レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年8月23日
- 登録日時
- 2018/01/14 16:19
- 更新日時
- 2018/12/08 16:45
- 管理番号
- 相大-H29-077
- 質問
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解決
中国の伝説上の「神農(しんのう)」について知りたい。イラストを描くことになったので、写真や図版があるとよい。
- 回答
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以下の資料を提供した。
①『日本大百科全書 12 しようす~すく』
②『中国神話・伝説大事典』
③『中国の神話伝説 上』
- 回答プロセス
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1 自館OPACで“神農”で検索、該当しそうな資料なし。
2 事典類を調べる。
①『日本大百科全書 12 しようす~すく』 小学館 1989 【s06461149 R031】
p656 「神農」項に「中国古代の伝説上の帝王。(略)漢代になると、神秘的な予言の書である『緯書』などにしばしば神農のことが記されるようになる。それによれば、神農は体は人間だが、頭は牛、あるいは竜という奇怪な姿をしており、民に農業や養蚕を教えたり、市場を設けて商業を教えるほか、さまざまな草を試食して医薬の方法を教え」とあり。神農の木像の写真あり。草を口にしている。頭に2つの突起がある。
②『中国神話・伝説大事典』 袁珂/著 鈴木博/訳 大修館書店 1999 【s24827669 R164.2】
p373 「神農」項に「炎帝のこと。(略)「炎帝のときに、丹雀が九穂の穀物を銜(くわ)えてきて、地上に落としていったので炎帝が拾って田に植えたが、その穀物を食べた者は老いても死ななかった」とある。これが炎帝神農が「神農」と号した由来である。俗に、神農は「人の体に牛の首」(略)農耕や水利と関係があることが分かる。」とあり。草を口にしている神農の図版あり。牛頭ではない。
3 『フリー百科事典ウィキペディア』の「神農」のページを確認する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%BE%B2 (2018.1.18最終確認 )
参考文献として紹介されていた資料を神奈川県立図書館OPACで検索する。
③『中国の神話伝説 上』 袁珂/著 鈴木博/訳 青土社 1993 神奈川県立図書館所蔵
p175 「炎帝はもともときわめて慈愛あふれる大神であって、(略)人類に、どのように五穀の種をまき、自分の労力で生活のかてを手に入れるか教えた。(略)それ以来、人類は衣食の心配をする必要がなくなったので、みな炎帝の功徳を記念して「神農」という尊称でよぶようになった。炎帝は牛頭人身といわれているので、おそらく、数千年にわたって農耕に大きな役割を果たしてきた牛と同じように、特に農業面で貢献したのであろう。」とあり。
p176 「炎帝は農業の神であるだけでなく、医薬の神でもある。(略)炎帝が「赭鞭(しゃべん)」という神鞭でさまざまな薬草をひとたたきすると、有毒か無毒か、寒か熱かなど、薬草のさまざまな性質が明確になるので、その性質にもとづいて人びとの病気を治したという。また、みずから薬草をなめて性質を見極めていたが、そのために一日に七十回毒にあたったともいい、さらに、猛毒のある断腸草をなめたため、腸が切れ、人類のために生命を犠牲にしたという民間伝承もある。」とあり。p177、彫刻と思われる神農の写真あり。牛頭ではない。
p179、漢代の石刻画の図版あり。牛頭ではなく、農具を持っている。
注:【 】は自館の資料コードと請求番号
- 事前調査事項
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ウィキペディアはすでに見た。炎帝神農ともいい、牛頭人身であるらしい。
- NDC
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- 日本語 (031 9版)
- 神話.神話学 (164 9版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 参考資料
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- 『日本大百科全書 12 しようす~すく』 小学館 1986
- 『中国神話・伝説大事典』 袁珂/著 鈴木博/訳 大修館書店 1999
- 『中国の神話伝説 上』 袁珂/著 鈴木博/訳 青土社 1993
- キーワード
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- 神農
- 炎帝
- 中国の神話
- 中国の伝説
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 伝説
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000228286