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レファレンス協同データベース

レファレンス事例詳細

事例作成日
2021/03/31
登録日時
2022/02/26 00:31
更新日時
2022/02/26 00:31
提供館
大阪府立中之島図書館 (2120002)
管理番号
6001052891
質問

解決

摂津名所図会に描かれている「八百屋町飛禽店」「孔雀茶屋」について、詳しく書かれた資料はあるか。
回答
まず、摂津名所図会の「八百屋町飛禽店」、「孔雀茶屋」の箇所を確認しました。
■『日本名所風俗図会 10 大阪の巻』(角川書店 1980.6)
『摂津名所図会』の翻刻が収録されており、「八百屋町飛禽店」「孔雀茶屋」は次のとおり記載がありました。
p.80『摂津名所図会 巻之二』「孔雀茶店 孔雀は孔子の家禽とし,文恵太子は羽毛を織りて裘(ころも)とし,交趾(こうち)の人は翠毛を取つて扇とす。ここには孔雀の綿毛の美なるを出だし,その外諸鳥を飼ひて,茶店の賑ひとなす事,これを俗にまねきといふ」
p.141『摂津名所図会 巻之四』「八百屋町飛禽店(やほやまちとりみせ) 孔雀・風鳥(ふうちよう)・音呼鳥(いんこちよう)・金鶏あるは林泉に田鶴(たづ)の放し飼ひ,鴛鴦(えんおう),水鶏(くひな)も遠く飛ばざるやう自在に育てて,これを賈(あきな)ふなり。鸚鵡(おうむ)に言(ものい)はせて来客をもてなするもをかしきの業(なりはひ)なるべし」

この記述を元に、「八百屋町飛禽店」、「孔雀茶屋」について記載のある資料を確認しました。

(1)「八百屋町飛禽店」について
■『角川古語大辞典 第4巻 た-は』(中村幸彦/編 角川書店 1994.10)
p.738に「とりみせ【鳥見世】 江戸でいう鳥屋見世(とりやみせ)の、大阪での称」とあり、用例として、『摂津名所図会・四』の「八百屋町飛禽店」が挙げられています。

■『上方風俗大阪の名所図会を読む』(宗政五十緒/編 東京堂出版 2000.9)
まえがきに「江戸時代後期に刊行された、評判の高い『摂津名所図会』に掲載されている絵図(挿絵)の中から適宜採出して、読み解いた本である。」とあります。凡例には「寛政八年(一七九六)・同十年(一七九八)刊の『摂津名所図会』九巻十二冊に収載されている絵図のうち九十図を選んで主図となし、これに解説を加えたもの。」とあります。
「八百屋町の飛禽店」の項(p.32-33)に「八百屋町筋は堺筋の一筋東の南北を通る道です。この筋にあった鳥屋の店先の絵です。」とあり、「絵の左の方に、『南京玉子』とあり、籠に卵が見えますのは家鴨の卵」というように、絵図が読み解かれています。

■『定本江戸商売図絵』(三谷一馬/著 立風書房 1986.5)
p.98に「鳥屋」の項があり、寛政八年の『摂津名所図会』の「八百屋町飛禽店」の絵図が載っています。
「この絵で見ると、生きた鳥だけでなく鳥肉も売ったようです」とあります。

(2)「孔雀茶屋」について
■『角川古語大辞典 第2巻 き-さ』(中村幸彦/編 角川書店 1984.3)
「孔雀茶屋」の項(p.179)に次の記述があります。
「寛政(一七八九-一八〇一)のころ、江戸の浅草・両国、大阪の下寺町、京都の祇園、名古屋の末広町などで開かれた見世物の一。孔雀(くじやく)をはじめ珍鳥・奇獣を集めて、客に茶を飲ませて見物させたもの。これらの土地で流行した茶屋がなくなった後も、同種のものを、この称で呼んだという。」

■『難波大阪 郷土と史蹟』(牧村史陽/編 講談社 1975)
「孔雀茶屋 南区高津町五番丁」の項(p.141)に次の記述があります。
「御蔵跡の東方下寺町の東北角に茶店があり、孔雀その他の珍鳥を飼って大師参りや天王寺参りの客の呼びものとなっていた。(中略)孔雀茶屋はのち植木屋渡世に変わって、明治末年ごろまでつづけていた。」

■『上方風俗大阪の名所図会を読む』(宗政五十緒/編 東京堂出版 2000.9)
既述の資料です。
p.138-139「孔雀茶店(くじゃくちゃや)」
「孔雀茶店」について「アイデア商法のひとつ」とあり、『摂津名所図会』の説明文にもあるように「この店では『客寄せ』(『まねき』)のために、その庭中に孔雀をはじめとする珍しい鳥を飼っていました。」とあります。
また「この茶屋は下寺町筋御蔵跡町、万福寺の西向かいにありました。」とあります。

