調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2025年03月1日
- 登録日時
- 2025/01/09 17:51
- 更新日時
- 2026/03/19 13:50
- 管理番号
- 新県図-調007
- 調査テーマ
-
完成
「怪奇現象!?新潟の夜空が赤く染まる」
2024年5月、日本各地でオーロラが出現した。新潟でも観測されたそうだが、今回が初めてのことなのか。
- 調べ方
-
1 一般資料で国内におけるオーロラ観測の歴史を確認する
(1)『日本に現れたオーロラの謎 時空を超えて読み解く「赤気」の記録』(片岡 龍峰/著 化学同人 2020)
『明月記』『星階』『日本書記』の記述が紹介されている。越後・佐渡や新潟県に関する記述はなし。
(2)『オーロラの日本史 古典籍・古文書にみる記録』(岩橋 清美/ほか著 平凡社 2019)
『金木屋日記』『日本書記』『日本三代実録』『日本文徳天皇実録』『編年大略』『御室相承記』『吾妻鏡』『猿猴庵随観図会』『富士山宝永噴火之絵図』『星解』の記述が紹介されている。越後・佐渡や新潟県に関する記述はなし。
(3)『日本気象史料綜覧』(中央気象台/編 地人書館 1943)
国立国会図書館デジタルコレクションの全文検索機能で「赤気」をキーワードにすると52件がヒット。p1「推古天皇二十八年(620)」の「十二月一日(一二月三〇日) 大和 赤気 日本書紀」以降、観測記録は多数掲載されているが、越後や佐渡での記録はなし。
古代から中世にかけて、京都を中心とした関西地域での観測記録が、古記録に多く残っている。
北陸地域の観測記録も散見されることから、新潟県でもオーロラが目撃されたものと思われる。
引き続き新潟県内での観測記録の有無を調査する。
2 地方紙の記事を調べる
新潟日報記事データベースで、県内でオーロラが観測された旨の記事を検索する。
新潟日報記事データベースは、新潟県の地方紙である『新潟日報』に掲載された記事を検索できる新聞データベースである。なお、収録対象は2002年4月以降の新聞記事。
全期間を対象に、キーワード「オーロラ」で検索すると243件がヒット。
さらにキーワード「オーロラand新潟」で検索すると170件がヒット。
「新潟日報」が地方紙であることを踏まえ、キーワードを「オーロラand県内」にすると44件まで絞り込めた。
科学解説やイベント記事等のノイズを排除するため、キーワード「オーロラand県内and観測」で検索すると14件がヒット。
ちなみに、「オーロラand新潟and観測」では33件の記事がヒットした。
ヒット結果を表示した記事一覧の中に、「県内35年ぶりオーロラ 村上、新潟などで観測」(新潟日報 2024/5/13 朝刊28p)という記事があることから、今回の観測は史上初ではないと判断できる。
また、新潟日報データベースの検索結果一覧から、新潟県立自然科学館の学芸員・中沢陽氏が、新潟県におけるオーロラ現象の研究者であることが分かる。
3 郷土図書を調べる
蔵書検索では、件名「オーロラ」で46件がヒット。
新潟県に限定するために、件名「オーロラ」andフルテキスト「新潟」で3件まで絞り込む。
3件のうち、郷土資料として所蔵している図書は以下2件。いずれも前出の中沢陽氏による図書。
(1)『新潟の赤いオ-ロラを探る 企画展を開催して』(中沢 陽/著 新潟日報メディアネット(制作) 2023)
※新潟大学旭町学術資料展示館での企画展の記録
これによると、新潟県内におけるオーロラ観測の記述は以下のとおり。
1770年9月17日(明和7年7月28日)※『佐渡年代記』『越後国年代記』
1909(明治42)年9月25日付※26日『新潟新聞』に記事掲載
1958年2月11日※12日付『新潟日報』に記事掲載
1989年10月21日※「新潟市でも肉眼では見えなかったものの、新潟大学チームにより写真撮影・分光観測がなされ」
また、上記図書のp6の注記に、「最近の研究では」として以下の資料にもオーロラと思われる記述のあることが、名古屋大学宇宙地球環境研究所の早川尚志特任教授により確認されているとある。
1859年9月2日(安政6年8月)『長善館学塾史料』
1872年2月4日(明治4年12月26日)『白根市史』
(2)『暮らしのなかの天文手帖 おぼろ月夜から低緯度オ-ロラ(赤気)まで』(中沢 陽/著 新潟日報メディアネット(制作) 2023)
p34~37に「低緯度オーロラ」、p38~40に「コラム⑦ 藤原定家が見たオーロラ」と題する文章があるが、県内における事象は掲載されていない。
4 郷土雑誌の記事を調べる
新潟県立図書館郷土人物/雑誌記事索引データベースを全項目「オーロラ」で検索したところ、中沢陽氏の「低緯度オーロラとその民俗」(中沢 陽/著 『高志路』338 p10~12)1件ヒットしたが、内容は前出の図書資料と同様だった。
さらに全項目「天文」では14件、「気象」では69件がヒットした。このうち、記事タイトルから、近世以前における県内の気象に関する内容と思われるものを確認するが、オーロラ現象に関する記述はなかった。確認した記事は以下のとおり。
「天文雑話(第1回)日時計に就て」(樺 正董/著 『 越佐教育雑誌』 8 p20~22)
「天文雑話(第2回)彗星に就て」(樺 正董/著 『 越佐教育雑誌』10 p17~18)
「天文雑話(第3)」(樺 正董/著 『越佐教育雑誌』14 p11~12)
