調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2011年01月14日
- 登録日時
- 2011/03/24 13:22
- 更新日時
- 2013/03/15 09:19
- 管理番号
- 埼久-026
- 調査テーマ
-
完成
認知症について調べる(埼玉県立久喜図書館 調べ方案内 Milestone No.26)
- 調べ方
-
◆テーマ
高齢化社会とともに認知症の患者が増え、家族だけでなく地域や社会全体で患者を支えていくことが求められています。認知症は、後天的な脳の病気や障害が原因となって記憶や思考能力が低下していく状態をいい、その原因によって、脳の変性性疾患であるアルツハイマー型やレビー小体型、脳の血管がつまることで脳機能が低下していく脳血管型などに分かれます。
今回は、誰もがかかる可能性のある認知症について、主に医療関係の資料・情報の調べ方をご案内します。なお、医療情報について調べる際は、その内容が出版された時点での情報であることに留意し、できるだけ複数の情報源を比較するようにしましょう。
■キーワード
図書館の蔵書検索やインターネット上の情報を探すとき、手がかりとなるキーワードを紹介します。
認知症 老人性認知症 若年性認知症 痴呆(症) アルツハイマー病 脳血管性認知症
レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症 ピック病 正常圧水頭症 軽度認知障害(MCI)
アリセプト(商品名) ドネペジル メマンチン 抑肝散(漢方) 中核症状 周辺症状(BPSD)
見当識障害 記憶障害 排尿障害 失語 失行 失認 せん妄 妄想 作話 徘徊 異食
弄便 収集行動(癖) ぼけ(ボケ) もの忘れ 寝たきり リハビリ 運動療法 音楽療法
回想(療)法 ケア デイサービス 高齢者(老人)介護 在宅介護 訪問介護 家庭看護
■資料・情報の集め方
1 テーマに関する図書を調べる
現在販売されている図書を探すにはインターネットの情報が便利です。Amazonや紀伊国屋BookWebなどをご利用の方も多いと思います。また、絶版や流通ルートにのらない出版物などは、国立国会図書館総合目録ネットワークシステム「ゆにかねっと」や 日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」など公立図書館等の横断検索を利用することで、全国の所蔵情報を手に入れることができます。
ここでは、埼玉県立図書館が所蔵する医療関係の参考図書の中から、認知症について解説が掲載されている比較的新しい事典類を中心に紹介します。貸出可能な一般図書については、資料展示リスト「認知症を理解する」でご案内しておりますので、そちらを参照してください。
(1) 家庭向け医学事典で調べる
医学事典には、医療関係者が参照するもののほかに、医学情報を家庭向けに平易な言葉で解説したものがあり、これらはその病気について知るために最初に参照したい事典です。
①『最新メルクマニュアル医学百科 家庭版』(日経BP社 2004)
②『健康医学大事典』(法研 2006)
③『家庭の医学 新赤本』(保健同人社 2008)
④『家庭医学大事典 ホ-ムメディカ 新版』(小学館2008)
①②はともに翻訳書で、①は世界的に定評のある医学事典を家庭向けに編集した、原著第2版(2003年刊)の翻訳です。「せん妄と痴呆」(83章:p479-489)という項目を設け、「痴呆」、「アルツハイマー病」を中心に原因・症状・診断・治療の順に解説しています。
同じ内容がウェブサイト(http://merckmanual.jp/mmhe2j/index.html)でも閲覧でき、こちらでは画像のほか、一部映像の閲覧が可能です。
②は2003年に刊行された、アメリカのベストセラー第3版の翻訳であり、平易な記述で読みやすく編集されています。認知症については、「変性疾患」の項目のもとにp641-647に説明があります。なお、翻訳書のため日本で未承認の薬も掲載されており、注意が必要です。
③④はいずれも国内で刊行されたロングセラーです。③は1969年に初版が刊行されたものの第6版にあたり、一般向けの 「読める」 事典となっています。内容は「応急処置と症状」「病気の知識」「健康な生活のために」の3部構成で、認知症については、「認知症」(p1480-1492)と、「認知症高齢者への理解と対応」(p1721-1725)の2か所に記載があり、巻末に医療保険制度と介護保険制度の解説が掲載されています。
