レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年07月05日
- 登録日時
- 2017/03/17 11:17
- 更新日時
- 2017/06/07 19:24
- 管理番号
- 埼熊-2016-127
- 質問
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解決
江戸時代の若年寄である鳥居忠英(トリイタダテル)(任1711-1716)の上・中・下屋敷の場所がわかる資料が見たい。
- 回答
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『江戸幕府大名武鑑編年集成 6 宝永七年―正徳五年』(深井雅海[ほか]編 東洋書林 1999)によると、「鳥居伊賀守忠英」の上屋敷は「神田橋之内」、下屋敷は「麻布永坂」とあった。切絵図等で確認することはできなかった。
また、『江戸城下変遷絵図集 別巻1 江戸城下武家屋敷名鑑』(原書房 1988)及び『江戸城下変遷絵図集 5』(原書房 1985)によると、「鳥居播磨守〔忠英〕」の屋敷は「八町堀之内(2):延宝年中(1673-1681)と元禄年中(1688-1704)」、「鳥居伊賀守〔忠英あるいは忠意か〕」の屋敷は、「半蔵御門外:享保年中以後(1716-1736以後)」と確認できる。
子孫の「鳥居丹波守」の屋敷は「半蔵御門外」「赤坂・麻布之内」「番町之内(4)」にあり。いずれも、「上中下」の区別は不明であった。
- 回答プロセス
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1 壬生藩について調べる
『藩史大事典 第3巻 関東編』(木村礎[ほか]編 雄山閣出版 1990)
p220〔江戸屋敷の所在地〕に鳥居家の屋敷についての記述あり。出典『文政武鑑』とされており、鳥居丹波守忠燾についての記述である。
『文政武鑑1 文政元―四年<大名編>』(柏書房 1982)
p88-89、200、309「鳥居丹波守忠燾」に屋敷についての記述あり。
2 正徳から享保(1711-1735年)期間の武鑑を調べる
『江戸幕府大名武鑑編年集成 6 宝永七年―正徳五年』(深井雅海[ほか]編 東洋書林 1999)
p388、481に関連する記述あり。
3 『江戸城下変遷絵図集』及び同資料図の掲載がある資料を確認する
『江戸城下変遷絵図集 別巻1 江戸城下武家屋敷名鑑』(原書房 1988)
p362 鳥居伊賀守の屋敷についての記述あり。
p363 鳥居播磨守及び鳥居丹波守の屋敷についての記述あり。
『江戸城下変遷絵図集 5』(原書房 1985)
p15 (一)半蔵御門外 享保年中以後(1716-1736以後)「鳥居伊賀守」と「鳥居丹波守」の屋敷あり。
p17 元文元辰年以後(1736年以後)の屋敷の変移についての記載あり。
p19 文政十亥年(1827)、p21 天保六未同七申年(1835/1836)、p23 文久元酉年(1861) 屋敷の変移についての記載あり。
『江戸東京散歩 切絵図・現代図で歩く』(安田就視写真 わたなべこういちイラスト 人文社 2002)
p8 「麹町永田丁外桜田絵図」に「三宅備前守」屋敷あり、同図、「松平対馬守」屋敷あたりが「鳥居丹波守」屋敷跡と思われる。
『江戸城下変遷絵図集 7』(原書房 1986)
(三)八丁堀之内 延宝年中(1673-1681年)、元禄年中(1688-1704年)
p33、35 「鳥居播磨守」が「松平越中守」の左隣にあり。
p37-41 享保七寅年(1722)、享保二十卯年(1735)、文久二年(1862) 「鳥居播磨守」跡地は町屋になっている。
『江戸東京散歩 切絵図・現代図で歩く』
p20 「八町堀霊岸嶋日本橋南之絵図」に「松平越中守」屋敷あり、同図、左隣の町屋あたりが「鳥居播磨守」屋敷跡と思われる。
『江戸城下変遷絵図集 10』(原書房 1986)
(五)赤坂麻布之内 享保8卯年(1723)、享保14酉・15戌年(1729/1730)
p67、69 「鳥居丹波守」が「相馬讃岐守」の相向かいにあり。「成徳寺」隣の「浅野土佐守」跡が「明地」から「氷川明神社地」となっている。
p37-41 延享三寅年(1746)、寛政六寅年(1794)、文化七午年同八未年(1810/1811)、天保元年(1830)、文久二年(1862) 「鳥居丹波守」跡地は「諏訪靫負」、「松平實之助」他の屋敷に分割されている。
『江戸東京散歩 切絵図・現代図で歩く』(安田就視写真 わたなべこういちイラスト 人文社 2002)
p26 「今井谷六本木赤坂絵図」に「氷川神社」あり、同図、「相馬大膳亮」屋敷相向かいの「諏訪靫負」、「松平實之助」屋敷あたりが「鳥居丹波守」屋敷跡と思われる。
『江戸城下変遷絵図集 4』(原書房 1986)
(四)番町之内 文化5辰年(1808)、天保9戌年(1838)
p105、107 「鳥居丹波守」が図右中央あたりにあり。
p109 文久二年(1862) 「鳥居丹波守」が「堀田摂津守」となっている。
『江戸東京散歩 切絵図・現代図で歩く』
p10 「東都番町大絵図」に「堀田摂津守」の上屋敷あり。
4 地名辞典を確認する
『日本歴史地名大系 第13巻 東京都の地名』(平凡社 2002)
p375「鳥居坂」の由来の中に関連する記述あり。
『藩史大事典 第3巻』(雄山閣出版 1989)
p745〔高遠藩:藩主一覧〕に鳥居忠春及び鳥居忠則についての記述あり。
5 インターネットで調べる
《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈麻布 & 江戸時代〉で検索する。
《麻布地区の旧町名由来一覧》(https://www.city.minato.tokyo.jp/azabuchikusei/kyuchimei01.html 港区)
「麻布東鳥居坂町・麻布鳥居坂町」の地名の由来の中に関連する記述あり。
6 古地図を調べる
『近世文学資料類従 古板地誌編 11 江戸方角安見図』(勉誠社 1981)
延宝8年〔1680〕表紙屋市郎兵衛板
p28-19「八 京橋ヨリ日本橋」 「松平越中」の左隣が「鳥居長門」
『江戸城下変遷絵図集 7』(三)八丁堀之内 延宝年中(1673-1681年)、元禄年中(1688-1704年)と同位置である。「鳥居長門」は不詳。
p42-43「十五 桜田」 「伊井玄番頭」に「梶三〔一字不明〕兵」「タケベウ者」あり。
『江戸城下変遷絵図集 5』(一)半蔵御門外 享保年中以後(1716-1736以後)の「鳥居丹波守」の屋敷と同位置である。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2016年6月29日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『江戸幕府大名武鑑編年集成 6 宝永七年―正徳五年』(深井雅海[ほか]編 東洋書林 1999) , ISBN 4-88721-384-0
- 『江戸城下変遷絵図集 別巻1 江戸城下武家屋敷名鑑』(原書房 1988) , ISBN 4-562-01923-9
- 『江戸城下変遷絵図集 5』(幕府普請奉行編 原書房 1985) , ISBN 4-562-01557-8
- キーワード
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- 武家屋敷
- 江戸時代
- 鳥居 忠英(トリイ タダテル)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 歴史 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000212119