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レファレンス事例詳細

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事例作成日
2025年07月10日
登録日時
2025/07/10 14:58
更新日時
2026/03/11 14:45
提供館
さいたま市立中央図書館 (2210012)
管理番号
大宮-1-00105
質問

解決

日光東照宮建築の際、黒田長政が鳥居の材料となる石を福岡から日光まで船で輸送したと知った。使用した船の大きさや数、船積みの方法を知りたい。江戸~日光間(利根川遡上)の記録は確認したので、福岡から江戸までについてでよい。
回答
数点の資料に「筑前国志摩郡親山(現・福岡県糸島市の可也山)で切り出した石を大船に乗せ、大船に虚(うつろ)船をつけて漕がせた」との記述があった。船の大きさなどについての具体的な記録は確認できなかった。他に江戸城建築の際の大石輸送を描いた絵を参考として紹介した。
回答プロセス
(最終確認日は全て2026年2月21日)
1 日光東照宮・日光市の記録を調べる
① 日光東照宮HP
https://www.toshogu.jp/shaden/index.html
元和4(1618)年に黒田長政によって鳥居が奉納されたこと、石材は九州から船で小山まで運ばれ、その後陸路を人力で日光まで運ばれたことが記述されている。

② 『日光東照宮百話』(日光東照宮社務所 大正14年 国会図書館デジタルコレクション 書誌ID:000000538803にて確認)
49コマ:「元和4年4月、黒田長政寄進」以下、「筑前志摩郡小金村の南山から切り出し、大石一本宛を大船に載せ、左右に大きな虚船 
   をつけて漕がせ、江戸からは牛数匹で修羅を以て曳かせ~」云々と記述がある。海上の道中についてはこの記載のみ。
   ※「虚船」:人が乗っていない空の船をさす(『角川新字源』改訂新版 角川書店 2017年)

③『日光市史』中巻(日光市 1979年 国会図書館デジタルコレクション 書誌ID:000001445965にて確認)
215コマ:東照宮鳥居の建造について記載あり。石の大きさや数、航行ルートの記載はあるが、船の大きさや数については記載なし。

2 黒田藩側の記録を調べる
① 『黒田長政記』(『続群書類従 第23輯上 合戦部』所収 当館所蔵)
鳥居寄進に関する記録なし。

② 『黒田家譜』 (歴史図書社版 1980年 国会図書館デジタルコレクション 書誌ID:000001469245にて確認)
219コマ:「長政日光山に鳥居を建立し奉らん為、筑前国志摩郡親山(おやま)にて、大石を撰び、鳥居に作らせ、大船にのせて南海を
  廻らし、武州隅田川より川舟に移し、栗橋まで利根川をのぼせ~(下略)」との記載があるが、船や石の大きさ、積み方などの
   記述はない。他に運搬の責任者が「竹森清左衛門貞幸」であったことが記述されている。
240コマ:『黒田記略』 :鳥居寄進についての記述なし。
278コマ:『黒田先公忠義傳』:鳥居寄進についての記述なし。
281コマ:『黒田家臣傳』:鳥居寄進についての記述なし。

3 運搬責任者の「竹森清左衛門貞幸」と「日光」をキーワードに国会図書館デジタルコレクションを調査。
①雑誌『大日光』(66)(日光東照宮 1995年 書誌ID:000000014217にて確認)
18コマ:山村信栄「筑前黒田藩と石鳥居の奉納」という論文が掲載されている。
    『明良洪範 五』 及び 『竹森家記』の資料2点が引用されていたため、調査。

② 『明良洪範 : 25巻 続篇15巻』(国書刊行会 1912年版 国会図書館デジタルコレクション 書誌ID:000000853046)
40-47コマ:『明良洪範 五』
   43コマに「(※前略・黒田長政の指示として)海上運送の事は、先其大石を大船に載せ、左右に空船を絆ぎて漕がせ
   送らば、幾本送る共難きことあらんや、又陸地は修羅を以て牛数匹に曳かせべし~」と記述されている。
   海上運搬に関する記述はこの部分のみ。
  
③ 『竹森家記』
28~30コマ:「巨石を本国の志摩郡御山に於いて取り、之を琢磨し大船に於いて載せ、南海於て数万里之大洋を杳廻り、而して、
      武州隅田川に於いて達す」(以下略。海上運搬に関する記述はこの部分のみ)
 ※九州大学附属図書館の「九大コレクション」にて天保12年の写本版を確認。
  (九州大学附属図書館 『竹森家記』 
  https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_detail_md/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=MD820&bibid=432467&opkey=B176981922448681&start=1&listnum=0&place=&totalnum=1&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0)


4 和船、海運の歴史についての資料を調べる
 長政の使用した船や石の運搬についての解説や絵図はなかった。
  ①『江戸海運と弁才船』石井謙治/著 日本海事広報協会 1988年 
  ②『海の日本史再発見』石井謙治/著 日本海事広報協会 1987年 
  ③『ものと人間の文化史 和船Ⅰ,Ⅱ』石井謙治/著 法政大学出版局 1995年 

5 ほぼ同時期の江戸城築城での大石の海上運搬について調査した資料を確認した。
 『江戸城 築城と造営の全貌』野中和夫/著 同成社 2015年
 p63:鳥居ではないが、江戸城築城時に大石を船積みにした状況についての記載がある。艀から本船に石を積む画面を描いた絵も
   あり具体的だが、虚船に曳航させたという記録は見当たらず。
事前調査事項
NDC
  • 九州地方 (219)
  • 神社.神職 (175)
  • 海運 (683)
参考資料
キーワード
  • 黒田長政
  • 日光東照宮
  • 海上運送
照会先
寄与者
備考
調査種別
事実調査
内容種別
質問者区分
社会人
登録番号
1000371560
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000371560 コピーしました。
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