「地言葉と農民生活(5の上)(天体・気象篇)」(金塚 友之亟/著 『高志路』38 p32 ~39)
「新潟県内の天文民俗について(2)」(中沢 陽/著 『高志路』322 p17~19)
新潟県立図書館郷土人物/雑誌記事索引データベースには、119タイトルの郷土研究雑誌から約57,000件の記事が採録されている(2024年10月現在)。郷土雑誌の記事調査はデータベースによる検索のみとし、以降は調査対象を図書に絞ることとする。
5 上記3(1)の図書の注記にある以下の図書を確認する
(1)『長善館学塾史料 上( 新潟県文化財調査報告書 第14)』(新潟県教育委員会/編 新潟県教育委員会 1974)
(2)『白根市史』(全7冊 白根市史編さん室/編 白根市 1985-1989)
どちらも国立国会図書館デジタルコレクションの全文検索対象資料であるため、「赤気」「オーロラ」をキーワードに検索するが該当する記述はヒットしなかった。また、「安政六年」「明治四年」の記事にも該当するものを見つけることはできなかった。このため、現象を示すキーワードが「赤気」ではない可能性があると考えキーワードを「赤色」「赤く」に変更したところ、『白根市史 巻3近世史料』(白根市史編さん室/編 白根市 1986)p763に、注記とは時期の異なる「(文久二年十一月)廿一日 雪又晴 今朝日出赤色如虹」(史料「一八六二年文久二年壬戌年一月 新飯田 新飯田町千野 日記始める」より抜粋)という記述が見つかったが、これ以上の確認は断念する。
6 新潟県内の各市町村史等の情報を確認する
国立国会図書館デジタルコレクションで、図書と古典籍資料を対象に参考となる資料を探す。
キーワード「オーロラand新潟」では9,626件がヒット。
出版地で絞り込むと、「新潟」では42件、「長岡」で4件、「高田」で1件、「三条」で1件の資料が見つかった。
全文検索機能で該当箇所を確認。該当する記述のあった資料は以下のとおり。
(1)『新潟県年鑑 昭和34年版』(新潟日報社/[編] 新潟日報社 1958)
p40「1958年2月11日 新潟地方でオーロラ観測」
(2)『佐渡災異誌』(相川測候所/編 相川測候所 1962)
p15「特殊気象 1 天象 オーロラ」に1635(寛永12年7月)、1770(明和7年7月)、1839(天保10年8月)の記録あり。出典は『佐渡年代記』『金泉郷土史』とある。
(3)『新潟大学二十五年史 総編』(新潟大学二十五年史編集委員会/編 新潟大学二十五年史刊行会 1974)
p198に昭和33年2月の観測に関する記述あり。
(4)『分水町史年表』(分水町史編纂委員会/編 分水町史編纂委員会 1975)
p205に昭和33年2月の観測に関する記述あり。
(5)『創立百年誌』(新潟地方気象台/編 新潟地方気象台 1981)
p68「相川測候所」の記事に「昭和32年2月1日 オーロラ観測開始(昭和35.1.31中止)」とあり。
さらに、キーワードを「赤気and新潟」に変更すると、2,714件がヒット。
出版地で絞り込むと「新潟」では16件、「長岡」で1件、「高田」で1件、「三条」で3件の資料が見つかった。
これらの資料を「赤気」「赤く」「赤色」のキーワードで全文検索を行うと、該当資料は以下のとおり。
(6)『西頸城郡誌』(復刻版 新潟県西頸城郡教育会/編 名著出版 1972)
p57「五 震災」の寛延4年4月の高田市大地震の記事中に「大地震すべき地は遠方より見れば赤気立ちのぼりて火事の如くなるものなりと言へり(略)」とあり。
(7)『佐渡年代記 上巻』(佐渡郡教育会/〔編〕 佐渡郡教育会 1935)
p62「(寛永12年乙亥年)七月廿六日西方の空に赤気ありて火焰の如し是佐渡のみにあらす京都其外の國々にても如斯ありしとなり(略)」
(8)『金泉郷土史』(金泉村教育会/編 金泉村教育会 1937)
p108「(寛永十二乙亥)西方の空に火焔の様な赤気が現はれたがそれが島原一揆の前兆であつたと人は言ふのであつた。」
p118「(明和七寅)七月二十八日の夜成刻に北方の空が赤く染まつたので相川辺では海府の火事と誤認し、戸地戸中辺迄駈けつけた者もあつた。」
p127「(天保十亥)八月十四日夜五ツ半時大風雨あり相川の浜で漁船三隻龍に巻き上げられ翌十五日には日沒に際し赤色の妖雲が現れた由。」
(9)『旭湊俚諺明和間記』(新潟郷土古文献 第1集 新潟郷土史研究会/編 新潟郷土史研究会 1965)
p39の明和七年の記事中に「七月廿八日申の中刻より北方の空赤き事炎の如し。諸人粟生島か庄内火事ならんと云 戌刻より甚敷其赤気の中へ白虹現れ布をはいたるが如く五十余筋南北に靡く。」とあり。
以上
【2026年3月19日情報追加】
2025年10月19日付「新潟日報」の2面及び3面「おとなプラス サンデー」に、新潟県内におけるオーロラ観測をテーマとした特集記事が掲載されている。近年の発生状況のほか、江戸期以降の観測記録を一覧することができる。
- NDC
-
- 気象学 (451 10版)
- 北陸地方 (214 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 新潟県
- オーロラ
- 備考
- 新潟県立図書館 郷土人物・雑誌記事索引データベース検索画面(https://opac.pref-lib.niigata.niigata.jp/jz/opac/search-detail.do?lang=ja)
- 登録番号
- 2000030571