レファレンス事例詳細

1　当該高札については「県立長野-24-096」で回答済みであるが、『太政官日誌』の確認を希望とのことから、当館所蔵資料を確認する。[最終確認2024.10.25]
　『太政官日誌』1-17 太政官 1868【210.08/84】は、慶応4年2月の第1号から明治元年9月第81号までの8ヶ月間が収録されている。
　もう1種類の『太政官日誌』太政官 1868【210.08/84-1】の7冊も、慶応4年7月の第41号から慶応4年9月の第75号までを収録している。
　いずれも和装本。
　『太政官日誌 別巻1』朝倉治彦編 東京堂出版 1984【210.08/180/別1】には、「江城日誌（慶応4年）」「太政官政體」「鎮台日誌（慶応4年）」「鎮将府日誌（慶応4年）」、『太政官日誌 別巻2』朝倉治彦編 東京堂出版 1984【210.08/180/別2】には、「東京府日誌（明治元年）」「東京城日誌（明治元年-2年）」が収録されている。
2　『国史大辞典』で、大政奉還、江戸城明け渡し、明治政府成立、太政官日誌等の年代を確認する。これらの年代を考えると、慶応4年以降に刊行された『太政官日誌』に長州征伐の御触書が含まれることは考えにくい。
東京堂出版の『太政官日誌 別巻1』および『太政官日誌 別巻2』、『法令全書 慶応3年-明治17年』の索引編で「長州征伐」「長州」「長藩」などを探したが、征伐に関する内容のものは確認できなかった。
3　「リサーチ・ナビ」で日本の法令資料の調べ方を確認する。
「日本-明治前期の法令の調べ方」に『太政官日誌』について解説されている。
「江戸幕府の法令集（一般）」[最終確認2024.10.25]
4　江戸期の法令集である『幕末御触書集成』を確認する。
第2次長州征伐は慶応元年から2年に行われたが、第1次は元治元年に行われている。問い合わせの「江戸から西の沿道諸驛へは、既に（-後略-）」とあることから慶応元年5月よりも前に高札として掲げられたことがあったとも思われる。
『幕末御触書集成 別巻』【322.15/ｲﾘ/6】の「解題」、「事項目録・編年目録」を見ると第1次でも兵糧等の調達に関する御触書があるようだ。同書は貸出中のため確認できないかったが、慶応元年5月にこだわらず、それ以前の御触書の内容も確認するよう勧めることとする。
5　念のため、「国立国会図書館デジタルコレクション」で、「太政官日誌」を検索する。慶応元年のものは確認できない。
6　太政官日誌を全文検索できるデータベースを探す。
　「『太政官日誌』等フルテキストデータベース（第2次日誌フル）」を発見。「長州」「山口」「秣」等で検索するが、長州征伐に関するものは確認できなかった。