レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2026年2月22日
- 登録日時
- 2026/02/26 18:20
- 更新日時
- 2026/06/02 21:08
- 管理番号
- 県立長野-25-181
- 質問
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解決
帝国ホテルの新館設計に携わったアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトについて調べている。大正8(1919)年12月に来日した際、アメリカのアトリエ「タリアセン」からどのような渡航ルートを使用したか。
- 回答
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1 船による来日ルートについて
『文明開化の光と闇:建築家下田菊太郎伝』林清梧著 相模書房 1981 p.344に、(前略)大正八年十二月十六日、ライト夫妻とレイモンド夫妻は、シヤトルから日本船の諏訪丸に乗った。偶然にも、同行の船客の中に尾崎行雄がいた。一行が横浜に着いたのは、十二月三十一日のことだった。(後略)」
とある。
同便には政治家の尾崎行雄が同乗しており、フランク・ロイド・ライトとの関連は確認できないが尾崎氏関連の資料でも船旅について触れている資料がある。
『北米行脚便り』河野光次編 河野光治 1920 p.84に出航の様子がある。
なお『読売新聞』の記事によると、諏訪丸は当初は大正9年1月1日に横浜港入港の予定であったが大正8年12月31日の入港となったようだ。
・1919年12月25日(木) 朝刊 5面 「初日の出と共に横浜に入港する尾崎行雄氏」
・1919年12月29日(月) 朝刊 2面 「来春入港汽船 横浜への豫定」(前略)尚来一日横浜入港の筈なりし日本郵船の諏訪丸は予定より早く本月三十一日午後六時と変更したる旨同会社横浜支店に二十七日入電ありたり(後略)
とある。
2 タリアセンの場所について
利用者からの情報で「タリアセン」と呼ばれる場所が複数あることが分かる。次の資料より、大正8(1919)年時にフランク・ロイド・ライトが出発(滞在)したのは、ウィスコンシン州スプリング・グリーンのタリアセン・イーストであると思われる。
『フランク・ロイド・ライト 第1 (現代建築家シリーズ)』フランク・ロイド・ライト設計 [他] 美術出版社 1967p.31「タリアセン・イースト:ウィスコンシン州スプリング・グリーン(1911-1925)」
p.34「タリアセン・ウェスト:アリゾナ州・スコッデール(1938-)」とある。
『フレッチャー図説世界建築の歴史大事典』ダン・クリュックシャンク編 西村書店 2012 【520.2/クダ】 p.1601の写真に、「タリアセン、スプリング・グリーン、ウィスコンシン州(1911-)」とある。
3 タリアセンからシアトル出航(港)までのルートについて
タリアセンからシアトルまでの移動ルートは確認できなかった。
『日本郵船百年史資料』日本経営史研究所編集 日本郵船 1988 【683/78】p.721に、大正期の主要航路(大正15年基準)の外航について記述がある。太平洋航路シアトル線の「航路の変遷その他」の項に、シアトルで大北鉄道、北太平洋鉄道およびシカゴミルウォーキー鉄道、バンクーバーでカナダ太平洋鉄道、カナダナショナル鉄道に接続。(後略)
とあるが、フランク・ロイド・ライトがウィスコンシン州からシアトルまで、これらの鉄道を使用したかは不明である。
※リンク先はすべて国立国会図書館デジタルコレクション 送信サービスで閲覧可[最終確認2026年5月8日]
- 回答プロセス
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1 キーワード「フランク・ロイド・ライト」で当館蔵書を検索し、伝記類を調べる。また日本十進分類表520(建築学),523(西洋の建築,その他の建築様式)の書棚を調査する。『フランク・ロイド・ライト』大久保美春著 ミネルヴァ書房 2008 【523.53/オミ】 巻頭p.xxvi「ライトの来日と帝国ホテルに関する年表」に「1919年(大正8年)12月16日タリアセン出発。同行者:ミリアム・ノエル,レーモンド夫妻。12月31日横浜着(第5回目来日)。」とあり、本文p.142に「(前略)レーモンド夫妻を伴って一九一九年十二月三十一日、横浜港に到着した。(後略)」とある。
2 当館契約データベース「ヨミダス(読売新聞データベース)」等で新聞記事を調査する。大正8年12月31日横浜港着の船舶(北米-日本ルート)に関する記事を確認する。同じ船に「尾崎行雄」が乗船していたとわかる。
3 上述を参考に、キーワード「フランク・ロイド・ライト」「尾崎行雄」「諏訪丸」「日本郵船」「渡航」で、「国立国会図書館デジタルコレクション」を調査する。当時、日本郵船が北米航路で諏訪丸を運行していた旨は『時事年鑑』時事通信社編 時事通信社 1920 p.620-621にある。