■『江戸娯楽誌』(興津要/著 作品社 1983.12)
p.163-165に「花鳥茶屋」の項目があり、以下の記載があります(p.165)。
「花鳥茶屋というのは、寛政年間(一七八九-一八〇〇)に、江戸、大阪、名古屋の各地で開場された動物園の先駆とも称すべき存在だった。江戸で有名だったのは、下谷広徳寺門前(中略)にあったそれで、はじめ孔雀茶屋と称したが、のちに花鳥茶屋と改称した。」(p.163)とあります。
また、花鳥茶屋を「珍物茶屋」と記している「感和亭鬼武の滑稽本『旧観帖』二編(文化三年・一八〇六)」の呼び込みの声や、「『魂胆夢輔譚』初編(弘化元年・一八四四)下」の記述について書かれたあと、
「まことににぎやかな模様がえがかれているが、庭には草花が植えられており、正面には金網を張って、孔雀や鹿や、各種の名鳥が飼われていて、客は床几に腰をかけ、茶を飲みながら鑑賞する形式だったので、各種の動物を見せる見世物小屋よりもくつろげるために繁昌したのだった。」とあります。

■『見世物研究』(朝倉無声/著 思文閣出版 1988)
春陽堂 昭和3年刊の復刻です。
p.186-187に「孔雀茶屋」に関する記載があります。
「寛政年代から江戸の浅草と両国とに、孔雀茶屋を初め鹿茶屋や珍物茶屋、又大阪の下寺町と名古屋の末広町とに、孔雀茶屋を開場した。是等の茶屋は、動物園の先駆をなすもの」とあります。
『枯木花大悲利益』や『旧観帖』の呼声の記載もあり、
「呼声に釣られて庭へ通ると、正面に金網を張つて、其中に孔雀や鹿を初め、種々の名鳥を飼つてゐるので、看客は其前に備付けた床几に腰をかけ、茶を飲みながら緩々と見物したのである。」(p.186)とあります。

■『江戸動物図鑑:出会う・暮らす・愛でる』(港区立港郷土資料館/編集 港区立港郷土資料館 2002.10)
p.15に慶應義塾図書館蔵(寛政10年)の『摂津名所図会』の「孔雀茶屋」の図が載っており、「一八世紀末頃から、孔雀などの珍しい外国産の鳥を、庭の小屋に飼い、客を呼び集める茶屋があらわれた。」とあります。

■『増山雪斎:大名の美意識』(増山雪斎/[画] 桑名市博物館 2007.10)
p.11に孔雀に関する記述があります。
珍鳥として「江戸など大都市の市中で見世物に供されることも少なくなかった」とあり、「江戸後期の文人太田南畝は、享和元年(一八〇一)大坂に赴いた際、四天王寺参詣の帰途に、『孔雀茶屋』なるものに立ち寄っている。そこには、錦鶏・白鷴・灰鶴(真鶴)・高麗雉のほか孔雀五羽と羊が飼われていた。孔雀茶屋は客寄せに孔雀を初めとした珍鳥を置く茶屋で、客が鳥をめでながらお茶を楽しむという趣向であった。(中略)孔雀茶屋は寛政年間に登場し、江戸でも孔雀茶屋あるいは花鳥茶屋という名で上野や浅草に構える店があったことが知られる。」とあります。

■『娯楽の江戸』(三田村鳶魚/著 惠風舘 1925)
p.113-121「花鳥茶屋」について記載があり、「明治二十六年頃に書いたらしい浪華百事族は稍々詳しく説明して居る」として次の記述があります。
「摂津名所図会の中に、孔雀茶屋の図を下寺町の條に挿画して、其地位を記さず、これは寛政中は児童も知るを以てならん歟、其茶店の跡は今も有りて、下寺町筋御蔵跡町の通りの西北角、即ち萬福寺といふ寺院の西むかひなり、孔雀茶屋の名は所謂方今三番村中にある鶴の茶屋の如きものにて、茶店の庭中に孔雀及び名鳥を養ひ、休憩する人の目を慰めん為めとなすものにて、想ふに今博物場中に禽鳥畜獣を蒐めて、衆に縦覧せしむる分野とひとしき物ならん、(中略)此茶店に鳥を縦覧させしは、余幼年天保の頃には既に止めたり、されど孔雀茶屋の名は人称へたり。」(p.114)

