調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2014年11月27日
- 登録日時
- 2014/12/03 18:15
- 更新日時
- 2014/12/04 09:22
- 管理番号
- 埼久-037
- 調査テーマ
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完成
写真について調べる(埼玉県立久喜図書館 Milestone No.37)
- 調べ方
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■ 今回のテーマ ■
写真について紹介します。目に映る人・物・風景を記録する写真。あるときは芸術家が作品として残し、あるときは科学者や研究者が調査や捜査のためにデータとして写真を撮ります。多くの人は思い出のひとつとして写真を撮影することが多いのではないでしょうか。このように写真は幅広い用途で利用されている媒体ともいえます。色彩は初めはモノクロだったのがカラーが広まるようになり、様々な撮影技術や現像方法が生み出されました。そして現在はデジタル化によって、画像データがほぼリアルタイムに確認でき、メールやウェブサイトでもすぐ公開できる時代になりました。より身近になった"写真"をテーマに各種情報や情報の探し方を御紹介します。
■ キーワード ■
特定のテーマについての情報を探す際は、あらかじめ調べたいテーマに関連するキーワードをもとに調査を開始すると、手際よく情報を集めることができます。
写真、写真機、写真製版、写真測量、カメラ、デジタルカメラ、画像、現像、撮影、レンズ、写真家、芸術写真、肖像写真、航空写真、古写真、写真館、写真フィルム
■ 関連資料・情報の集め方 ■
事典・辞書・ハンドブックなど、調べものに使う本を参考図書といい、当館では請求記号の頭にRを付け、一般書とは別の書架に置いてあります。参考図書は、館内で御利用ください。
1 テーマに関連する基本的な知識を得る
(1)写真の概要を知るために、まず百科事典を見てみましょう。
ア『日本大百科全書』(小学館 1984-1997)
イ『ブリタニカ国際大百科事典』 (フランク・B.ギブニー ブリタニカ 1984)
ウ『平凡社大百科事典』(平凡社 1984-1985)
まず、各事典で〈写真〉を引いてみます。ア、イ、ウ全てに載っており、「光または放射線、粒子線などの光エネルギーを使って可視像をつくる方法技術」といった説明があります。各事典では、歴史や芸術や技術面からみた写真の説明が載っています。例えば、写真の画質の説明として「粒状性」や「解像力」の項目があります。
また「写真フィルム」や「写真乳剤」など事典によって新たなキーワードも見つかります。複数の事典を見比べてみると面白いでしょう。また、上記の百科事典は出版年が古いため、新しい情報を得るには、インターネット上の百科事典《Wikipedia》(http://ja.wikipedia.org/wiki/ Wikipedia財団)なども参考になります。
(2)次は百科事典以外の本を使って、もう少し詳しく調べてみましょう。
写真撮影について調べる
ア『写真撮影大事典』(柿島達郎 エムディエヌコーポレーション 2014)
イ『写真の百科事典』(日本写真学会 朝倉書店 2014)
アは写真を撮影するにあたって必要不可欠な露出、構図、色、光、ピント、レンズの6つの要素別にテクニックを解説した事典です。
イは写真(デジタル・フィルム両システム)の本質を知る執筆者が「良い写真を撮る」という観点から解説した事典です。
写真家・写真集を探す
ア『画集写真集全情報 2002-2006』(日外アソシエーツ 2007)
イ『日本の写真家』(日外アソシエーツ 2005)
ウ『写真レファレンス事典 人物・肖像篇』(日外アソシエーツ 2006)
エ『現代写真人名事典』(日外アソシエーツ 2005)
アは2002-06年に国内で刊行された画集・写真集などの情報が収録されています。本文は画家・写真家名、3,728件の被写体・テーマ別に排列され「書名索引」が付いています。
イは江戸時代に日本に写真が伝来されてから、写真史に名を残した写真家、写真評論家、写真編集者、写真産業関係者ら839人を集大成した人名事典です。プロフィールと写真集、著作、図録、伝記などの文献目録が掲載されています。
ウは写真集の被写体の人名から検索できます。写真全集、複数の人物を撮影した人物写真集など176冊に掲載された、7,071人の写真18,902点の掲載頁、撮影年、カラー・モノクロの別などがわかります。
