レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年09月22日
- 登録日時
- 2014/10/22 09:04
- 更新日時
- 2014/10/22 09:04
- 管理番号
- いわき総合-一般117
- 質問
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解決
官公庁が出版した図書についても、図書館内での複写は著作権法第31条第1項に基づき一部分(半分以下)までしか複写できないのはなぜか?
- 回答
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著作権法上、権利の対象とならない著作物は、同法13条に規定している「憲法その他の法令、告示・訓令・通達等、判決等、(その著作物の翻訳物・編集物含む)」であり、白書や地図等については有料で提供されることもあり、現行法では、著作権の対象となっている。
ゆえに、官公庁の出版した図書についても、同法31条第1項の適用を受け、一部分までしか複写できない。
- 回答プロセス
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1.『日本十進分類法 相関索引編』【資料①】で、「著作権」「図書館」を引き、該当する館内の021.3及び010~015の棚からさがす。
2. 『著作権法』【資料②】に、「国や地方公共団体等の意思を伝達するものではない内部文書、白書、報告書、国土地理院の発行する地図等については、著作権の対象となる。」と記載有
また、「複製物の一部分とは当該著作物の半分以下と考えられており、複製物の一部分を一人一部と限定することで権利者と利用者との利益のバランスを図っている。」と記載有
3.『図書館ハンドブック』【資料③】に、「政府刊行物とは、国や地方公共団体および外郭団体が発行した出版物を政府刊行物とよぶ。」
「複写サービスの法的根拠
著作権法第31条で定められた条件は,①複写の主体は図書館である,②複写の対象は図書館資料に限る(利用者個人が持参した資料はできない),③利用者の調査研究のために行う,営利を目的としない,④複写は原則として全体のうち一部である,⑤部数は,一人につき一部である,個人的利用に限る。
④の運用として複写できる範囲は一つの著作物の2分の1以下としている。」と記載有
4.『Q&Aで学ぶ図書館の著作権基礎知識』【資料④】に、「・・・複製物を私的に使用する目的であれば、図書館における複製のように「一部分」等と言わずに、極端に言えばまるまる全部の複製も可能になっています(権利者のことを考えればあまりお勧めできるお話ではありませんが)。」と記載有
5.『文化審議会著作権分科会報告書』【資料⑤】に、「図書館等における,官公庁作成広報資料及び報告書等の全部分の複写による提供について」の検討結果、「必要に応じ検討することが適当である。」と締めくくっている。(『図書館の著作権基礎知識』【資料④】にも同様の記載あり。)
- 事前調査事項
- NDC
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- 著作.編集 (021 9版)
- 図書館.図書館情報学 (010)
- 図書館サービス.図書館活動 (015)
- 参考資料
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- 【資料①】『日本十進分類法 本表編』 [総合R-014-ニ- 1110680053]・『日本十進分類法 一般補助表・相関索引編』[総合R-014-ニ- 1110680632]
- 【資料②】『著作権法』p159 253[総合021.2-ナ- 1112361611]
- 【資料③】『図書館ハンドブック 第6版』p76 240 [総合010.3-ト- 1111649750]
- 【資料④】『Q&Aで学ぶ図書館の著作権基礎知識』 p16 98 黒澤節男 [総合015-ク-1113978330]
- 【資料⑤】『文化審議会著作権分科会報告書』平成18年1月作成 文化庁HPよりhttp://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/houkoku.html 2014-9-22最終アクセス
- キーワード
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- 官公庁
- 政府刊行物
- 複写
- 著作物
- 著作権
- 著作権法第31条 著作権法三十一条
- 図書館内
- 一部分
- 権利の対象とならない著作物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 利用案内
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000161309