとみられる馬に関する名簿など表紙や中身のコピー40点を展示、パネルで解説、2023年7月末から相模原市立公文書館で開催されていた。
「湘南村(現在の相模原市緑区)が昭和16(1941)年に作成した「(秘)動員(馬匹徴発)実施業務書」というファイルには、「全戸不在者へ通知書」と書かれたページがあり、そこに長細く赤い紙が折り込まれていた。「徴発セラル直ニ役場に出頭スベシ 湘南村役場」とあり、馬を飼う農家へ徴発の通知を届けにきた係員が家人不在の時に玄関や馬小屋に貼り付けた書状の見本で、まさに『馬の赤紙』」と記載があった。
- 回答プロセス
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●自館OPACで“馬”“軍馬”を検索
①『靖国の軍馬』 加藤 康男/〔著〕 祥伝社 2017 【395.8 S32992497】
「天皇の御分身」として銃の次に大切にされていた軍馬についてまとめてある。
②『奇蹟の軍馬勝山号』 小玉 克幸/著 潮書房光人新社 2020 【B395.8 S33966920】
日中戦争時、注目を集めた軍馬「勝山号」の航跡について記載されている。
③『日本の馬と牛』 市川 健夫/著 東京書籍 1981 【645 S05587092】
p207-日清、日露戦争と軍馬について記載あり。
●県内横断検索で“軍馬”を検索
④『軍馬と農民』 大瀧 真俊/著 京都大学学術出版会 2013
⑤『軍馬の戦争』 土井 全二郎/著 光人社 2012
●インターネットで検索
・レファレンス協同データベースで“軍馬”を検索
・さいたま市立中央図書館の事例 「日本陸軍、もしくは農林省による軍馬育成について、また、日本国内の軍馬育成牧場の場所、それらに関する資料を見たい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000115914
(2025/08/22最終確認)
・鳥取県立図書館の事例 「戦前、戦中に日本の軍隊で使われていた軍馬の種類と、それぞれの馬の特徴について知りたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000064195
(2025/08/22最終確認)
・宮城県立図書館の事例 「軍馬について調べたい。関連書籍や統計などを紹介してほしい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000139481
(2025/08/22最終確認)
レファレンス協同データベースの事例より、
⑥『富国強馬』 武市 銀治郎/著 講談社 1999 【645.2 S19998988】
p41-軍馬、軍馬補充部(帝国陸軍)等について記載あり。
⑦『日本馬政史・続1』 神翁顕彰会 1963
p10- 明治以降の馬政計画等について記載あり。
p686- 各部隊における用途別の馬の種類について記載あり。
⑧『戦争に征った馬たち』 森田 敏彦/著 清風堂書店 2011
・Googleで“軍馬 徴発礼状”を検索
2023年8月7日の朝日新聞に、「馬にも赤紙があった 明治から戦時下の資料で発見、相模原で展示」という見出しの記事があることがわかった。
https://www.asahi.com/articles/ASR866W7DR7TULOB01J.html?msockid=20bc8bd06a43600a2b7c9e6a6ba961de
(2025/08/22最終確認)
・朝日新聞クロスサーチで“馬 赤紙 相模原”を検索
「明治から戦時下、馬にも「赤紙」役場作成の資料発見、相模原で企画展/神奈川県」 『朝日新聞 2023年8月7日 朝刊 19面』
民間で使っている馬を有事の際、強制的に軍に提供させる「徴発」がスムーズにできるよう、各地の町村役場が作成したとみられる馬に関する名簿など表紙や中身のコピー40点を展示、パネルで解説する企画展「兵事書類と馬、町村役場資料に残る馬匹(ばひつ)書類から考える。」が7月末から相模原市立公文書館で開催されていたと記載あり。
湘南村(現在の相模原市緑区)が昭和16(1941)年に作成した「(秘)動員(馬匹徴発)実施業務書」というファイルには、「全戸不在者へ通知書」と書かれたページがあり、そこに長細く赤い紙が折り込まれていた。「徴発セラル直ニ役場に出頭スベシ 湘南村役場」とあり、馬を飼う農家へ徴発の通知を届けにきた係員が家人不在の時に玄関や馬小屋に貼り付けた書状の見本で、まさに『馬の赤紙』だと記載がある。展示の様子なども写真で紹介されている。
※【 】内は自館の請求記号と資料コードです。
- 事前調査事項
- NDC
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- 軍事施設.軍需品 (395 9版)
- 家畜.畜産動物.愛玩動物 (645 9版)
- 参考資料
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『靖国の軍馬』 加藤 康男/〔著〕 祥伝社 2017
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028358240 , ISBN 9784396115142 -
『奇蹟の軍馬勝山号』 小玉 克幸/著 潮書房光人新社 2020
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I030631455 , ISBN 9784769831860 -
『日本の馬と牛』 市川 健夫/著 東京書籍 1981
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001524645 -
『軍馬と農民』 大瀧 真俊/著 京都大学学術出版会 2013
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I024362538 , ISBN 9784876982745 -
『軍馬の戦争』 土井 全二郎/著 光人社 2012
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I023408963 , ISBN 9784769815174 -
『富国強馬』 武市 銀治郎/著 講談社 1999
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002759468 , ISBN 9784062581493 -
『日本馬政史・続1』 神翁顕彰会 1963
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001044585 -
『戦争に征った馬たち』 森田 敏彦/著 清風堂書店
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011187388 , ISBN 9784883136551
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『靖国の軍馬』 加藤 康男/〔著〕 祥伝社 2017
- キーワード
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- 軍馬
- 赤紙
- 徴兵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000373262