④も1987年の初版刊行後、数回版を重ねた事典で、「病気の知識と治療」(第4部)を中心とした5部構成となっています。「老化にともなうこころの病気」の項目に比較的簡略な認知症に関する記述(p997-1001)があり、アルツハイマー病等は「変性疾患」の項目内(p945-948)に記載があります。
(2) 臨床医学関係のハンドブックで調べる
主に臨床医や医療関係者向けに刊行されたハンドブックのうち、治療方法や薬の処方など、一般向けにも参考となる図書を3点紹介します。
⑤『クリニカルエビデンス・コンサイス issue16』(医学書院 2007)
医療関係者向けの翻訳書で、オンライン版から冊子体として刊行したものを要約した日本語版です。各項目ともオンライン版の検索日と執筆者名があり、薬や治療法の効果を、「有益である」「有益である可能性が高い」「有益性と有害性のトレードオフ」「有益性不明」「有益性に乏しい」のグレード分けて記述し、項目の最後には用語の定義と原書オンライン版の参考文献が掲載されていいます。なお、「認知症」についてはp678-687に記述があります。
⑥『今日の治療指針 私はこう治療している 2010年版』(医学書院 2010)
専門家が最新の治療法について執筆した年鑑で、項目ごとに執筆者名と所属を明記しています。認知症については「アルツハイマー型認知症」(p784-785)、「非アルツハイマー型変性認知症」(p785-786)に分け、病態、診断、薬の処方例を掲載し、「認知症のケア」(p1263-1264)についても触れています。
⑦『標準治療 最新版(第3版)』(日本医療企画 2006)
一般向けで、患者にとって今受けている医療が標準的なものなのかどうか、また受診時の基本的な知識や選択肢が調べられます。概説・症状・診断・標準治療・特殊治療・予後・生活上の注意の項目順に解説されており、「受診のコツ」が便利です。「認知症」はp143-146に掲載され、別冊の中の「執筆者プロフィール・ガイド」では、項目執筆者の写真や出身校、病例数などを確認することができます。
(3) 精神医学関係の事典で調べる
認知症は、図書館の分類では大きく神経科学や精神医学の分野に入りますが、こうした精神医学関係の事典の中で参考となるものを3点紹介します。
⑧『こころの病気を知る事典 新版』(弘文堂 2007)
⑨『精神神経薬理学大事典』(西村書店 2009)
⑩『脳・神経リハビリテーション大事典』(西村書店 2007)
⑧は一般向けの事典で2003年刊行されたものの新版にあたり、記述がわかりやすく平易で一般図書同様に通読することができます。認知症については、「3 老年期のこころの病気」の章に「アルツハイマー型」(p347-354)、「血管性」(p355-358)、「初老期」(p359-367)、「認知症高齢者の介護」(p368-388)に分けて約40ページの記述があります。
⑨⑩はともに翻訳書で、⑨は原著第3版(2004年刊)を翻訳した、学生や医療従事者向けの事典です。第48章が「アルツハイマー病の生物学」(p669-681)、第56章が「認知症における非認知症状への対応 認知症の行動と心理症状」(p785-795)となっており、巻末には130ページにわたる参考文献(英文)と和文、欧文索引があります。⑩は原著第4版(2001年刊)の翻訳書で、学生、医療従事者向けです。第26章が「脳機能、加齢、認知症」(p808-836)で、巻末に和文、欧文索引があります。
(4) その他関係する事典等で調べる
今まで紹介した以外にも、リハビリテーションや在宅医療など、関連分野の事典類があります。記述は短いですが、それぞれの専門家による定義や解説が示され、参考になります。
⑪『リハビリテーション医療事典』(朝倉書店 2007)
⑫『リハビリテーション事典』(中央法規出版 2009)
⑬『在宅医療辞典』(中央法規出版 2009)
⑭『高齢者医療確保法基本法令集 平成20年版』(中央法規出版 2008)
⑮『病院で聞くことば辞典 新版』(岩波書店 2010)
⑪⑫はいずれも医療関係者向けに書かれた事典で、⑪はリハビリテーションに関わる言葉が簡潔にまとめられており、p252-253に「認知症(痴呆)」の項目が掲載されています。⑫は序文に「本邦最初の・・・・総合的な事典」とあり、2色刷りで前者の2倍近い分量を持ち、認知症についてはp150-151に記載されています。いずれも項目ごとに執筆者名と参考文献があり、巻末に索引を掲載しています。
