レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/20
- 登録日時
- 2018/02/15 00:30
- 更新日時
- 2018/02/15 19:42
- 管理番号
- 茨城-2017-100
- 質問
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解決
水戸光圀の遺言について分かる資料があるか知りたい。
- 回答
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「水戸光圀の遺言」について茨城県立図書館所蔵資料のなかから調べたところ,それに近いものとして水戸光圀の遺訓についての情報がいくつか見つりました。
1.『水戸光圀』(名越時正/著 水戸史学会 1986.7)
P180-184が,「護国の教え」(光圀の遺言)という章題の一文となっております。そのなかで,光圀が養子である綱條に遺訓としてのこした詩として紹介されているものがありますので,そちらを以下に記載します。
元禄庚午の冬。跡を遁る東海の浜。致仕して印綬を解き。縦に葛天の民となる。盤旋す広漠の野。一洗す栄辱の塵。昔は首陽の薇に涎し。今は呉江の蒪を羹す。三十余年来。夙志焉において伸ぶ。予去りて又何ぞ。再開の辰を知らず。嗚呼汝欽め哉。国を治むるは必ず仁に依れ。禍閨門に始る。慎みて五倫を乱す勿れ。朋友礼儀を尽し。旦暮中純を慮れ。古謂ふ,君以て君たらずと雖も,臣臣たらざるべからずと
※こちらの資料のほか,『水戸光圀の遺猷』(宮田正彦/著 水戸史学会 1998.2)の
p200-204,『水戸学の達成と展開』(名越時正/著 水戸史学会 1992.7)の
p63-69にも,この詩の記述がありました。
2.『日本教育文庫 訓誡篇 上』(同文舘編輯局/編纂 1910)
P11に,「徳川光圀卿壁書」との題にて,以下の文章が記されていました。
※こちらの資料は国立国会図書館デジタルコレクションにてインターネット公開されています。
一 苦はたのしみのたね,楽は苦の種と知るべし
一 主人と親とは,無理なるものと思へ,下人はたらぬものと知るべし
一 子ほど親を思へ,子なきものは身にたくらべる,ちかき手本としるべし
一 おきてにをぢよ,火にをぢよ,分別なきものにをぢよ,恩をわするる事なかれ
一 欲と色と酒とをかたきと知るべし
一 朝寝すべからず,咄の長座すべからず
一 小なることは分別せよ,大きなる事は驚くべからず
一 九分にたらず,十分はこぼるると知るべし
一 分別は堪忍にあるべしとしるべし
- 回答プロセス
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「水戸光圀」「遺言」をキーワードに,当館OPAC,google等にて検索。結果出てきた資料の現物を見た結果回答内容に記した記述を発見。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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名越時正 著 , 名越時正. 水戸光圀 新版. 水戸史学会, 1991. (水戸史学選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I076499719-00 , ISBN 4764602032 -
宮田正彦 著 , 宮田, 正彦, 1938-. 水戸光圀の遺猷. 水戸史学会, 1998. (水戸史学選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002666667-00 , ISBN 4764602458 -
名越時正 著 , 名越, 時正, 1915-2005. 水戸学の達成と展開. 水戸史学会, 1992. (水戸史学選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002194366-00 , ISBN 4764602334 -
同文館 , 同文館編輯局 編. 日本教育文庫 訓誡篇 上. 同文館, 1911.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001666534-00
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名越時正 著 , 名越時正. 水戸光圀 新版. 水戸史学会, 1991. (水戸史学選書)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 県外公立図書館
- 登録番号
- 1000230699