この資料には上記『増山雪斎:大名の美意識』で参考文献として挙げられていた、太田南畝(蜀山人)の『葦の若葉』についての記述もあります。
「蜀山人の葦の若葉に、天王寺へ往く道すがら瓦屋町の右側に植木屋が多くある、其の中に見出した孔雀茶屋、『孔雀茶屋といへる暖簾かけたる大きなる茶屋あり、立入て見るに錦鷄白鷴、灰鶴、孔雀(二雄三雌)などあり、大きにひろき籠にいれたり、高麗雉、かゝる籠の内に黄楊の木など植へて隠れ所とす、籠の前なる欄の中に羊を飼ひ置けり、奥の方に池あり、杜若、萍蓬所えがほなり、葭簀張の茶屋たちつゞけて人々憩ふ江戸の花鳥茶屋に似たり』とあつて、動植物園が公衆のために開かれて居たのが知れる。是は今日から百九十三年前の享保元年に書いた大阪見聞記なのだ」とあります(p.113)。

■『蜀山人全集 巻1 新百家説林』([大田南畝/著] 吉川弘文館 1907)
p.70に上記『増山雪斎:大名の美意識』、『娯楽の江戸』に記載のある、太田南畝(蜀山人)が「孔雀茶屋」に立ち寄った際の記載(『葦の若葉』)があります。
本資料は国立国会デジタルコレクションで閲覧可能(38コマ目)(2022/2/24確認)。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/993336/38 

●中尾和昇「『摂津名所図会』の利用法-太田南畝の名所見物-」『国文学』<100>(2016.3)p.237-255
「関西大学学術リポジトリ」で確認しました(2022/2/24確認)。
http://hdl.handle.net/10112/10181

太田南畝が孔雀茶屋を訪れた際の記述について述べられており、「孔雀茶屋の場合、挿絵は描かれていても、本文に内容の説明がないので、南畝の記述は、孔雀茶屋の実際を伝えるものとして貴重である。」とあります(p.249)。

■『上方文化を探索する』(井上宏/編著 関西大学出版部 2008.10)
中川哲男「大都市どまんなかの動物園-天王寺動物園の歩みと展望-」p.75-86
「一八世紀の末には花鳥茶屋、孔雀茶屋、鹿茶屋など見世物園が盛んで、その数は全国で二八、〇〇〇とも二九、〇〇〇あったとも言われている。」(p.76)とあります。

■丹羽桃渓/画「大坂下寺町孔雀茶屋図」『保古帖 9巻』
当館で所蔵している一枚物です。孔雀茶屋の風景が描かれた絵図(彩色なし)です。

[事例作成日:2022年2月24日]
回答プロセス
事前調査事項
NDC
  • 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 10版)
参考資料
  • 日本名所風俗図会 10 角川書店 1980.6   (80、140)
  • 角川古語大辞典 第4巻 中村/幸彦∥編 角川書店 1994.10   (738)
  • 上方風俗大阪の名所図会を読む 宗政/五十緒∥編 東京堂出版 2000.9   (32-33、138-139)
  • 定本江戸商売図絵 三谷/一馬∥著 立風書房 1986.5   (98)
  • 角川古語大辞典 第2巻 中村/幸彦∥編 角川書店 1984.3   (179)
  • 難波大阪 郷土と史蹟 牧村/史陽∥編 講談社 1975   (141)
  • 江戸娯楽誌 興津/要∥著 作品社 1983.12   (163-165)
  • 見世物研究 朝倉/無声∥著 思文閣出版 1988   (186-187)
  • 江戸動物図鑑 港区立港郷土資料館∥編集 港区立港郷土資料館 2002.10   (15)
  • 増山雪斎 増山/雪斎∥[画] 桑名市博物館 2007.10   (11)
  • 娯楽の江戸 三田村/鳶魚∥著 惠風舘 1925   (114)
  • 蜀山人全集 巻1 [大田/南畝∥著] 吉川弘文館 1907
  • 上方文化を探索する 井上/宏∥編著 関西大学出版部 2008.10   (76)
  • https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/993336/38   (『蜀山人全集 巻1 新百家説林』(国立国会デジタルコレクション))
  • http://hdl.handle.net/10112/10181   (「『摂津名所図会』の利用法-太田南畝の名所見物-」『国文学』<100>(関西大学学術リポジトリ))
キーワード
照会先
寄与者
備考
調査種別
文献紹介
内容種別
大阪,図・絵
質問者区分
個人
登録番号
1000312628
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000312628 コピーしました。
アクセス数 3479
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