レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/07/04
- 登録日時
- 2023/12/06 11:22
- 更新日時
- 2024/02/22 12:18
- 管理番号
- 00032-231206
- 質問
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解決
『小学社会 6 上』(教育出版 2018年)のP29に、奈良の大仏に使われた材料として、銅499トン、すず8.5トン、水銀2.5トン、金440㎏と記載されているが、なぜこの割合になったのか知りたい。
- 回答
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『奈良の大仏』には、錫を銅に加えることで、流れがよくなり丈夫な青銅になる。錫の割合はおよそ5~ 10%だったでしょうとの記述がある。
「古代の鋳造について-東アジアの青銅器文化をめぐって-」『河内惣官鋳物師 枚方田中家と鋳物の歴史』には、錫を混ぜることで融点が低くなる、湯流れがいい、鉛を混ぜるともっと簡単に製品が作れる、作られた製品も非常に強靭になることが理解されてきたとの記述がある。
『図説日本の文化をさぐる 3 奈良の大仏をつくる』には、「しろめ」と呼ばれる、鉛・ヒ素・アンチモンなどを含んだ錫が8.5トン大仏鋳造に使われたとの記述がある。
以上の記述から、流れを良くし鋳造を容易にするために錫を混ぜたことがうかがえる。
水銀と金については、『図説日本の文化をさぐる 3 奈良の大仏をつくる』に、使用材料の記録から金 と水銀の割合が1:5くらいで、この配合だと塗るのが簡単な柔らかいペーストとなり塗るのが簡単になるとの記述がある。
- 回答プロセス
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「大仏」や「鋳造」などの単語で所蔵本を検索。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 金属加工.製造冶金 (566 10版)
- 参考資料
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香取忠彦 著 , 穂積和夫 イラスト. 奈良の大仏 : 世界最大の鋳造物. 草思社, 1981. (日本人はどのように建造物をつくってきたか ; 2)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001510241 -
図説日本の文化をさぐる 3. 小峰書店, 1983.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001612345 , ISBN 4-338-04203-6 -
枚方市教育委員会 編集. 河内惣官鋳物師枚方田中家と鋳物の歴史. 枚方市教育委員会, 1984.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I271210000000935587
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香取忠彦 著 , 穂積和夫 イラスト. 奈良の大仏 : 世界最大の鋳造物. 草思社, 1981. (日本人はどのように建造物をつくってきたか ; 2)
- キーワード
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- 大仏
- 青銅
- 鋳物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000343018