レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月01日
- 登録日時
- 2018/12/27 11:57
- 更新日時
- 2018/12/27 11:57
- 管理番号
- 市川20180901-02
- 質問
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解決
“ナツメ”と“ナツメヤシ”は名前が似ているが、ふたつの植物の間に何か関係があるのか。
- 回答
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ナツメの和名の由来については、『木の大百科:解説編』(平井信二/著 朝倉書店 1996)p.455「ナツメ」の項で、「ナツメの名は芽が出るのが遅く初夏になるので夏芽の意味だと『大和本草』に出ている」とある。
また、『万葉集』にナツメを詠んだ歌が二首あることや、『延喜式』に薬・食用として乾棗(ほしなつめ)を貢した記載がある、とあり、古くから日本で栽培されていたこともわかる。
『語源辞典:植物編』(吉田金彦/編著 東京堂出版 2001)p.172には、「なつめ」の語源として、「「夏の芽」よりも「夏の海」もしくは「夏の実」からの観が強い。」とあり、和名の由来については諸説あることがわかった。
一方のナツメヤシについては、『樹木大図説 3』(上原敬二/著 有明書房 1977)p.1152やし科「ナツメヤシ」の項に「(ナツメヤシの実の)果肉はナツメの如き香気あり栄養価高く、(中略)中国では唐時代に千年棗(なつめ)と称した。酉陽雑爼によれば本来の産地はペルシヤであるとし波斯棗(はしなつめ)の名を生じた」、「有史以前よりアラビア、エジプトで栽培された。(中略)中国には紀元3世紀に入った。台湾には明治29年に入り爾来栽培されている。(中略)日本に入った年代は不明だが鹿児島の磯の庭園に雄本あり。」との記載があった。
ふたつの植物の関係性について直接的な記載は確認できなかったが、上記調査結果から「ナツメ」という名が先に使われており、その後、実が「ナツメ」の実に似ているという理由から「ナツメヤシ」という和名が付けられたという推察もできる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 森林立地.造林 (653 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000249411