エは現代日本写真界を代表する写真家、写真評論家、写真産業関係者を収録した人名事典です。経歴、代表作から連絡先まで、本人回答による情報を収載しています。
デジタルカメラ
ア『デジタル写真大事典』(トム・アング著 MPC 2005)
イ『体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ』(神崎洋治、西井美鷹著 日経BPソフトプレス 2009)
アはデジタル写真と従来の写真技術の両方について記載されています。プロ向けの写真作成技術についても画像処理テクニックの基礎知識も詳細な説明があります。
イはデジタル一眼レフカメラを中心に、構造やしくみ、技術に焦点をあてて構成されています。撮像素子やレンズ、画像エンジン、記録メディア、手ぶれ補正、ライブビュー、顔検出、デジタル画像の基礎知識などまで解説しています。
日本のカメラの歴史
『カメラの歴史 幕末・明治・大正・昭和』(全日本写真連盟 日本図書センター 2014)
日本に初めて写真が輸入された幕末から明治、大正、そして国産カメラが成熟期に達した昭和にいたるまでの輸入・国産カメラ約1,000機種を、それぞれの写真、製作年、メーカー、レンズやシャッターなどのスペック、さらに解説を加え紹介しています。
2 テーマに関連する図書を探す
埼玉県立図書館にない本も含めて、刊行された本を探す
1"写真"に関連した本を探す際の分類コード
図書館では、共通した分類コードを元に各書棚に本を並べています。下記分類を参考に探してみてはいかがでしょうか。
【740-749】写真、写真器械・材料、撮影技術、現像・印画、写真の応用、写真集など
【535.85】カメラ、写真機工業など
2インターネットで探す
《埼玉県内横断検索》(http://cross.lib.pref.saitama.jp/ 埼玉県立図書館)
埼玉県内の市町村立図書館等の蔵書を一度に検索することができます。
《国会図サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図)
国立国会図書館が所蔵する全ての資料をはじめ、全国の公共図書館、公文書館、美術館や学術研究機関等が所蔵する資料を検索できます。
《Webcat Plus》(http://webcatplus.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
江戸期前から現代までに出版された書物を対象に、全国の大学図書館や国立国会図書館の所蔵目録や新刊書の書影など、様々な情報源を統合した形で検索できます。
3 テーマに関連する雑誌にはどのようなものがあるのか知る
県立久喜図書館所蔵の"写真"に関連する雑誌を探す
当館では下表の雑誌を所蔵しています。資料保存のため、刊行後2年を過ぎた雑誌は貸出できませんが、館内での閲覧と著作権法の範囲内でのコピーは可能です。
「アサヒカメラ」(朝日新聞社 1934.1-[継続受入])
「日本カメラ」(日本カメラ社 1957.4増刊- [継続受入])
「日本写真学会誌」(日本写真学会 1966.3- [継続受入])
「ビデオsalon」(玄光社 1981.1-[継続受入])
「デジタルカメラマガジン」(インプレスジャパン 2001.2-[継続受入])
4 テーマについてさらに知る
(1)実践・実用的な知識の修得をめざす
《フォトマスター検定》(http://www.pm-kentei.com/)
フォトマスター検定とは、フォトマスター検定事務局が実施している試験です。写真とカメラに関する全般的な実用知識や撮影技法について、階級(1・準1・2・3級)に応じた難易度による問題が出されます。その上にフォトマスター1級合格者が受験できる、写真の達人としてのフォトマスターEX(エキスパート)コースがあります。
(2)写真賞を知る・コンテストに応募する
撮影した作品をコンテストに応募する場合、どのようなコンテストがあるのでしょうか。また写真家はどのような賞に応募しているのでしょうか。コンテストは3で紹介した雑誌の中にも募集が掲載されていますが、ここでは代表的な賞を御紹介します。
木村伊兵衛写真賞
日本を代表する写真家、木村伊兵衛 (1901-1974) の日本の写真界の発展に対する貢献と業績を記念し、1975年に創設されました。プロ・アマ・年齢を問わず、毎年1月から12月までに雑誌・写真集・写真展などに発表された作品を対象とし、創作・発表活動において優れた成果をあげた新人に贈られます。受賞発表・選考内容等は毎年3月発行の『アサヒカメラ』(上記参照)に掲載されます。
過去の受賞者はこちら(http://dot.asahi.com/asahicameranet/kimuraihei/list/index.html)