⑬は医療関係者向けのコンパクトな辞典です。各項目を1ページにまとめ、項目ごとに定義とその概要(「展開」)、参考文献のほか「主要関連用語」も記載しているため、相互参照しやすいことが特長です。認知症の関係では、原因となる病気のほかに「認知症の診断」「認知症の予防」「認知症のリハビリテーション」などを掲載し、「徘徊」「バリデーション」といった項目も参考となります。
⑭は後期高齢者医療に関する規定を盛り込んで2008年に施行された同法を中心に、施行令・施行規則や関係法令が参照できる法令集で、「制度の概要」(第1編)のほか、「基本法令」「関係法令・告示」「通知」の4編から成り、ハンドブックとして有用です。
⑮は患者や家族にとってわかりにくい医療の専門用語について一般向けにやさしく解説したもので、2002年に刊行された岩波アクティブ新書の増補改訂版です。類書として、貸出可能な「『病院の言葉』を分かりやすく」(勁草書房)があり、
インターネット上の用語辞典としては《kotobank》(http://kotobank.jp/)や、老年科医師の三宅貴夫が個人ページ「認知症なんでもサイト」内で公開している《認知症辞典》(http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/glossarymiyake.htm)などが詳細で便利です。
2 テーマに関する診療ガイドラインをみる
「診療ガイドライン」とは、その病気の標準的な治療方法を科学的な根拠に基いて示した文書です。
ただし、個々の患者の治療に一律に適用できるものではありません。医師向けのほかに患者・家族を対象とした一般向けのものもあり、最新のガイドラインは現在の医療の標準として私たちにとって参考になります。図書として刊行されるほか、学会誌などの雑誌掲載や学会のウェブサイトで公開されているものがあります。以下、認知症に関するガイドラインを紹介します。
(1) 図書
①『認知症疾患治療ガイドライン 2010』(医学書院 2010)
②『痴呆疾患の治療ガイドライン』(ワールドプランニング 2003)
③『アルツハイマー病と老年期の痴呆』(医学書院 1999)
2010年秋に出版された①は、日本神経学会が日本認知症学会など関連5学会と協力し、②の内容を8年ぶりに全面改訂した治療ガイドラインです。臨床医向けですが、クリニカル・クエスチョン形式の解説が充実しており、患者やその家族にとっても参考となります。②はアルツハイマー型認知症について日本で最初に作成された治療ガイドラインであり、③はアメリカの精神医学会で1997年に作成・公表され、それを日本精神神経学会が翻訳したものです。いずれも貸出可能ですが、②③については過去のガイドラインになりますので、参考程度にご覧ください。
(2) 雑誌(学会誌)
「アルツハイマー型痴呆の診断・治療・ケアガイドライン」
(『老年精神医学雑誌」vol.16 増刊号Ⅰ』 東京都老人総合研究所痴呆介入研究グループ 2005)
認知症に関する専門誌「老年精神医学雑誌」の特集号で、1冊全てがガイドラインとなっています。
「画像」「神経心理検査」を含めた診断、「認知機能障害」「精神症状・行動障害」「非薬物療法」の治療、さらに「ケアマネジメント」「看護」のガイドラインを掲載しています。
(3) ウェブサイト
①《痴呆疾患治療ガイドライン》(http://www.neurology-jp.org/guidelinem/thihou_index.html)
②《アルツハイマー型痴呆の診断・治療・ケアに関するガイドラインの作成(一般向け)に関する研究」厚生労働科学研究費補助金(総合)研究報告書》(http://minds.jcqhc.or.jp/lo/ps/Fpastlist.aspx)
ともに以前のガイドラインで、①は日本神経学会によって2002年に作成され、2003年、一般向けに図書として刊行されました。②は厚生労働省科学研究費による研究班が、診断とケアプランの作成に関して2003年に日本で最初に作成したアルツハイマー型認知症のガイドラインで、Minds(日本医療機能評価機構 http://minds.jcqhc.or.jp/index.aspx)では「過去のガイドライン」>「医療提供者向け」>「アルツハイマー型痴呆(認知症)」から見ることができます。
なお、「ガイドライン外来診療 2009」(日経メディカル開発)は最新の情報をもとに診断・治療に関するガイドラインを整理し、年刊として刊行しているもので、認知症(p395-402:「老人性認知症」)以外のガイドラインを探す際にも参考となります。
3 テーマに関する雑誌・新聞記事・報告書を探す
(1) 記事データベース
県立久喜図書館では、医療関係のデータベースとして「JDreamⅡ」を導入しています。
