レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年2月10日
- 登録日時
- 2015/05/10 15:56
- 更新日時
- 2019/09/13 18:38
- 管理番号
- M0129
- 質問
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解決
「タクランケ」という言葉は北海道の方言なのか、それともアイヌ語なのか知りたい。
- 回答
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北海道の方言に関する資料『北海道方言辞典』、『笑説これが北海道弁だべさ』によると「たくらんけ」は、ばかもの。たわけもの。相手をののしる言葉となっている。また、津軽弁に同じような意味を持つ言葉として「たふらんけ」という言葉があり、ルーツはこのあたりかという記述があったので、東北の方言の資料も調べた。
『日本方言辞典 標準語引き』によると、「ばかもの~たくらんけ 北海道 岩手県気仙郡 山形県南村山郡・最上郡」ということで、この地域で使われていることがわかった。また、『秋田のことば』によると、「たぐらんけ~くそたぐらんけ・たがらんけ・たふらんけ~半人前、卑罵語。「たくらた」と関連ある語か。馬鹿者に相当する語。一説、「たくらむ」に「け」という接尾辞が付いたものという。下手の考え休むに似たりというから、馬鹿者との距離は近いのかもしれない。【全国分布】・思慮のない者。愚者=「たーくら」長野、「たくら」兵庫県淡路島、熊本、「たーくらたー」新潟、長野、・おてんば=「たくらけ」島根とのことで、秋田でも使われていて、且つ全国的にも似た言葉があるようだ。
アイヌ語と関係があるのかについては、『萱野茂のアイヌ語辞典』で調べたが、「タクランケ」という言葉、それに似た言葉ともに載っていなかった。また、「タク」という発音の言葉は「玉、かたまり、」「呼ぶ、招待する」という意味で、「ランケ」という発音の言葉は「下ろす、たびたび~する」という意味とのこと。これらからはアイヌ語が「タクランケ」に関係しているということは読み取れなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 方言.訛語 (818)
- 参考資料
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- 石垣福雄. 北海道方言辞典. 北海道新聞社, 1983, 466p (K991/I/D 資料コード:211935663)
- 西本伸顕. 笑説これが北海道弁だべさ. 北海道新聞社, 2010, 216p (K991/N 資料コード:215417118)
- 小学館辞典編集部編. 日本方言辞典: 標準語引き. 小学館, 2004, 26,1467,7p (R818/S 資料コード:213921309)
- 萱野茂. 萱野茂のアイヌ語辞典. 三省堂, 1996, 597p (K880/K 資料コード:210157037)
- 佐藤稔ほか. 秋田県教育委員会編. 秋田のことば. 無明舎出版, 2000, 961p (818/S 資料コード:213491552)
- キーワード
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- 北海道の方言
- アイヌ語
- タクランケ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000174407