レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年11月13日
- 登録日時
- 2025/03/18 18:37
- 更新日時
- 2025/03/18 18:37
- 管理番号
- 千県東-2024-0003
- 質問
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解決
前に読んだことがあり、館山市の那古寺が登場する『紅鯨団』という作品を探している。いつどこで読んだかは覚えていない。作品には、南房総市にある富山に鯨の漁船団が訪れ、鯨の餌とするため鰯を取る描写があった。
- 回答
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『紅鯨団』という作品は見当たらなかったが、【資料1】『烽火の海 ツチンボ捕りの幕末』(高遠實著 千葉日報社 2018)という作品を発見した。質問者の記憶が曖昧だったこともあり、仰る質問の内容にぴったり合致する描写は無かったが、ご本人に確認したところ、探していた内容としてかなり近い作品であることがわかったため、こちらの小説を紹介した。
- 回答プロセス
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1 千葉県立図書館ホームページの『菜の花ライブラリー』においてキーワードとして「紅鯨団」「那古寺」「鯨 館山」で検索した。それらしき資料は見つからなかった。
2 千葉県立図書館HP「図書・雑誌・視聴覚資料検索(https://www.library.pref.chiba.lg.jp/licsxp-iopac/WOpacMnuTopInitAction.do?WebLinkFlag=1&moveToGamenId=tifschcmpd)」にて【資料種別=“千葉県資料”かつ、内容注記=”鯨”を含む、かつ請求記号=”C9//”】で蔵書検索したところ、『沖の権左』(志坂圭著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015)という千葉の捕鯨が描かれている小説を発見。同著者のデビュー作『滔々と紅』(志坂圭著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015)と混同している可能性を考え、東部所蔵資料を確認したところ、それらしき描写はなかった。
3 2と同条件で検索し、『赤い鯨と白い蛇』(冨川元文著 クリーク・アンド・リバー社 2006)という館山が舞台となっている作品を発見。中身を確認したところ、それらしき描写はなかった。
4 事前調査事項の「館山市船形」というキーワードから、【資料種別=“千葉県資料”かつ、全項目=”船形”を含む、かつ請求記号=” C9//”】で蔵書検索したところ、『船形史考』(石渡進著 船形小学校PTA 1980)を確認。P83-P86に船形における捕鯨について書かれている。江戸時代に船形での捕鯨が行われていたが、他に文書もなく、土地に言い伝えも残っていないところをみると、長続きしなかったことが推測される旨が記載されていた。
5 千葉県立東部図書館作成の展示リスト『鯨の世界へ』を確認したが、それらしき資料は見つからなかった。
6 『現代日本文学綜覧シリーズ』(日外アソシエーツ株式会社日外 アソシエーツ)を用いて作品名から探した。「ベニ」「クレナイ」から探したが、それらしき作品は見つからなかった。
7 雑誌記事データベース「Web OYA-bunko」においてキーワードとして「紅鯨団」「那古寺」「鯨 館山」で検索した。それらしき雑誌記事は見つからなかった。
8 新聞記事データベース「朝日新聞クロスサーチ」「毎索」「ヨミダス」「ELNET ELDB」において「紅鯨団」「那古寺」「鯨 館山」で検索した。それらしき新聞記事は見つからなかった。
9 後日、東部図書館郷土開架を確認し、『烽火の海 ツチンボ捕りの幕末』(高遠實著 千葉日報社 2018)を確認した。質問者の仰る内容にぴったり合致する描写は無かったが、質問者に確認したところ、内容としてかなり近いことがわかった。
10【件名=”文学地理-千葉県”】で蔵書検索したところ、以下の資料を確認したが、情報は見つけられなかった。
・『文学の旅・千葉県』(鳥海宗一郎著 竜書房 2003)p68-71「富山付近」、「館山付近」
・『房総の文学めぐり 郷土の文学散歩 1』(千葉県高等学校教育研究会国語部会編 富士出版印刷 1977)
・『房総文学散歩 描かれた作品と風土』(毎日新聞千葉支局編著 崙書房出版 2011)
・『房総文学散歩 上巻』(鳥海宗一郎著 千秋社 1978)p251-268「保田周辺」、p269-296「館山市周辺」
・『房総文学史跡 郷土の文学散歩』(千葉県高等学校国語教育研究会編 千葉県高等学校国語研究会 1964)
・『房総の文芸探訪 安房・富津篇』(池田逸雄著 池田逸雄2010)p159-172「那古地区」、p172-181「船形地区」、p190-205「富山地区」
・『南房総の文芸探訪 外房篇 いすみ市~鴨川市』(池田逸雄編著 池田逸雄 2007)
以下、その他、千葉県立図書館にて確認をしたが、情報を見つけられなかった資料。
・『房総の捕鯨 ふるさと文庫』(金成英雄著 崙書房 1983)
・『房州那古寺界隈 ふるさと文庫 217』(大場ヤス子著 崙書房出版 2019)
・『漁業に生きた人醍醐新兵衛』(厚海熊太郎編 厚海熊太郎1968)
・『魚つりと鯨とりの文学』(中島顕治著 彩流社 1993)
・『館山市文学散歩』(利田正男著 館山市教育委員会 1971)
・『東京湾水土記』(高橋在久著 未来社 1982)
・『房総の近代文学 1』(葉山修平ほか編集 なのはな出版 1995)
・『ふるさと文学館 第13巻 千葉』(ぎょうせい 1994) p217-235「多彩な来訪者のむれ(安房地区)」
・『関東唯一の捕鯨史跡の里 鋸南』(「いさな」による“安房の浜辺は都”プロジェクト研究会 出版年不明)
・『安房地方の捕鯨 ツチクジラ漁をめぐって』(小島孝夫著 日本民具学会 1988)
・『クジラと鯨捕り 捕鯨の地を巡る』(小澤義春著 小澤義春 2020)
・『くじらと散歩 江戸東京湾』(小松正之著 ごま書房 2004)
- 事前調査事項
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・川端康成著「浅草紅団」『日本の文学 45 伊豆の踊子 浅草紅団』(市古貞次/責任編集ほるぷ出版 1985)には、館山市船形に所縁のある人物が登場するが、この作品ではない。
・『カズサビーチ』(山本一力著 新潮社 2016)は、捕鯨団が房総半島を訪れる描写があるが、当該内容はない。
・『鮭と鯨と日本人 関沢明清の生涯』(和田頴太著 成山堂書店 1994)では、鋸南など安房地域の海で捕鯨及び漁を行う描写があるが、那古寺は登場しない。
- NDC
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- 漁労.漁業各論 (664 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『烽火の海 ツチンボ捕りの幕末』(高遠實著 千葉日報社 2018)(2102853756)
- キーワード
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- 捕鯨(ホゲイ)
- 鯨(クジラ)
- 館山市(タテヤマシ)
- 南房総市(ミナミボウソウシ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000364656