レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/11/18
- 登録日時
- 2006/03/31 02:11
- 更新日時
- 2009/03/23 15:00
- 管理番号
- 埼久-2005-083
- 質問
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未解決
〈半だこ〉について、以下のことを知りたい。
①〈半だこ〉〈たこ〉の言葉の意味
②祭りの時、法被と半だこ、半纏と半だこ、どちらの組み合わせが多く使われるか。
③どんな生地でできているか。また、長さ(寸法)はどのくらいか。
- 回答
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①〈たこ〉は股引の隠語ということは、以下の資料で確認できた。ただし、由来について記述のあった資料は『隠語辞典』(東京堂出版)のみだった。
『隠語辞典』〈たこ〉股引(←たこびら) 〈たこびら〉股引。脚絆。袴。(語源:たこ=足 びら=衣服)強盗・窃盗犯罪者用語 明治時代
『東京弁辞典』〈たこ〉「ももひき」をいう隠語。(出典)ももひきのことはたこといいます。職人言葉です。冬は長だこ、夏は半だこ、あいは七分だこで、すべて紺色です。「宵越しの銭 東京っ子ことば-秋谷勝三老人聞き書き」
『日本国語大辞典 第2版』『隠語大辞典』にも〈たこ〉の意味はあり。
②現在一般的には、法被と半纏は混同されているようで、両者の明確な違いを示す資料は見つからなかった。ただし、次の資料は、日本各地の祭りを取材していて、衣装についても記述があるので、現代の祭衣装の傾向を把握するのに役立つと思われる。
「祭と鳶」(ワールド・ムック)
③②で紹介した「祭と鳶」に「半股引:白の木綿が普通。股引の選び方は、太股の部分がピッタリと合うものを選ぶのがコツで…」とある。
インターネットの情報では、《喜久屋》に半だこのサイズと色(白・藍染・刺子藍染)が掲載されている。長さについては記述なし。
(http://www.k-kikuya.net/maturi/hanndako.htm 2005/11/19最終確認)
以上を回答する。
- 回答プロセス
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①各種辞典類(国語・隠語・方言・俗語・民俗等)にあたる。また、『東京弁辞典』に引用されている文献「宵越しの銭」の中身を確認したが、辞典の記述以上の情報はなかった。
②法被と半纏についての資料やインターネットにあたる。法被と半纏の定義が時代によって違っていたりして混乱がある。回答にあたる記述が見あたらなかったため、いろいろな祭りの写真等の資料を探した。
③所蔵資料で見つからなかったため、《Google》を〈はんだこ〉で検索。祭衣装の販売店がいくつかヒットした。〈はんだこ〉は〈半股引〉と表記されていた。また、②との関連で、〈半纏=法被〉として扱っているところが多かった。
なお、民俗関係の資料を調査したが資料は見つからなかった。
- 事前調査事項
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調査済資料:『日本の生活道具百科3』、『古事類苑』、『広辞苑』、『日本国語大辞典』、『日本民具辞典』、『綜合日本民俗語彙』、『日本民俗大辞典』
『日本方言大辞典』「はんだこ=はだこ(肌こ)」とあり。
『現代日本語方言辞典』「はだこ=はだぎ(肌着) ハンダッコ 青森・秋田の方言」とあるが同一か不明。
- NDC
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- 衣服.裁縫 (593 9版)
- 語彙 (814 9版)
- 参考資料
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- 『隠語辞典』(東京堂出版 1980)
- 『東京弁辞典』(東京堂出版 2004)
- 『日本国語大辞典 第2版』(小学館)
- 『隠語大辞典』(皓星社 2000)
- 「祭と鳶 (ワールド・ムック)」(ワールドフォトプレス 2003:県立未所蔵)
- キーワード
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- 服飾
- 祭礼
- 半だこ
- 語彙-日本語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000028153