ここでは、みなさまが、自宅や公立図書館等のインターネット用パソコンから検索できるウェブサイトを紹介します。③、④、⑤については医療関係以外の記事も検索可能です。なお、いずれも巻号や執筆者、概要等を確認するもので、基本的に雑誌の記事そのものは見ることはできませんのでご注意ください。また、認知症を特集した貸出可能な雑誌については、資料展示リスト「認知症を理解する」でご案内しておりますので、そちらを参照してください。
①《Web患者図書館》(http://mba-web.co.jp/opac/jhpla_opac1.php4)
日本病院患者図書館協会(http://www.jhpla.jp/)が運営するデータベースです。対象誌は限られますが、たとえば、「きょうの健康」(月刊:NHK)や「暮しと健康 」(月刊:保健同人社)といった一般向けの雑誌(8誌)や、朝日・毎日・読売・日経の各紙の記事について、記事名や執筆者名、キーワードから探すことができます。また、休刊となった「毎日らいふ」の雑誌記事についても検索が可能です。
②《東京大学医学図書館 和雑誌特集記事索引データベース》(http://www.lib.m.u-tokyo.ac.jp/cgi-source/tokushu-1.html)
②は東京大学医学図書館で1994年4月以降に受け入れた医学・看護学関係の和雑誌に掲載されている特集記事約35,000件をデータベース化したもので、月1回更新されています。なお、該当ページ(記事がその号の何ページにあるか)の確認はできません。
③《国立国会図書館雑誌記事索引[NDL OPAC]》(http://opac.ndl.go.jp/)
国内の学術雑誌を中心とした約19,000誌の雑誌記事が検索できます。「国立国会図書館蔵書検索・申込システム」から「雑誌記事索引の検索/申込み」ボタンをクリックします。なお、採録対象となっていない雑誌(たとえば、「Web患者図書館」の収録対象誌である「きょうの健康」や「暮しと健康 」など)や期間もあるため、詳細については「雑誌記事索引採録誌一覧」でご確認ください。また、初期設定では検索対象期間が「2005年以降」となっていることに注意が必要です。
④《CiNii[サイニィ] 》(http://ci.nii.ac.jp/)
国立情報学研究所が提供する学術論文や大学の紀要などを対象としたデータベースで、収録件数(論文数)は1,300万件を超えています。オープンアクセスジャーナルや大学等の機関リポジトリに登録されているものなど、一部の論文についてはpdf形式でそのまま閲覧やダウンロードが可能です。
⑤《厚生労働科学研究成果データベース》(http://mhlw-grants.niph.go.jp/)
厚生労働省が行う研究助成事業の研究成果を公開するデータベースです。公立図書館で所蔵の少ない科学研究費報告書について、全てではありませんが、概要版(抄録)や報告書本文の検索・閲覧が可能です。国立保健医療科学院研究情報センター図書館サービス室でデータベース化しており、「閲覧システム」から「認知症」で検索すると260件を超える文献がヒットします。
(2) 新聞社の健康・医療関係のページ
各新聞社がウェブサイト上で配信していますが、三大紙では健康や医療のページがあり、記事本文を見ることができて便利です。また、全国の地方紙の記事を集めたウェブサイトもあります。これらは日刊紙として発行された後に追加情報を加えて掲載する場合もあるので、紙媒体のものと比較したり、同一のキーワードで各社の記事を検索してみたりすることもできます。なお、掲載期間が比較的短いため、数か月以上前の記事については、縮刷版や有料オンラインデータベースで検索する必要があります。
①《「apital」(アピタル) 朝日新聞社》(http://www.asahi.com/health/)
②《「yomiDr.」(ヨミドクター) 読売新聞社》(http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/)
③《「毎日jp」 毎日新聞社》(http://mainichi.jp/life/health/)
④《「47NEWS」(ヨンナナニュース) 全国新聞ネット》(http://www.47news.jp/medical/)
①②③は三大紙のニュースサイトで、①はasahi.com(アサヒ・コム)の「医療・健康」、②はYomiuri onlineの「医療と介護」、③は「ライフスタイル」内の「健康」のページになります。また④は、全国47都道府県の52新聞社に加え、共同通信の記事閲覧が可能です。