4 キーワード「日本郵船」「諏訪丸」「横浜港」で、日本十進分類法683(海運)の書棚を調査する。
5 「タリアセン」の場所を調査する。日本十進分類表520(建築学),523(西洋の建築,その他の建築様式)の書棚やフランク・ロイド・ライトの伝記類を調べ、ウィスコンシン州スプリング・グリーンのタリアセン・イーストだと思われることを確認する。
6 キーワード「アメリカ」「鉄道」で、日本十進分類法686(鉄道運輸)の書棚でウィスコンシン州スプリング・グリーンとワシントン州シアトル間の鉄道を調べる。
7 当館未所蔵の『自伝 ある芸術の形成』フランク・ロイド・ライト著 中央公論美術出版 1988を所蔵している信州大学工学部図書館にルートを照会する。詳細なルートの確認はできなかったと回答を得る。
8 キーワード「大正」「船舶」「寄港地」「横浜港」「アメリカ」「日本」「ルート」で、「レファレンス協同データベース」を調査する。「戦前の日本の客船の寄港地を知りたい。(日本海事センター海事図書館)(08011)」[最終確認2026年5月8日]等の事例がヒット。<調査資料>
・『未完の建築家フランク・ロイド・ライト』エイダ・ルイーズ・ハクスタブル著 TOTO出版 2007 【523.53/ハエ】 p.195
・『フランク・ロイド・ライトとはだれか』谷川正己著 王国社 2001 【523.53/タマ】
・『フランク・ロイド・ライト 幻の建築計画』ブルース・ブルックス・ファイファー著 グランドプレス 1987 【523.53/フブ】
・『知られざるフランク・ロイド・ライト』エドガー・ターフェル著 鹿島出版会 1992 【523.53/タエ】
・『フランク・ロイド・ライト入門』三沢浩著 王国社 2008 【523.53/ミヒ】
・『日本の建築 明治大正昭和 9 ライトの遺産』三省堂 1980【521.6/ニホ/9】
・『帝国ホテルと日本の近代 「ライト館」はいかにして生まれたか』永宮和著 原書房2023【689.8/ナカ】
・『帝国ホテル百年史』帝国ホテル編集 帝国ホテル 1990 【689/65】
・『帝国ホテルの120年』帝国ホテル編集 帝国ホテル 2010 【689.8/テイ】
・『汽船の時代と航路案内』松浦章著 清文堂出版 2017 【683.2/マア】
・『日本郵船株式会社百年史』日本経営史研究所編集 日本郵船 1988 【683/77】
・『日本郵船歴史博物館』日本郵船歴史博物館編集 日本郵船 2005 【683.06/ニホ】
・『米国鉄道史物語』辻圭佳著 蛍印刷(印刷) 1986 【686/144】
・『大阪商船株式会社五十年史』[大阪商船編] 大阪商船 1934 【683/23】
・『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』拓海広志著 成山堂書店 2007 【556.3/タヒ】
・『横浜港湾運送事業五十年史』横浜回漕協会1999【683/100】
・『フランク・ロイド・ライト : 建築家への手紙』フランク・ロイド・ライト [著] [他] 丸善 1986
・『今度の旅行』尾崎行雄述 長井実編 富山房 大正9
・「ヨミダス(読売新聞データベース)」
・「毎索(毎日新聞社のデータベース)」
・「朝日新聞クロスサーチ」
・「中日新聞・東京新聞データベース」
- 事前調査事項
- NDC
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- 西洋の建築.その他の様式の建築 (523 10版)
- 海運 (683 10版)
- 鉄道運輸 (686 10版)
- 参考資料
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フレッチャー [著] , ダン・クリュックシャンク 編 , 飯田喜四郎 監訳. フレッチャー図説世界建築の歴史大事典 : 建築・美術・デザインの変遷. 西村書店東京出版編集部, 2012.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I024040394 , ISBN 978-4-89013-681-0 -
日本経営史研究所 編. 日本郵船百年史資料. 日本郵船, 1988.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001985295
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フレッチャー [著] , ダン・クリュックシャンク 編 , 飯田喜四郎 監訳. フレッチャー図説世界建築の歴史大事典 : 建築・美術・デザインの変遷. 西村書店東京出版編集部, 2012.
- キーワード
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- フランク・ロイド・ライト
- 日本郵船
- 横浜港
- 帝国ホテル
- タリアセン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000381111