レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年06月27日
- 登録日時
- 2011/07/10 14:55
- 更新日時
- 2011/12/17 20:14
- 管理番号
- 鳥県図20110056
- 質問
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解決
「東郷池」と「東郷湖」の両方の呼び方があるが、「東郷湖」の表記はいつごろから出始めたか?
- 回答
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<「東郷湖」の記載のある文献について>
『因伯の湖と池』(山田一仁/著 たたら書房 2000.9)のp33に次のような記載があり。
「地元ではみな「池」と呼び、国土地理院の表記もそうなっているのに、しばしば「東郷湖」と表現されることがある。
歴史的にみれば幕末の伊能忠敬の測量図とか、明治6年の県政要覧、そして近年の「三朝東郷湖県立公園」などがそうである。」
●当館所蔵資料の『伊能大図総覧 上』(伊能忠敬/〔原著〕 河出書房新社 2006.12)を見てみると、
第143図(鳥取)の部分に「東郷湖」と表記されている。
【伊能大図の完成は文政4年(1821年)】
○明治6年の県勢要覧は当館未所蔵のため確認できない。
○明治末の県勢要覧は「東郷池」となっている。
『角川日本地名大辞典 31 鳥取県』(角川書店 1982.12)
p513「東郷池」の項に「東郷池付近は昭和29年4月1日に三朝東郷湖県立公園に指定されている」とある。
●『鳥取縣勢要覧 昭和29年刊』には「三朝東郷湖県立公園」の記載がある。
○『鳥取縣勢要覧 昭和28年刊』には「東郷池」の表記のみ。
当館の所蔵資料で書名に「東郷湖」と付く最も古い資料は
●『三朝東郷湖県立公園地区 観光開発計画』(鳥取県 1961.11)
※その他の資料(明治、大正、昭和初期の発行の資料) ⇓
●『山陰鉄道名勝案内』(奥原碧雲/編 有田有斐堂)【明治45年5月3日発行】
「第三 米子、鳥取間 九 松崎駅」
p96 「東郷温泉」の項:「松崎停車場より約八町、東郷湖の一端にあり。東郷湖な一名鶴の湖と称し、周囲三里・・・・・・」
●『倉吉案内記』(柴田文次郎/著 桑田書店)【大正3年11月23日発行】
「附近名勝」
p66 「東郷温泉は松崎より八町、東郷湖の一端にあり、東郷湖な一名鶴の海と称し、周囲三里・・・・・・」
●『くらよし 昭和7年版』(池口季蔵/著 因伯時事評論社)【昭和7年6月1日発行】
「附録 東郷・松崎温泉」
p5に「東郷湖」の項あり
◎田山花袋の作品に「東郷湖の一夜」という紀行文がある。
次の2冊に収録されているようだが、当館未所蔵。
『水郷めぐり』(田山花袋著, 博文館, 大正9)
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/10459352.html
『花袋紀行集 第3輯』(田山花袋著, 博文館, 大正12)
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/10466491.html
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
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- 『伊能大図総覧 上』(伊能忠敬/〔原著〕 河出書房新社 2006.12) (116873419 /291 /イノウ-1 /一般LH )
- キーワード
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- 東郷湖
- 東郷池
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000088290