4 テーマに関するウェブサイトを見る
認知症に限らず、医療情報についてはインターネット上で有用なものが多数あります。ここではその中から、患者や家族にとって参考となるもので、団体で運営されているものを中心に紹介します。
なお、特定非営利活動法人「日本インタ-ネット医療協議会(JIMA)」がインターネット上の健康・医療情報を利用する際のポイントについて、「インターネット上の医療情報の利用の手引き」(http://www.jima.or.jp/userguide1.html)としてまとめています。興味のある方はご覧ください。
(1) 患者会
①「認知症の人と家族の会」(公益社団法人)(http://www.alzheimer.or.jp/jp/)
認知症に関わる当事者を中心とした全国的な組織で、京都市に本部を置き、43都道府県に支部があります。月刊の会報誌「ぽ~れぽ~れ」(ウェブサイト上で一部閲覧可能)を発行するほか、会員以外も含めた電話相談受付、講演会やつどいを全国で実施しています。
また、若年認知症の家族会としては、「彩星の会」(http://www5.ocn.ne.jp/~star2003/)(事務局:東京都新宿区)や「朱雀の会」(http://hp.kanshin-hiroba.jp/suzakunokai/pc/)(事務局:奈良市)があり、講演会や交流会を開催するほか、電話相談も受け付けています。前者は機関紙「彩星だより」を発行し、会報はウェブサイト上で1号(2001.4)から20号(2006.5)までを読むことができます。
(2) 認知症全般
①《認知症ケアポータルサイト》(http://www.ninchishou.com/)
(株)住友生命の社会貢献活動の一環として開設され、認知症関係の有用なウェブサイトを紹介しています。トップページにある「基礎知識」「チェックリスト・予防」「医療情報」「介護情報」などのボタンをクリックすると、コメントとともにさまざまなウェブサイトのURLが紹介(重複あり)され、リンク先を閲覧することができます。医師や介護経験者個人のページも紹介されています。
②《認知症フォーラム.com》(http://www.ninchisho-forum.com/)
「動画でわかりやすく認知症を知るサイト」というサブタイトルのとおり、見てわかるウェブサイトとなっています。認知症に関する質問を「予防」「介護」「医療」に分け、個々の質問に対して解説と関連動画が掲載されており、「動画検索」では選べるキーワードやフリーワードでの検索が可能です。「お役立ち」では、医師による20冊以上の図書紹介や相談窓口案内があります。(株)ツムラが協賛しており、運営事務局や監修者等は「認知症フォーラム.com制作委員会」から確認することができます。
③《認知症を知るホームページ (イーローゴネット)》(http://www.e-65.net/)
(株)エーザイが提供するウェブサイトで「認知症の人と家族の会」が監修しています。トップページのメニューには「認知症チェックリスト」や「医療機関・介護相談窓口検索」(外部リンク)があります。「監修者ひとことコラム」では、「推薦図書」として20冊程度の本に推薦者名を付して紹介しています。ただし出版年はありません。トップページ最下部の「お役立ちリンク」も充実しています。
④《認知症介護情報ネットワーク》(http://www.dcnet.gr.jp/)
認知症介護研究・研修センターが運営するウェブサイトで、認知症の基礎知識をわかりやすく解説するほか、「お役立ち情報」では、認知機能検査の例の紹介やWeb学習システム「知ってなるほど塾認知症介護基礎講座」が設けられています。「行政情報」では、厚生労働省の文書が一覧で見られる「厚生労働省法令・通知情報」を、また「介護研究」ではセンターの研究報告書をpdf版で掲載しています。
⑤《認知症ねっと》(http://www.chihou.net/)
介護事業を手がける(株)ケア・リンクが運営するウェブサイトで、「認知症Q&A270問」では25の分類から検索でき、個別質問も一覧できます。ただし、「準備中」の回答があることに注意が必要です。「介護ニュース」では、ウェブサイト上の認知症や介護に関する新聞記事や厚生労働省の報道資料などが検索でき、「リンク」では個人を含めたウェブサイトが詳しく詳細されています。
⑥《認知症を学ぶ会》(http://www.ninchi119.com/)
