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レファレンス協同データベース

レファレンス事例詳細

事例作成日
2017年02月21日
登録日時
2019/03/22 16:11
更新日時
2019/03/22 17:11
提供館
横浜市中央図書館 (2210008)
管理番号
横浜市中央2552
質問

解決

明治後期にユリ根の輸出の多くが横浜港で行われていたことがわかる資料を確認したい。
回答
明治期のユリ根貿易についてわかる資料に、以下のようなものがあります。
1 ユリ根の輸出量について
 (1)『大日本外国貿易年表』大蔵省/編纂 東洋書林(復刻)
     各年の輸出入品価格表が掲載されており、その中にユリ根があります。横浜・神戸・
    大阪・長崎・函館・共他諸港それぞれの輸出量とその合計を確認することができます。
     今回の調査に際し、明治18(1885)年~大正元(1912)年を確認しました。
    明治19(1886)年に横浜港が占める輸出率は約63%で、明治20(1887)年に約91%
  占めるようになり、大正元(1912)年までその傾向のまま推移していることが確認できます。
     この資料は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
  明治15(1882)年~昭和3(1928)年まで閲覧可能です。
    「大日本外国貿易年表. 明治15年」大蔵省 明16-45
     http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/804293  
 (2)『横浜市史 資料編二(増訂版)統計編』横浜市/編 横浜市 1980
     明治18(1885)年~昭和20(1945)年の輸出品・輸出価格が、全国と横浜港と別の表に
  示されています。それぞれ(1)と同様の数値を示しており、横浜港からの輸出量が多かった
    ことがわかります。
 (3)「国立公文書館アジア歴史資料センター さまざまなトピックス 
    インターネット特別展・特集知っていましたか?近代日本のこんな歴史」    
    https://www.jacar.go.jp/modernjapan/index.html
    「ユリ根の輸出 ~欧米で愛好された日本の草花~」
    https://www.jacar.go.jp/modernjapan/p02.html
    ユリ根について特集が組まれています。
     そこで紹介されている資料、
    「園芸農産物の関税に関する調査」明治42(1909)年農務省作成
    「第二十五表 内国産百合根輸出港別表」を確認すると、明治39(1906)年、
    明治40(1907)年のユリ根輸出量の具体的な数値が確認でき、横浜港の輸出量
    の多さが確認できます。
     輸出量は以下の通りです。
    ・明治39(1906)年 横浜港 12,062,194個 全国計 12,129,880個
    ・明治40(1907)年 横浜港 12,796,066個 全国計 12,869,605個
     また、当サイトでは、ユリ根の輸出の歴史を簡潔にまとめています。明治政府が初めて
    公式に参加した万博の様子を、博覧会事務局副総裁として活躍した佐野常民がまとめた
    書物『墺国博覧会筆記』を引用しつつ、明治6(1873)年にオーストリアのウィーンで
    開かれた万国博覧会に日本のユリが出品されて以後、欧米で日本のユリ人気が起こったと
    推測しています。

2 ユリ根貿易の歴史について
   上記1-(3)以外にもユリ根貿易に関する記述のある資料が確認できました。
  以下の資料に、ユリ根が海外に持ち出された歴史・貿易商品として取り扱われるようになった経緯・
  関わった人物・横浜におけるユリ根貿易の発展が掲載されています。
 (1)『日本ユリ根貿易の歴史』 鈴木一郎/著 鈴木一郎 1971
     税関に勤務していた著者が、ユリ根貿易についてまとめた冊子です。
     ユリ根の貿易を、「海外紹介時代」「貿易発祥時代」「邦人貿易業者進出」「貿易躍進時代」
    「貿易統制時代」に区分し、まとめています。
     「海外紹介時代」では、日本のユリが1712年にはじめて海外で紹介され、1833年にシーボルト
     がオランダに持ち帰ったユリが開花したとの記述があります。
     「貿易発祥時代」では、6人の居留地外国人を取り上げ、ユリ根貿易が横浜で発展していった
     経緯を紹介しています。
      また、ユリ根が「貿易商品としてはじめて輸出されたのは横浜港である。」との記載も
     あります。
     巻末に統計表が一部掲載されています。
 (2)『横浜植木株式会社百年史』横浜植木株式会社 1993
     明治23(1890)年創業の横浜植木商会の社史です。ユリ根の輸出で同社が発展した経緯を
    記しています。
     日本産植物種子の商品価値を認め、貿易商品として最初に輸出を手掛けた人物として、
    C・クラマーを、事業を引き継ぎ軌道に乗せた人物として、ジョン・ジョシュア・ジャーメンを
    紹介しています。
     ジャーメンは居留地外国人の中でユリの人気に気が付き、英国との貿易で成功を収めた、と
    まとめています。
     また、これを「日本のユリ根貿易の始まりである」とも述べています。
     横浜植木株式会社ホームページ
     http://www.yokohamaueki.co.jp/
 (3)『横浜に於ける花卉の生産並販売状況』横浜市勧業課/編 横浜市勧業課 
    1933.3
     花卉栽培の沿革を述べる中でユリの生産についても触れています。
     明治15(1882)年、獨人ボーマンが、山手二十八番に移住し、ユリその他各種日本産
    園芸植物の輸出に従事したことや、明治20年代に日本人も栽培を始め、横浜植木商会の
    設立があったことを記しています。
 (4)『絵図と写真でたどる明治の園芸と緑化 秘蔵資料で明かされる、現代園芸・緑化のルーツ』
    近藤三雄/著 誠文堂新光社 2017.4
     第2章でユリ根貿易を取り上げています。明治4(1871)年に「輸出入物品高表」
   (大蔵省国立公文書館蔵)で初めてユリ根が公式の記録に上がったこと、明治5(1872)年に
   「各開港場輸出入物品高表」には横浜港以外からの輸出がなかったことを紹介しています。
     また、「幕末~明治前期の日本の貿易は、居留地の外国商館を経由して輸出入することが基本」
    と述べており、居留外国人が貿易を始めたことを示しています。
 (5)『海外に於ける本邦輸出植物の商況』神奈川県内務部/編 神奈川県内務部 1913.6
     第二編で、農商務省による調査報告からユリ根に関する物をまとめて取り上げています。
    輸出の沿革、国内の生産地、生産額・輸出額、相場、出荷時期・方法、輸出先の米国・英国の
    概況、好まれるユリなどが記してあります。
 (6)「横浜開港資料館紀要 第31号 平成25年3月」 横浜開港資料館
    「研究ノート」として「ユリ根貿易史についての諸問題」(平野正裕/〔著〕)が掲載されて
  おり、ユリ根貿易の幕末以来の諸問題を論じています。(p.31-36)
    ユリ根貿易の変遷や統計を簡潔にまとめています。
インターネット情報の最終確認日は平成31年1月31日です。
回答プロセス
事前調査事項
NDC
  • 貿易 (678 8版)
参考資料
キーワード
照会先
寄与者
備考
調査種別
文献紹介
内容種別
郷土
質問者区分
登録番号
1000253549
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000253549 コピーしました。
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