《写真新世紀》(http://web.canon.jp/scsa/newcosmos/index.html キャノン)
キヤノンが写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的として、1991年にスタートしました。作品のサイズや形式、年齢、国籍などを問わない公募形式のコンテストを実施しています。また、受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ウェブサイトでの情報発信なども行っています。
《1_WALL》(http://rcc.recruit.co.jp/gg/index.html)
1_WALL(ワン ウォール)はガーディアン・ガーデン主催による写真とグラフィックデザインのコンテストです。以前は「ひとつぼ展」いう名称で開催されており、2009年より新しい公募展として開始されました。テーマ、手法は自由で年2回開催されています。
5 テーマに関連するWEBサイトを見る
関連機関を知りたい
《日本写真学会》(http://www.spstj.org/)
写真を中心とした画像に関わる最先端の情報を提供する『日本写真学会誌』などの出版物発行や多彩なセミナー、シンポジウムを開催しています。
《日本カメラ博物館》(http://www.jcii-cameramuseum.jp/)
日本カメラ財団が管理・運営している博物館です。付帯施設として、JCIIフォトサロン、JCIIクラブ25、JCIIライブラリー、JCIIアカデミーがあります。カメラ・写真及び映像等の展示や関係文献の一般公開、講演会やフォトクリニックの開催を通して、写真・映像文化の啓蒙・普及をはかっています。リンク集にはカメラメーカーやカメラ・写真・映像関連の団体などが紹介されています。
《東京都写真美術館》(http://www.syabi.com/)
写真と映像の専門美術館です。国内外の著名写真家の個展から、最新の映像作品まで年間20本以上の多彩な展覧会を開催しています。写真に関する雑誌や書籍は図書室で閲覧可能です。
大規模改修工事のため、2014年9月24日(水)-2016年8月末(予定)まで休館しています。
航空写真を探す
《埼玉県立文書館》(http://www.monjo.spec.ed.jp/)
埼玉県や県内市町村が作成した地図や、昭和41年-平成7年に県が撮影した航空写真など約7万3千点を収蔵しています。資料から、過去の景観や土地利用の変化を読み取ることができます。また、戦後報道写真も所蔵しており、「収蔵資料検索システム」や目録から検索できます。
時事・報道写真を見たい
いずれも検索、閲覧は無料です。貸し出しサービスもあります。
《毎日フォトバンク》(http://photobank.mainichi.co.jp/php/KK_search.php)
幕末以来の歴史を記録した写真・図表から最新の画像まで検索・閲覧が可能です。
《よみうり報知写真館》(https://database.yomiuri.co.jp/shashinkan/)
読売新聞・報知新聞社が撮影した写真のデータベースです。トップページから「トピックス」「名言巡礼」「戦時中の読売写真ニュース」が見られます。
写真共有サイトを見る
《PHOTOHITO》(http://photohito.com/)
株式会社カカクコムが運営するウェブサイトです。撮影した写真(画像)を投稿して他のユーザーと共有したり、カメラやレンズ、あらゆる被写体、撮影地などから写真(画像)を探すことができます。カメラ・レンズ機器、設定による写真の写り具合や特徴の違いを共有することができ、選定の参考になります。
- NDC
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- 精密機器.光学機器 (535 9版)
- 写真 (740 9版)
- 撮影技術 (743 9版)
- 参考資料
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- 『写真撮影大事典』(柿島達郎 エムディエヌコーポレーション 2014) , ISBN 4-8443-6453-7
- 『写真の百科事典』(日本写真学会 朝倉書店 2014) , ISBN 4-254-68023-6
- キーワード
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- 写真
- 写真製版
- カメラ
- 撮影
- 備考
- 登録番号
- 2000023286