レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年06月15日
- 登録日時
- 2012/10/01 10:53
- 更新日時
- 2015/03/05 11:27
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 京都市中央2012-012
- 質問
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解決
若一神社(にゃくいちじんじゃ)のくすのきを切ろうとすると災いがあるという言い伝えのため,昭和初期に開通した京都市電(西大路通)は迂回して通った,という記述のある資料を探している。
- 回答
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1『義経と平家の京都 伝説と史跡』(武山 峯久/著 創元社)p96~97【若一神社の楠】
「神社は移転でけりがつきましたが,境内にある神木の楠,切ってしまおうという意見もありましたが,この木の枝をはらっただけでもけがをしたり不幸が起こったりと,たたりを目の当たりにしてきた住民たちは「誰が切るんだ」と誰も賛成しません。結局,神社の移転はしますが神木はそのまま。敷設された市電のレールはここで神木を避けてカーブしていました。」
2『路 千本と朱雀大路』(明永 恭典/編 星光社)p44~45【若一神社】
「京都の市電は,西大路八条の若一神社の前で西へ大きく迂回する。市電の方が御神木の大楠木を遠慮して通った。」
「…誰も手を出すことなく今日もやはり民家の信仰をあつめている。もっとも,ある時,枝が邪魔だとかで木に登り,枝を切った人が落ちて死んだという話がある。」
3『平清盛と京都の史跡』(鳥越 幸雄/著 パレード)p73【若一神社】
「西大路通にはみ出す清盛手植えの大楠は,工事のため除こうとすると事故や不幸が襲ったという。」
- 回答プロセス
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「迂回している」という記述が何点か見つかる。
●『平家物語・京を歩く 義経にまつわる28人の群像』(佐藤 弘弥/著 道出版)p83【若一神社】
「樟の大木は,昔からご神木として崇められていたとかで,昭和9年(1934)に西大路通りを開通させるときに,わざわざこの木を避けて道を作ったということで,西大路通りと八条の交差点は少しカーブになっている。」
●『源義経と源平の京都』(川口 正貴,わたなべ のりこ/取材・編集 ユニプラン)p140文中に【若一神社】の記述あり。
「社前の大楠は,昔からご神木として崇められていたもので,昭和9年(1934)に西大路通りを開通させる際,わざわざこの木を避けて道路の方を迂回させたということだ。」
●『新撰京都名所図会 巻4』(竹村 俊則/著 白川書院)p218【若一神社】
「…,社前の老くすの木は,古来神木として威敬され,昭和9年(1934)西大路通りの開通にあたっても伐りはらふことなく,道路を迂廻させている。」
●『京の名花・名木』(竹村 俊則/著 淡交社)p59~60【若一神社のクスノキ】
「…昭和9年市電西大路線の開通にあたってもこれを伐り払うことなく残されたから,西大路通りがここだけ大きくカーブしている。」
「もとの木は枯れ,今はその二代目がもうかなり大きくなっていて,西八条界隈のシンボルとして,付近一帯の畏敬の的となっている。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 日本 (281 9版)
- 植物地理.植物誌 (472 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 神社
- 伝説
- 平清盛
- くすのき
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000111988