レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年01月06日
- 登録日時
- 2018/04/03 16:44
- 更新日時
- 2019/03/25 18:22
- 管理番号
- 中野0959
- 質問
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解決
魚が生きやすい水温のデータについて
日本近海で獲れるような魚の生きやすい水温(適温)が分るようなデータがあるか。
- 回答
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1.海洋生物環境研究所(http://www.kaiseiken.or.jp/index.html)において約40種の魚が好む温度のグラフを公開しており、そのグラフの典拠として【資料2】【資料3】の論文が紹介されています。
【資料1】「魚類の選好温度と平衝喪失温度」(http://www.kaiseiken.or.jp/thermaleffects/thermal05.html)
【資料2】「海生生物の温度影響に関する文献調査」下茂繁, 秋本泰, 高浜洋/著『海生研研究報告』2000年 第2号p.1-351. (http://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2000_02.pdf)
p.13 「ほとんどの海生生物は変温性であり,その体温は環境水温とほぼ一致しているのが一般的である。各生物種は多少とも異なった適温範囲を有し,適温範囲の広いものを広温性,狭いものを狭温性,また,この適温範囲の上限を最高活温,下限を最低活温と称している(小久保,1977)。広温性魚類 (0~30℃)に対して狭温性魚種には冷水魚類(10~20℃),温水魚類 (20~30℃),熱帯魚類 (25℃以上)などがいる。冷水性と温水性の墳はおよそ20℃とみてよいが,季節により少し変動する(池田,1990)」
p.19~種類ごとに詳細な適水温についての表があります。
【資料3】「沿岸性魚類の温度選好に関する実験的研究」土田修二/著 『海生研研究報告』2002年 第4号p.11-66(http://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2002_04_02.pdf)
約35種の魚類の温度選好に関するデータがあります。
2.種類によって適水温についての記述がある資料
【資料4】『水産大百科事典』水産総合研究センター/編,朝倉書店,2006(R660.3/ス)
p.130~ 「水産生物各論」でイワシ類やアジ類など、日本近海で取れる主な魚の生態と水産物としてのデータがまとめられ、その中に適水温も書かれています。
【資料5】『水産海洋学入門』水産海洋学会/編,講談社,2014(663/ス)
p.103~「気候と海洋の変動」の章で、マイワシとサケ・マスの適水温について記載があります。
p.162~「種ごとに異なる好適環境条件」ではイワシの種ごとの適水温について記載があります。
【資料6】『水産百科事典』水産百科事典編集委員会/編,海文堂出版,1989(R660.3/ス)
p.349 日本重要魚類の適水温の表があります。
以下確認した資料
【資料7】『原色日本魚類図鑑』改訂版 蒲原稔治,保育社,1979(R487/カ/1)
【資料8】『続原色日本魚類図鑑』蒲原稔治/著,保育社,1978(R487/カ/2)
【資料9】『魚の事典』能勢幸雄/監修,東京堂出版,1989(487.5/ウ)
p.223「水温と魚」
未所蔵資料
【資料10】『水産生物適水温図』日本水産資源保護協会,1980
【資料2】【資料3】の論文で参考文献としている資料です。
[インターネット最終アクセス:2019/03/23]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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「海洋の温暖化と水産業への影響について」
http://www.kaiseiken.or.jp/study/lib/news126kaisetu.pdf
「気候変動と漁業の異変」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/229839.html(2018/5/1閲覧不可)
- NDC
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- 水産業 (660)
- 脊椎動物 (487)
- 参考資料
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【資料2】下茂繁, 秋本泰, 高浜洋. 海生生物の温度影響に関する文献調査. 海洋生物環境研究所, 2000-09. 海生研研究報告 第2号 p. p.1-351
http://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2000_02.pdf -
【資料3】土田 修二. 沿岸性魚類の温度選好に関する実験的研究. 海洋生物環境研究所, 2002-03. 海生研研究報告 第4号 p. p.11-66
http://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2002_04_02.pdf -
【資料4】水産総合研究センター編集 , 水産総合研究センター. 水産大百科事典. 朝倉書店, 2006-06.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000510910-00 , ISBN 4254480008 -
【資料5】水産海洋学会編 , 水産海洋学会. 水産海洋学入門. 講談社, 2014-03.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000621563-00 , ISBN 9784061537385 -
【資料6】水産百科事典編集委員会/編 , 水産百科事典編集委員会. 水産百科事典. 海文堂, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024660004-00 -
【資料7】蒲原稔治著 , 蒲原, 稔治(1901-1972). 原色日本魚類図鑑 [正]-. 保育社. (保育社の原色図鑑)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000491421-00 , ISBN 4586300264 -
【資料8】蒲原 稔治/著 , 蒲原‖稔治. 続 原色 日本魚類図鑑. 保育社, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024455167-00 -
【資料9】能勢 幸雄/[ほか]編集 , 能勢‖幸雄. 魚の事典. 東京堂出版, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000198537-00 , ISBN 4490102453 -
【資料10】日本水産資源保護協会. 水産生物適水温図.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058991057-00
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【資料2】下茂繁, 秋本泰, 高浜洋. 海生生物の温度影響に関する文献調査. 海洋生物環境研究所, 2000-09. 海生研研究報告 第2号 p. p.1-351
- キーワード
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- 適水温
- 魚類
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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その他、確認済資料
『水産白書 平成25年版』水産庁/編,農林統計協会,2013 (R660.5/ス/13)
『現代おさかな事典』山本保彦/編纂,エヌ・ティー・エス,1997(R664.6/ゲ)
『原色日本海魚類図鑑』津田武美/著,桂書房,1990(R487.5/ツ)
『魚の科学事典』谷内透/編,朝倉書店,2005(R487.5/ウ)
『世界の海洋と漁業資源』池田八郎/著,1998(660/イ)
『地球の魚地図』岩井保/著,恒星社厚生閣,2012(487.5/イ)
『魚のいない世界』マーク・カーランスキー/著,飛鳥新社,2012(663.6/カ)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000234301