臨床現場の医療関係者による情報交換用の掲示板で、未登録者も診療技術に関する情報が閲覧(投稿は不可)できます。掲示板では、キーワードや投稿者名からも検索ができ、医師を含めた医療関係者等の生のコメントが見られます。また「認知症関連ニュース」はインターネット上の認知症に関わる新聞記事が閲覧でき便利ですが、他の言葉との組合せや絞り込み検索はできません。
(3) 学会
①《日本認知症学会》(http://dementia.umin.jp/)
①は1982年に設立された学会(2005年に日本痴呆学会から名称変更)のウェブサイトで、学会誌は年2回刊行の「Dementia Japan」です。「一般の方へ」からは学会の認定専門医(埼玉県では4名該当)や専門医のいる施設が県別に検索でき、「認知症の主な疾患」という解説が掲載されています。
②《日本認知症ケア学会》(http://www.chihoucare.org/)
2000年に設立された学会のウェブサイトで、学界誌「認知症ケア学会誌」、介護の実践事例を掲載する「認知症ケア事例ジャーナル」を発行しています。掲示版の「Netカンファレンス」では毎月テーマを決め、介護福祉士や看護師、一般の介護経験者などからの投稿(2008年3月以降)が閲覧できます。投稿者の性別や年代、介護経験の有無が表示され、介護に関わる人にとって参考になります。
③《日本神経学会》(http://www.neurology-jp.org/)
神経内科医と神経学研究者を会員とする臨床系医学会のウェブサイトで、機関誌「臨床神経学」(月刊)を発行し、一般向けに毎年市民公開講座を開催しています。認知症を含めた脳卒中、パーキンソン病などの神経疾患治療ガイドラインを刊行しており、ウェブサイト上でも閲覧することができます。
④《日本老年精神医学会》(http://184.73.219.23/rounen/)
1986年に研究会として発足(1988年に改組)し、認知症を「緊急かつ最大の課題」とする精神医学関係の学会のウェブサイトです。トップページから、学会が認定した専門医や専門施設を検索できます。機関紙には欧文の「Psychogeriatrics」(年4回刊)と準機関誌「老年精神医学雑誌」(月刊)があり、後者(県立久喜図書館所蔵)については論文検索で抄録まで閲覧できます。
(4) その他
① 相談窓口
家族などに認知症が疑われるとき、まず相談すべき窓口を紹介します。
埼玉県では、福祉部高齢介護課が社団法人「認知症の人と家族の会」埼玉県支部に委託し、
《認知症電話相談窓口》(http://www.pref.saitama.lg.jp/site/ninchisyosesaku/ninchishoudenwasoudan.html)を設置しています。
認知症介護体験のある世話人から電話による相談や助言が受けられます。
また、「介護支え合い電話相談」や「若年性認知症の電話無料相談」の連絡先も掲載しています。
若年性認知症の場合、《若年性認知症コールセンター》(http://y-ninchisyotel.net/)のウェブサイトでは、電話相談のほか図書の紹介や障害年金や疾病手当金などの参考情報を掲載しています。
また、判断力が低下した家族を法律や生活面で支える「成年後見制度」については、社団法人成年後見センターの「リーガルサポート」(http://www.legal-support.or.jp/)や、法務省の《成年後見制度~成年後見登記制度~》(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html)のページが参考となります。
② 病院等
県内の病院を探すには《埼玉県医療情報提供システム》(http://www.iryo-kensaku.jp/saitama/)が便利です。また、患者とその家族を地域で支えるため、都道府県や政令指定都市が指定病院に設置する「認知症疾患医療センター」があり、認知症の診断や地域医療機関の紹介、相談受付などを行っています。
現在埼玉県内では、秩父中央病院(秩父市)、武里病院(春日部市)、毛呂病院(入間郡毛呂山町)、西熊谷病院(熊谷市)、埼玉精神神経センター(さいたま市中央区)の5機関が指定を受けています。
最後に、痴呆から認知症への名称変更のきっかけとなった報告書を挙げておきます。
《「『痴呆』に替わる用語に関する検討会」報告書》(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1224-17.html)
- NDC
-
- 内科学 (493 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 認知症
- 備考
- 登録番号
- 2000016359