レファレンス事例詳細

1.本学契約データベース「JapanKnowledge Lib」より
(1)『世界大百科事典』
・「戸」日本「回転式のいわゆる扉の形式が古く、これには〈板扉〉と〈桟唐戸（さんからど）〉とがある」「引き戸は〈遣戸（やりど）〉と呼ばれるが、その発生は扉よりも遅れ平安後期である」
・「建具」日本建具の発達
平安時代にふすまが登場し、それは「引違いの形式がふつうで、これは軸を中心に開閉する（中略）回転式の建具とは異なり、新しい形式をもつものであった」

(2)『日本大百科全書（ニッポニカ）』
・「建具」「飛鳥時代・奈良時代には、住宅、寺院、神社いずれも開き戸が使われていた」

2.本学所蔵資料
(1)本学OPAC「件名：住宅建築　歴史」で検索
・前久夫著『住まいの歴史読本』（東京美術, 1977）(東京美術選書 ; 17)
　p.87～「戸」古代・飛鳥・奈良時代については開き戸であったと思われるとの説明

(2)本学OPAC　「キーワード：建築　歴史　古代 」で検索
藤島亥治郎著『上代詩歌の家と庭』（国書刊行会, 1977）
p.138～ 万葉集より 建具・生活具
p.140 「古くは観音開きの板戸がほとんどすべてだったから、万葉の時代の戸はその形式と見てよい。」

(3)書架をブラウジング
・五十嵐太郎, 東北大学五十嵐太郎研究室, 市川紘司編著『窓から建築を考える』（彰国社, 2014）
第二章 日本の建具　p.71　合理化される引き戸
「引き戸の形式が生まれたのは中世以降のことに過ぎない。それ以前の戸といえば、大陸から伝来された「唐戸（からど）」、すなわち開き戸であった」
・木村茂光ほか編『日本生活史辞典』（吉川弘文館、2016）
p.467-468「戸」「開き戸は古くから存在しており（中略）一方、引き戸が発生するのは平安時代と考えられており」

※参考
・むしゃこうじ・みのる著『襖』（法政大学出版局, 2002）（ものと人間の文化史108）
・日外アソシエーツ株式会社編集『日本古代史図書総覧: 明治-平成』日外アソシエーツ・紀伊國屋書店, 2008）
・日本建築学会編『日本建築史図集』新訂版（彰国社, 1980）
・天沼俊一著『日本建築史図録　飛鳥・奈良・平安』（星野書店, 1933）
・石野博信著『日本原始・古代の住居研究』（吉川弘文館、1990）

※以下には記述なし
武井豊治著『古建築辞典』（理工学社, 1994）
木村徳国著『上代語にもとづく日本建築史の研究』（中央公論美術出版, 1988）
小沢朝江, 水沼淑子著『日本住居史』（吉川弘文館, 2006）
平井聖著『日本住宅の歴史』（日本放送出版協会, 1974）(NHKブックス ; 209)
伊藤延男著『古建築のみかた: かたちと魅力』（第一法規出版社, 1967）
前久夫著『古建築のみかた図典』（東京美術, 1980） (東京美術選書 ; 22)
大林太良編『家』日本古代文化の探究（社会思想社、1975）
石野博信編『古代住居のはなし』（吉川弘文館、2006）
安倍猛著『万葉びとの生活　教養の日本史』（東京堂出版、1995）
ゆまに書房編集部編『年表で見るモノの歴史事典』（ゆまに書房 , 1995）

建築関係の辞典は調べたが、ことばの意味しか載っていなかった。