レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003年9月17日
- 登録日時
- 2013/09/21 10:56
- 更新日時
- 2021/01/10 00:30
- 管理番号
- PML20030917-01
- 質問
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解決
400字詰め原稿用紙の由来について
- 回答
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推測の域を出ず、諸説あるようですが、と下記の文献を提供。
また、最初に登場した20字×20字の原稿用紙と、それが定着したのとは別に考える記述も多い。
松本八郎『エディトリアルデザイン事始』(朗文堂 1989年)
p.145-152 四百字詰原稿用紙の話
「日本の活版印刷の黎明期、本文組版は五号活字が基本であった。この五号活字を文撰箱に拾って持ち得る重さが八百本、すなわち文撰箱は20本×40本というスケールの箱であった。(中略)そこで、あらかじめ原稿の段階で原価計算できるようにするには、この文選箱での本数と同じ文字数で書かれていれば問題はない。八百字では書きにくいということと、書き損じの時の手間などが考慮され、半分の四百字としたのがそもそも四百字詰原稿用紙の始まりである。」(p.150-151)
『サライ』1995年第7巻第16号 通巻第143号(1995年8月17日)
p.39-50 特集:使いやすい原稿用紙を探す
p.40-41 「200年前の原稿用紙がおもしろい」(松雄靖秋著)
「中国や朝鮮文化の影響も無視することはできないでしょうが、結局そのルーツはわからないんです。(後略)」
紀田順一郎『日本語発掘図鑑:ことばの年輪と変容』(ジャストシステム 1995年)
p.47-64 第三章 原稿用紙への愛着:営々とマス目を埋めた二〇〇年
p.58 「なぜ四〇〇字詰となったか」
年代を特定できる現存最古の原稿用紙が現在と同じ片面20字×10行だったことや、明治初期から官公庁で用いられた原稿用紙が20字×20行の400字詰めだったことなどが記載。こちらも活版印刷の文選箱に言及。
p.278 主要参考文献
大西哲彦、亀尾敦『字の匠:Historical Tour of Typography -Adobe inDesign 付属ブックレット-』(アドビシステムズ、2001年)
p.24「四〇〇字詰めのルーツ」
「原稿用紙が四〇〇字詰めなのは、この鉄眼一切経の文字組に倣ったものだというのです。」
※文選箱に入る本数については、『印刷事典 第5版』(日本印刷学会編、印刷朝陽会 2002年)の「文選箱」の項でも確認。
「文選箱:文選した活字を入れる木製の小箱。大きさはところにより多少異なるが、一般に内のり縦150mm(426ポ)、横75mm(213ポ)、深さ18mmであり、この大きさの文選箱に入る活字の数量は、表のとおりである。」
表には8ポイント、9ポイント、10ポイント、5号(10.5ポイント)が掲載、5号は 「縦20本、横40本 総活字数800本」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- その他の雑工業 (589 9版)
- 著作.編集 (021 9版)
- 参考資料
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松本八郎 著. エディトリアルデザイン事始 : 編集制作のための造本科学. 朗文堂, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002008340-00 , ISBN 4947613211 (S258-Ma81) - 特集 使いやすい原稿用紙を探す. 1995. サライ 16(143) p. 397~ (登録番号:60003566)
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紀田順一郎 著. 日本語発掘図鑑 : ことばの年輪と変容. ジャストシステム, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002521818-00 , ISBN 488309412X (S011-Ki12)
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松本八郎 著. エディトリアルデザイン事始 : 編集制作のための造本科学. 朗文堂, 1989.
- キーワード
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- 原稿用紙
- 筆記用紙
- 原稿用紙‐由来
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 松尾靖秋『原稿用紙の知識と使い方』(南雲堂、1981年)は未所蔵のため、未確認。
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000137420