下記の資料に、以下の動物の名前を冠した、もしくは動きを模した拳法が示されていた。
形意拳の十二形拳「龍形拳・虎形拳・猴形拳・馬形拳・?(鳥偏に台)形拳・鶏形拳・鷂形拳・燕形拳・蛇形拳・?形拳・鷹形拳・熊形拳」
心意六合拳の十大形「龍、虎、鶏、馬、熊、猴、鷂、燕、鷹、蛇」
載氏心意拳「蟷螂・鶴・猫・亀・鴿・喜鵲・登梅・蜻蜒・点水」
心意六合八法拳「龍、虎、鶴、豹、猴、熊、蛇、雁、鷹、鸞(中国の想像上の鳥)、雕(鷲)、麒麟」
その他に「猿猴拳」「蟷螂拳」「鷹爪拳」「五獣拳」「白鶴拳」「猴拳」「蛤蟆拳」「鴨形拳」
①『中国武術の本』p143 に下記の記述あり。
「象形拳 象形拳とは動物の動作や人の形態を模倣した動作で構成されている拳法をいい、北派にも南派にも存在する。ただし、「その形を採る」ものと「その意(先頭の特質)を採る」ものとに分かれる。
前者には酔拳、武松脱〓(かねへんに考)拳のように人間の形態を模倣するものと、猿猴拳、蛇拳、鴨形拳などがあり、近年では、武術から離れてパフォーマンスとして発展している傾向がある。後者には蟷螂拳、鷹爪拳、通背拳などがあり、さらに形意拳の十二形拳、心意六合拳の十大形が加わる。また、南派では洪家拳の五獣拳、白鶴拳がある。」
その他、表に「雲南壮族・・・猴拳」「布朗族・・・蛤蟆拳」「拉?族・・・虎拳 鴨拳」の記述あり。
P100-103「形意拳」の中で「さらに十二形拳には龍形拳・虎形拳・猴形拳・馬形拳・?(鳥編に台)形拳・鶏形拳・鷂形拳・燕形拳・蛇形拳・?形拳・鷹形拳・熊形拳の12種がある。」の記述あり。
P114-117「心意六合拳」の中で「禽獣をかたどった套路「十大形」 (略)十大形は龍(捜骨=骨をつかみ取る)、虎(撲食=獲物を打ち倒す)、鶏(闘雄=闘争心)、馬(奔走=飼い葉桶を飛び越える)、熊(膀=なで肩)、猴(縦身=身を躍らせる)、鷂(鑚林=林に突入する)、燕(抄水=水面をかすめる)、鷹(捉=つかむ)、蛇(撥草=草を払う)など、さまざまな動物の優れた攻撃性をとって攻防の型としたものだ。形意拳の十二形が、同じ動物の名を冠しながらさほど動物の動作を連想させないのに対し、心意六合拳の十大形はいかにも禽獣らしいしぐさをとる。(略)」の記述あり。
P106-107「載氏心意拳」の中で「心意六合拳と同じく、獣の動作を模した十大形を伝え、さらに蟷螂・鶴・猫・亀・鴿・喜鵲・登梅・蜻蜒・点水という7種の動物の動作を模した七小形(略)」の記述あり。
P134に「蟷螂拳」の詳細な紹介あり。
②『中国武術大全』p84-89 「形意拳」の中で「十二形拳」について記述あり。
P90-93「心意六合拳」の中で「十大形」について記述あり。
P108-111「心意六合八法拳」の中で「六合八法拳の概要 六合八法拳には基本套路の築基拳(上路と下路の計2本)と龍、虎、鶴、豹、猴、熊、蛇、雁、鷹、鸞(中国の想像上の鳥)、雕(鷲)、麒麟という12種の動物を象った、12本の短い動作で構成されている(略)」
P73に「蛇拳や猴拳、鷹爪拳など、中国武術には動物の拳が数多く伝わっているが、動物の姿を模した拳は、総じて象形拳と呼ばれている。(略)ここに上げた蛇拳、鷹爪拳、蟷螂拳は、いずれも実在する武術ばかりである。中国武術には、他にも虎や豹、熊、鷲、龍、獅子など、いかにも強そうなものから、燕、鶴、鴨、ニワトリ、犬、牛、果てはカニやエビなど、実に様々な動物の拳が実在している。」の記述あり。
P70-73に「南派蟷螂拳」の詳細な紹介あり。
P132-135に「鶴拳」の詳細な紹介あり。
③小佐野 淳『図解中国武術』にp58-59「形意拳」、p72-73「蟷螂拳」、p78-79「鷹爪拳」、p84-85「白鶴拳」、p88-89「金鷹拳」の解説があり。
④河野 義勝『王樹金老師形意拳真伝』p168-236に「十二形拳は、龍、虎、猿(猴)、馬、揚子江ワニ(?)、鶏、はしたか(鷂)、燕、蛇、?(鳥編に台)、鷹、熊など十二の意を形にした」の記述と、十二形拳について詳細な解説あり。