レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022.10.9
- 登録日時
- 2022/10/09 19:56
- 更新日時
- 2024/12/12 19:37
- 提供館
- 行橋市図書館 (2300131)
- 管理番号
- 行橋市2022-044
- 質問
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解決
金閣寺を燃やした「林承賢」の読みと生没年月日、できれば略歴も知りたい。
- 回答
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【林承賢】(はやし しょうけん)
本名:林養賢(はやし ようけん) 生年月日:昭和4年(1929)3月19日 没年月日:昭和31年(1956)3月7日
昭和期の僧・金閣寺放火事件の放火僧
略歴:日本海舞鶴の寒村の貧しい寺に生まれ、結核病みの父と勝気な母との間で育つ。幼いころから激しい吃音で、そのため周囲からの疎外感をいだいていた。昭和19年16歳の時入山、以後他の弟子たちと共に鹿苑寺で修行し、大谷大学へ通う学生だった。21歳の昭和25年7月2日未明、突然金閣寺に放火、炎上させ、自からは自殺を計り、山中に横たわっているのを発見された。犯行の半年後懲役7年の判決を受け服役。恩赦減刑による刑期満了で釈放されたが、洛南病院に入院、31年3月、26歳で没した。三島由紀夫の小説「金閣寺」はこの僧がモデル。
①『20世紀日本人名事典 そ~わ』(日外アソシエーツ/編 2004) p. 2039 より
【ほか記載資料】
②『人物レファレンス事典 昭和<戦後>・平成編[1]せ〜わ』(日外アソシエーツ編集部/編,日外アソシエーツ,2003年) p.1989
【金閣寺延焼について】
③『OUR TIMES 20世紀』(筑紫哲也/監修,角川書店,1998年) p.413 「金閣炎上」
④『20世紀全記録』(講談社/編集,講談社,1991年) p.735 「金閣炎上…」
⑤『昭和史全記録』(毎日新聞社,1989年) p.475 「金閣寺放火全焼」
【題材にした物語】
⑥『金閣寺』(三島由紀夫/著,新潮社,1988年)
⑦『金閣炎上』(水上勉/著,新潮社,1986年)
⑧『金閣を焼かなければならぬ』(内海健/著,河出書房新社,2020年)
- 回答プロセス
-
・改めて百科事典にて「金閣寺」について調べると、正式名称は「鹿苑寺」で、放火され炎上したのは昭和25年7月2日と判明。
放火した人物についての記載は一切なかったので、続いて昭和史を網羅した資料を探すと、資料③④⑤に金閣寺延焼について書かれている部分があった。
・放火犯の氏名や動機だけでなく、鹿苑寺の僧であることにも触れていたため、人名事典に記載があるかもしれないと、検索してみると、資料②を発見。
これから『現代日本朝日人物事典』または『講談社日本人名大辞典』に掲載されていることが分かったが、2冊とも当館に所蔵なし。他の人名事典を探すと、資料①を発見。生没年・出身地・略歴などの記載があり、これを回答とする。
・三島由紀夫著『金閣寺』のモデルでもあるので、あわせて資料⑥⑦⑧も紹介出来るかと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281)
- 参考資料
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- 筑紫哲也/監修. OUR TIMES20世紀. 角川書店, 1998年. , ISBN 4-04-820003-8
- 講談社/編集. 20世紀全記録. 講談社, 1991年 , ISBN 4-06-205175-3
- 昭和史全記録. 毎日新聞社, 1989年 , ISBN 4-620-80210-7
- 日外アソシエーツ編集部/編. 人物レファレンス事典 昭和<戦後>・平成編[1]せ〜わ. 日外アソシエーツ, 2003年.
- 日外アソシエーツ株式会社/編集. 20世紀日本人名事典 [2]. 日外アソシエーツ, 2004年.
- 内海健/著. 金閣を焼かなければならぬ. 河出書房新社, 2020年. , ISBN 978-4-309-25413-5
- 三島由紀夫/著. 金閣寺. 新潮社, 1988年. , ISBN 4-10-105008-2
- 水上勉/著. 金閣炎上. 新潮社, 1986年. , ISBN 4-10-114119-3
- キーワード
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- 林承賢
- 金閣寺
- 鹿苑寺
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000322444