レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年05月01日
- 登録日時
- 2025/05/08 10:14
- 更新日時
- 2025/05/23 21:34
- 管理番号
- 県立長野-25-027
- 質問
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解決
県歌「信濃の国」の歌詞にある「十州」とはどこか。
また「州」は、いわゆる「旧国名」と違いはあるのか。
- 回答
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県歌「信濃の国」1番の歌詞である「信濃の国は十州に境連ぬる国にして」の十州(十国)とは、次のとおり。
越後国(新潟県)、上野国(群馬県)、武蔵国(埼玉県)、甲斐国(山梨県)、駿河国、遠江国(静岡県)、三河国(愛知県)、美濃国、飛騨国(岐阜県)、越中国(富山県)『県歌信濃の国』市川健夫著 信濃毎日新聞社 2014【767.51/イタ】p.30に、1番の歌詞の簡単な用語解説があり、
十州:州は国と同じ。
と書かれている。
『広辞苑』新村出編 岩波書店 2018【813.1/シイ/1-2】p.1367「州」に
くに。日本の国郡制度の国。
とあり、『新明解国語辞典』山田忠雄編 三省堂 2020【813.1/ヤタ】でも、p.696に
日本の昔の「国」の意の漢語的表現
の記述が見える。他の所蔵する国語辞典でも、同じような記述が確認できた。
また、『角川日本史辞典』浅尾直弘ほか編 角川書店1996【210.3/カド】p.382「こくぐんりせい 国郡里制」の項目に、令制の地方行政制度。(-中略-)国郡という区分は近代に至るまで用いられた。
とあり、p.1092「りつりょう 律令」「りつりょうせい 律令制」の項目に、
大化の改新を経て、7C.後半からの律令の撰修によって完成された。平安時代に動揺し形骸化したが、形式的には明治維新まで国制を規制しつづけた。
ともある。他の所蔵する日本史用語辞典でも、「国」は律令制に基づく行政区画であったことが確認できるが、「州」との関係記述は見当たらなかった。
- 回答プロセス
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1 過去に同じようなレファレンス事例がないか、レファレンス協同データベースで検索。次の2つを見つける。
・長野市立図書館「県歌「信濃の国」の十州とはどこを指すのか。」
・塩尻市立図書館「長野県の県歌「信濃の国」の歌詞に出てくる「十州」とはどこか。また州が付く地名の呼び方も知りたい。」<リンク最終確認:2025.5.8>
2 「州」と「旧国名」の違いについて調べる。
国語辞典と日本史用語辞典の2系統で、所蔵するものを複数確認する。<調査済み資料>
・『国史大辞典』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館【210.03/コク/1~15-3】
・『日本歴史大辞典』日本歴史大辞典編集委員会編 1985 河出書房新社【210.03/ニホ/1-10】
・『日本史事典』藤野保ほか編 朝倉書店 2012【210.03/フタ】
・『日本国語大辞典』小学館国語辞典編集部編 小学館【813.1/シヨ/1-13】
・『岩波国語辞典』西尾実編 岩波書店 2019【813.1/ニミ】
・『日本古代地域編成史序説』関口功一著 岩田書院 2015【210.3/セコ】
・『江戸幕府の日本地図』川村博忠著 吉川弘文館 2010【448.9/カヒ】
・『「信濃の國」物語』中村佐伝治著 新青毎日新聞社1978【215/ナ】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210)
- 音楽 (760)
- 参考資料
- キーワード
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- 県歌「信濃の国」
- 長野県
- 十州
- 旧国名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000369050