レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004/07/14
- 登録日時
- 2006/04/21 02:10
- 更新日時
- 2024/11/27 14:18
- 管理番号
- TCL01-0078
- 質問
-
解決
砂川太織りに関する資料を探している。
- 回答
-
『村山町史』(村山町史編纂委員会 村山町教育委員会 1968)を見たいとのことで、同書を提供。他に『多摩のあゆみ 106 多摩の養蚕・織物』(たましん歴史・美術館歴史資料室編 たましん地域文化財団 2002)に、鈴木芳行の論文「近代の村山織物」があり、砂川太織りについてふれられている。これを提供する。『自由時間 2号』(つむぐの会 2004)掲載の「ついに出会った幻の砂川太織り」によると、大正5年頃に織られたと見られる砂川太織りの布地を発見したとのことである。同論考によると、「砂川太織りは砂川地方、西多摩の一部で、江戸時代から明治時代に盛んに織られたもので、あの村山大島紬の基礎になった織物だった」とのことである(参考文献『村山織物史』)。 またこの論考の中で、『多摩の人物史』 (倉間勝義編 武蔵野郷土史刊行会 1977)中の、「砂川東作の妻-重- 砂川太織りの発明者。文政元年(1818)没年不明。砂川村の農家の嫁であったが機織りに精をだし、常に研究を重ねてきた。文政の頃、同村の宮崎若狭の妻、延と共同研究をして織り始めたのが砂川太織りである。」という文章を紹介している。
【追加調査:2024.9.6】
砂川太織は、2006年4月登録時の回答及び下記1のように村山大島紬の基礎となった説と、下記2、3のように村山がすりが出現したことで衰退した説があることが分かったため、回答欄へ追記した。
また、下記4のように男女で着る柄が異なっていたことが分かったため、回答欄へ追記した。
1.『村山町史』(村山町史編纂委員会/編、村山町教育委員会、1968.3)のP640からP642に、「村山地方で幕末から明治へかけて村山絣の全盛期を迎えていた頃、隣の砂川村を中心に玉繭からとった太糸を用いての絹の砂川太織があった。(中略)砂川太織は絹にちがいないが、何分ともに田舎製品の域を出ず、村山絣はいかに巧緻の度を加えたとはいえ所詮木綿であった。ここにおいて砂川太織と村山絣の長所を合わせた新製品を織り出すべく、恰も幕末の木綿絣の発明と同じ苦労が業界で再び展開されるにいたった。昭和十四年に村山織物同業組合の手で十周年事業として刊行された「村山織物誌」は、苦心の末村山大島絣を織出す(中略)村山大島の発生は、要するに明治時代に養蚕の全国の中心地であった砂川が、その特産の絹を使って織り出していた太織りに村山絣の絣を応用しようとしたもの」と記載あり。
2.『 立川市史 下巻』(立川市史編纂委員会/編、立川市、1978.10第二版)のP1118に、「砂川太織は村山地方に村山がすりが出現したことによって衰微」と記載あり。
3.『多摩の人物史』(倉間勝義、岩淵久/編、武蔵野郷土史刊行会、1977.6)のP151の砂川東作妻重(すながわとうさくのつましげ)の項目に、「砂川太織(中略)村山地方の村山がすりの出現によって急速にさびれた」と記載あり。
4.『自由時間 (2)』(つむぐの会/編、つむぐの会、2004.10)のP43に、「絣柄を女性が着ていたもので、男性は縞柄だった」と記載あり。
- 回答プロセス
-
【追記:2024.9.6】
1.2006年4月登録時に用いた参考資料のほかに、当館OPACで「砂川太織」「砂川」「太織」などで検索し、複数の資料がヒットした地域資料の書架から資料を調べると、砂川太織が途絶えた説が2つあることが分かり、それぞれ掲載されていた資料とともに、回答欄へ追記した。
2.資料を調べていくと、男女で着る柄が異なっていたことが分かったため、回答欄へ追記した。
- 事前調査事項
-
『つむぐ 1号~5号合本』(立川・女の暮らし聞き書きの会 1987)に掲載された砂川太織りに関する論考 および、 『村山織物史』は既に入手済み。
- NDC
-
- 染織工芸 (753 10版)
- 参考資料
-
-
村山町史編纂委員会 編. 村山町史. 村山町教育委員会, 1968.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001117582 -
立川市史編纂委員会 編. 立川市史 下巻. 立川市, 1978.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I11121123554204 -
倉間勝義 編 ; 岩淵久 編. 多摩の人物史 : 事典法式. 武蔵野郷土史刊行会日新堂書店, 1977.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I34211100221558 -
つむぐの会. 自由時間 (2). ウィメンズアクションネットワーク, 2004-10-30.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000039-I11040011
-
村山町史編纂委員会 編. 村山町史. 村山町教育委員会, 1968.
- キーワード
-
- 染織工芸--日本--歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000028414