レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年01月31日
- 登録日時
- 2024/11/02 14:05
- 更新日時
- 2024/12/13 13:34
- 管理番号
- 地-240003
- 質問
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解決
秦野市渋沢の震生湖は関東大震災で生まれたと聞いた。これについて記載した文献を教えてほしい。
- 回答
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・『秦野市史 通史3 近代』秦野市 1992
「第5章 生活の変化と町の整備 第3節 関東大震災」(p.457-481)中、p.464-469に「南秦野村」が立項されており、村の被害状況、震生湖のなりたち、当時東京帝国大学の地震研究所・所員専任であった寺田寅彦らが昭和5年に行った調査についてなどの記述があります。
こちらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/)にて、国立国会図書館内/図書館・個人送信限定で公開されています。【永続的識別子】info:ndljp/pid/9523033 【該当ページのコマ数】252-254コマ
・『図説秦野の歴史』「図説・秦野の歴史」編集委員会編 秦野市 1996
p.216-218に「震生湖と寺田寅彦」が立項されています。震生湖の位置や規模、誕生の経緯、前述の寺田寅彦らが行った調査の概要、震生湖の名前の由来などについて記述があります。
・『秦野市史自然調査報告書3 秦野の自然Ⅲ 震生湖の自然』秦野市 1987
震生湖周辺の自然に関する調査結果をまとめたものです。
「Ⅰ 震生湖の概要」(p.1-12)、「Ⅱ 震生湖の地質と水質」(p.13-45)、「Ⅲ 震生湖の植物」(p.47-97)、「Ⅳ 震生湖の動物」(p.99-155)から成っており、巻頭の口絵には、「空からみた震生湖(昭和58年5月撮影)」などの写真が掲載されています。成り立ちや名前の由来などについて、「Ⅰ 震生湖の概要」に記載があります。
・『神奈川県における関東大震災の慰霊碑・記念碑・遺構 その1 県中部編』武村雅之ほか著 名古屋大学減災連携研究センター 2014
「第4章 秦野」(p.59-70)中に、「2-2 南地区 (2)震生湖と湖畔(秦野市平沢・今泉)」(p.64-65)が立項されています。震生湖の概要のほか、寺田寅彦の句碑、震生湖が生まれる原因となった土砂崩れに巻き込まれた犠牲者の供養塔について紹介されています。
・『神奈川の関東大震災 100年後の視点』鈴木晶ほか編著 えにし書房 2023
p.66-67に「≪コラム≫秦野の震生湖―記憶を語り継ぐ地名」が掲載されています。
・『西さがみ庶民史録 第4号~第8号』西さがみ庶民史録の会 1983
当館で第4号から8号について合冊製本したものです。
第5号(1983年9月)のp.60-61に「大地震で誕生した震生湖の話」(相原宗由)が掲載されています。
・『1923関東大震災報告書 第1編』中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会 2006
「第3章 地変と津波 第1節 土砂災害 2 神奈川県西部の土砂災害」(p.52-66)が立項されています。
p.53に「図3-2 関東地震による神奈川西部の土砂災害[神奈川県環境農政部森林課蔵,1930に追記]」が掲載されており、関東地震による土砂災害及び、地震後降雨時(9月15日頃)の土砂災害の発生地が地図上に示されています。(同図のカラー版が「口絵3」に掲載あり)
p.54には、「図3-2」に対応する形で、「表3-1 関東地震と地震後の降雨によって発生した土砂災害[建設省河川局砂防部,1995を修正]」が掲載されており、「関東地震直後(9月1日)に発生した土砂災害」の項番12に「秦野市(南秦野村)震生湖」があり、概要が記載されています。
震生湖については、p.60にも4行程度の概要が掲載されています。
こちらの資料は、「内閣府 防災情報のページ」内の下記URLにて公開されています。
○報告書(1923 関東大震災)
https://www.bousai.go.jp/kyoik...
・『秦野誌並に震災復興誌』落合政一 1925
「震災復興誌」中、p.251-253に「地形変化と損害」が立項されています。
「震生湖」という名称は出てきませんが、関東大震災によって地形変化が生じた際の様子が記載されています。
こちらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
https://dl.ndl.go.jp/pid/98320... (該当ページのコマ数:140-141コマ)
下記の資料は当館に所蔵がありませんが、インターネット等で閲覧が可能なものです。
・寺田寅彦、宮部直己「秦野に於ける山崩」『東京帝国大学地震研究所彙報』10巻1号 p.192-199 1932.2
昭和5年に寺田寅彦らが行った震生湖の調査についてまとめられている論文です。
こちらの論文は、東京大学学術機関リポジトリから閲覧が可能です。
https://repository.dl.itc.u-to...
・千木良雅弘ほか「1923年関東地震による震生湖地すべりの地質構造とその意義」『京都大学防災研究所年報』第60号B p.417-430 2017
1923年の関東地震による地すべりでできた秦野市の震生湖について、周囲で行った地質・地形調査により明らかになった地すべりの内部構造についての論文です。
こちらの論文は、国立国会図書館デジタルコレクションにてインターネット公開されています。
https://dl.ndl.go.jp/pid/11667...
- 回答プロセス
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秦野市史等の自治体史や自然史、関東大震災関連の資料を中心に確認した。
・『神奈川史談 第9~10号』神奈川県立図書館 1967
※10号に、神田茂「神奈川県の地震史」掲載(p.108-127)あり、関東大震災についてはp.120-123に記述あるが、秦野関係の記述はみられず。
・『神奈川地学 第1~74号』神奈川地学会 1950
※1号(1950)から74号(1994)の総目次あり、そこから見る限り関連記述は無いと判断した。
・『神奈川県災害誌(自然災害)』横浜地方気象台監修 神奈川県 1971
・『神奈川県震災誌(1)』神奈川県 1927
上記2点には関連する記述が見つからなかった。
※『神奈川県下の大震火災と警察』のp.168-169に「秦野警察署分署管内」として秦野周辺の被害状況掲載あり、南秦野村平沢の畑の陥没についての記載があるが、震生湖なのか判別つかないため割愛した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 秦野市
- 震生湖
- 関東大震災
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000359037